団体訪問 NPO法人まちの塾freebee(NPO支援基金助成事業)

令和5年11月17日、NPO法人まちの塾freebee (以下フリービー)を訪問させていただきました。

「勉強の仕方がわからない」「経済的に有料塾に通えない」「不登校で学習が遅れている」など、様々な理由で学習に不安を抱える子どもたちをサポートするために、無料の学習教室を開いています。

フリービーは助成金や寄附によって運営されており、今年度は杉並区NPO活動資金助成を受けて、教育経験のある地域の社会人が中高生を対象に日頃の学習課題・定期テスト・入試・英検受験のサポートをしています。

現在は、毎週金曜日19時から高円寺北区民集会所にて教室を開催し、12~3人の中•高生が学習しています。訪問した日にも自習をしたり、ボランティア講師の方とマンツーマンで学習している様子が見られました。

こちらの高円寺教室に来ているのは、高円寺周辺の子ども達が多いとのことですが、最近は西荻地域でも教室がスタートしたそうです。こちらは区内の子ども食堂ネットワークとの連携から始まった教室です。「寺子屋子ども勉強会」として、まちナカ・コミュニティ西荻みなみにて毎週月曜日19時から開催されています。

NPO法人フリービー代表 木村裕子さん

代表の木村さんに今の困り事をお聞きしたところ、教室会場にWi-Fiが無いということ。今の時代タブレット学習が進み、学校の課題提出にもインターネットは欠かせません。学習がスムーズに進むためにも会場として使用している区内施設のインターネット環境の整備をお願いしたいとおっしゃっていました。

また、地域の連携ができるネットワーク作りができないか、というお話を伺いました。教室の子ども達に近くの子ども食堂を紹介したり、西荻の教室がスタートに至ったのは他団体からの声がけがあったからです。個々の繋がりに留まらず、広い区内の団体連携の仕組みができることで、どこに何が必要か、そのための場所は確保できるのか等の情報共有ができることになるのではないか、子どもをサポートできる範囲がより一層広がると感じていらっしゃいます。

昨今、ますます子どもへのサポートが必要になっています。フリービーだけでなく、子どものサポートに尽力されている団体の活動を応援し、すぎなみ協働プラザではこれからも団体の声を発信していきたいと思っています。

※開催日や時間は、2023年11月現在のものです。変更となる可能性がありますので、詳細は下記HPをご確認ください。

NPO法人まちの塾freebee https://machinojuku.com/

まちナカ・コミュニティ西荻みなみhttps://nishiogi-machinaka.org/

文責・写真:有馬

団体訪問 杉並区集団給食研究会

2023年10月9日、杉並区集団給食研究会の取材で荻窪タウンセブンに行ってきました。

杉並区集団給食研究会(以下研究会)は、区内の病院、事務所、介護施設、学校、幼稚園、保育園等に給食を提供している施設(健康増進法21条に基づく特定給食施設)が喫食者(利用者)の健康づくりを目指し情報交換や学習等を行う「食の専門家」の組織です。区民の健康的な食生活を応援するために「みんなの栄養展」を1975年より開催し、時代に沿ってメタボリックシンドローム対策や介護予防・フレイル・食育に関するテーマで健康づくりを応援しています。

この日、研究会は、杉並保健所の依頼を受けて、「タウンセブン秋まつり」に参加し、杉並保健所のブースとして「『食』を学ぼうスタンプラリー」を行っていました。

「つりゲーム」「やさいはかり」「まめつかみ」「食の安全クイズ」の4コーナーを廻ると景品がもらえます。研究会の方々は、「つりゲーム」を担当していました。主食、主菜、副菜の中から自分の好きなものを一つずつ釣り竿で釣って、トレーに乗せて献立を完成させていくゲームです。参加していた子どもたちは、自分の好きなメニューを楽しそうに釣っていました。

「やさいはかり」は、一日に必要な野菜の量を実際に計りに乗せてピタリを当てるゲームです。10歳以上は1日に350g必要なのですが、実際の野菜の量を知ることができて勉強になりました。

「まめつかみ」は、一定の時間内に何粒箸で違うお椀に移動できるか競うゲームです。
「食の安全クイズ」は、食中毒予防ポイントなどをクイズにしていました。
この日のお天気は、あいにくの雨でしたが、どのコーナーも、小さなお子さま連れのご家族など大勢の方々で賑わっていました。

スタンプラリーを廻ると、エコバッグや野菜のレシピが載っている冊子などたくさんの資料がもらえます。どのレシピも美味しそうで、さっそく料理に挑戦してみようと思いました!

杉並区集団給食研究会の代表の金子攻さんにお話を伺いました。
金子さんは、救世軍ブース記念病院の栄養課に勤務されているかたわら、研究会の代表も務められています。この研究会は、杉並区内で給食を提供する施設で働いている方々が、悩みごとの相談や情報共有、また勉強会を開催して、食に関する情報を区民の方々に提供する目的で作られたそうです。杉並保健所の研修とは別に、食事や衛生面をテーマとした勉強会を行っていて、以前は、食品工場の見学にも行っていたそうです。今年のタウンセブンの秋まつりは4年ぶりの開催で、やっとできるようになって良かったと仰っていました。コロナ禍以前は、栄養相談コーナーなども設置して今年より大きな規模で行っていたそうです。

最近のお困りごとは、人手不足でシフトを考えるのが難しいことだそうです。
学校給食は昼食だけですが、病院、介護施設、保育園などは、朝・昼・夕の3食を用意しなければなりません。「食」は、生きていくためになくてはならない大事なものですから、1食でも欠かすことはできません。栄養面、人員、材料のコストなどを考えながらの毎日で大変だそうです。でも、今日のようなイベントで、食の大切さを区民の方々に伝えることができ、また、来てくださった方々に喜んでもらえるのはとても嬉しいので、これからも頑張っていきたいと仰っていました。

杉並区民の「食」を応援している杉並区集団給食研究会の皆さま、これからも給食をどうぞよろしくお願い致します!そして益々のご活躍を応援いたします!

(左)杉並区集団給食研究会代表の金子攻さん

杉並区集団給食研究会 |すぎなみ地域コム (sugi-chiiki.com)

文責・写真:椎野

団体訪問 NPO法人プロップK(NPO支援基金助成事業)

8月18日にNPO法人プロップKを訪問させていただきました。

プロップKは、様々な年齢層が集い、支えあう拠点として地域の活性化、繋がり、支え合えるまちづくりの一端を担える活動をしています。ゆうゆう久我山館、ゆうゆう上高井戸館、コミュニティふらっと成田の3館を運営し、住民の交流拠点として様々なイベントを開催しています。今回は、コミュニティふらっと成田にて、令和5年度杉並区NPO支援基金助成事業である「おとなもこどもも安全に楽しく遊ぶアプリゲーム体験」を見学させていただきました。

子どもの目にもとまりやすい低位置にチラシを配置
多くの人の目にとまるように工夫を凝らした看板

小学4年生から大人まで集まり、各自持参したスマホを手に、まずはゲームアプリのダウンロードからスタートです。その日は、「みんなの脳トレ〜脳年齢がわかる脳トレ・脳の若返りドリル〜」「どうぶつタワーバトル」「太鼓の達人」の3つのゲームを体験しました。

司会者はアプリをダウンロードする時の注意点や、広告表示の消し方などを丁寧に説明し、参加者は「なるほど」と頷きながら操作を進めていました。スマホでゲームをするのは初めて、という方もいらっしゃいましたが、参加者全員がスムーズにゲームを楽しむことができました。

手元の資料を見ながら、フロアスタッフ2名がサポートしスマホを操作

最後に行った「太鼓の達人」では、参加者同士が前に出て大スクリーンで対戦!会場には、ゲームコントローラのほかに太鼓の達人専用の太鼓も用意されていたので、普段からゲームに不慣れな人でも簡単に操作可能です。参加者は自然と声を上げてゲームに熱中し、応援する参加者にも笑顔が溢れ、とても盛り上がりました。

大人の参加者も白熱!
小学生と対決!

最後に司会者からスマホ依存症の説明がありました。所有者の多くが依存しつつあるスマホですが、今回のイベントのようにゲームで世代間交流をしたり、情報収集や天気予報など、スマホは便利で手放せない存在です。注意しながらうまく活用していきたいですね。

最後にプロップK代表の石山恵子さんからのご挨拶で終了しました。

精力的に地域のために活動を行うNPO法人プロップK代表の石山恵子さん

今回訪問したコミュニティふらっと成田は、イベント開催のみならず、地域住民のための居場所として場所を提供しています。人気の場所は、建物の入り口を入ったところにあるラウンジです。午後には近所の小学生が集まってゲームをしたり、他にも勉強する学生や打合せをする地域活動団体の方など、多くの人がこのラウンジを利用しています。施設内はスタッフが季節ごとの飾りつけをしたり、快適な居場所を演出しています。

広々したラウンジは夏には涼みどころとして機能している
職員による施設内デコレーション

壁には数々の感謝状が飾られていて、すぐそばの杉並第二小学校の子どもたちからは、手作りの感謝状が届いたそうです。「いつもありがとうございます」と大きく書かれた感謝状には折り紙の飾りがついていて、とても心のこもった感謝状でした。

地域のための活動は住民からも支持されている
杉二小の子どもたちから 心温まる手作りの感謝状

是非これからも地域の居場所としてのご活躍を期待しています。
皆様もぜひ一度、コミュニティふらっと成田を訪れてみてはいかがでしょうか?

写真・文責 大久保・大庭

【コミュニティふらっと成田】公式HP
杉並区成田西1−28−18

すぎ丸バス(阿佐ケ谷駅・浜田山駅間)
「成田西子供園前」下車徒歩2分

関東バス(中野駅・五日市街道営業所間、中35・中36・高43系統)
「杉並第二小学校」下車徒歩2分

【NPO法人プロップK】公式HP

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団体訪問 NPO法人みんなの進路委員会(NPO支援基金助成事業)

NPO法人みんなの進路委員会は令和5年度杉並区NPO活動資金の助成金を受託し、8月5、6日に「SDGsフェスタin 高円寺」と題して、9回のイベントを開催しました。

各イベントは下記の通り開催されました。

・高円寺でごみ拾い対決!(2回)
・地球から空を見てみよう!〜気候変動を身近に感じるような実験をしよう〜(3回)
・身近なものでアップサイクル!〜シーグラスと生活ごみでインテリアをつくろう〜(2回)
・廃油からキャンドルを作ろう!(2回)

これらは、中高生が小学生のためのイベントを企画し、運営するというものです。

主催者が考えるこのイベント一番の意義は、「これからの地域社会を担う中高生の育成」です。大学生を含む大人のスタッフも数名サポートに入りましたが、運営者として中高生はこの日のために何度も打合せを重ね準備してきました。

この日はその実施日でした。今回はその中の一つ「身近なものでアップサイクル!」に参加しました。当日、小学生の参加者18名に対し、中高生スタッフ5名がSDGsに関連したイベントを運営・進行しました。

まず最初に、中高生スタッフがゴミについてのプレゼンテーションをしました。小学生に問うと、小学生は元気に手を挙げて答えます。そのあと、いよいよスノードームと風鈴をつくるワークショップです。

スノードームはそれぞれ自分の好きな色の砂、シーグラスなど選んで作ります。中高生スタッフが丁寧に作り方を教えていました。


風鈴は用意されたジュースやビールなどの空き缶に紐が通してあり、そこに鈴をつけ、その後、短冊に自分の好きな願い事を書いて鈴に吊るして完成です。ここでも中高生スタッフが小学生の目線に合わせて優しく指導し、大活躍です。

最後に中高生スタッフのから「アップサイクルってなんだろう」のプレゼンテーションを聞いて終わりました。参加者は皆、アップサイクルで作った作品を手に、笑顔で帰って行きました。



この日の夕方には、「廃油からキャンドルを作ろう!」という別のワークショップも開催され、約20名の参加者が集まりました。その様子も見てきました。



参加した小学生の保護者からは、また来年も参加したいという声をたくさん聞くことができ、プラザスタッフも楽しい時間を一緒にすごすことができました。

参加した子どもたちからは、

「大人の説明でなく、中高生のサポートが新鮮で良かった、また是非参加したい」

「学校でSDGsのことは勉強したが、アップサイクルのことを分かりやすく説明されたので理解できた。おにいさん、おねえさんと話もできて楽しかった」

「捨てる予定だったものがまた素敵なものに変えられてよかった」

「食品ロスや賞味・消費期限についてのクイズなどがあり、とても勉強になった」

「おねえさんみたいにボランティアしてみたい!」

という声を聞くことができました。

みんなの進路委員会の今後の更なる活躍が期待できるイベントでした。

写真・文責 小林・大庭

※当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。また、まとめサイト等への引用を厳禁いたします。

NPO法人みんなの進路委員会HP
https://minnanoshinro2021.wixsite.com/minnanoshinro


団体訪問 認定NPO法人スマイリングホスピタルジャパン

2023年8月3日、認定NPO法人スマイリングホスピタルジャパンを訪問させていただきました。

代表理事 松本惠里さん
自著作『夢中になれる小児病棟―子どもとアーティストが出会ったら 』を手に

スマイリングホスピタルジャパン(以下SHJ)は、2012年に任意団体からスタートし、2017年には認定NPO法人となり、活躍の場を広げています。小児病棟や障害者支援施設など、外との触れ合いが限られている入所児・者のために音楽・美術系の様々な登録アーティストが病院や施設に訪問し、殺風景な景色に彩を加え、子どもたちに生活を楽しむ機会を創出する活動をしています。その活動の場は北海道から沖縄まで全国に渡ります。

事務所を杉並区の永福町駅前に構え、この事務所は、運営拠点としての役割のみならず、 コロナ禍により訪問による活動が大幅に制限されたため、 SHJスタジオとして、ZOOMでのアート配信事業もここから行い、子どもたちのために開かれた世界への足掛かりを手助けしています。

手作りの看板 ここからZOOM配信している  室内の内装もほぼ手作りとのこと

また、2018年には、「学びサポート」として、重症心身障がい児の在宅での学習サポート事業も開始しました。東京都⽴永福学園肢体不⾃由教育部⾨⾼等部卒業⽣2名、学習⽀援ボランティア1名からスタートした事業でしたが、現在では、医療的ケアを受けながら自宅で過ごす子ども、重い障がいにより体調が不安定なため、特別支援学校に通学籍があっても週に2~3日しか通えない子どもなど、活動が十分でない多くの子どもたちに、自宅訪問をして学習のサポートをしています。見えにくさや聞こえにくさという問題を抱えている子どもの学びの機会が奪われていることを危惧していた学習支援員が様々な「バリアフリー教材」を発案し、子どもたちの小さな成功体験獲得の手助けをしています。

教材説明してくれる松本さん
ショーウィンドウに並べられたオリジナル教材

しかも、この教材ひとつひとつはすべて学習支援員の手作りというこだわりよう!

手にしたときの重みや滑らかさなど、微妙な感触は当事者にとって一番重要で、細部まで配慮が感じられる教材でした。プラザスタッフも教材の実物を触らせていただきました。実際に手にしたときの木の温かいぬくもりと心地よい重量感から、とてもこだわりぬいた、当事者に寄り添った教材だと感じることができました。


2020年には、「杉並区NPO支援基金」をステップアップ事業として活用し、東京都立永福学園在籍または卒業した重症心身障がい児50名に対し学習サポートを行いました。また、オリジナル教材を紹介する冊子「バリアフリーみんなの教材図鑑」も作成し保護者、教員、放課後デイサービス、訪問看護ステーション、大学などに計500部無料配布し、今では全国からオリジナル教材の発注を受けているそうです。

冊子「バリアフリーみんなの教材図鑑」

まだまだ今の社会で障がいのある方々が生きていくには不便や理解不足が見られ、課題は多そうですが、松本さんをはじめ活動にかかわる人と、そのサービスを受ける方、そしてそのご家族の笑顔の数を増やす取り組みはとても魅力的でした。

数々の書籍にSHJによる執筆記事が掲載されている

写真・文責 有川・大庭

※当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。また、まとめサイト等への引用を厳禁いたします。

認定NPO法人スマイリングホスピタルジャパンHP
https://smilinghpj.org/
学びサポートHP
https://shjmanabisupport.org/wp-manabi/