【ステップアップ講座】地域活動団体のための「助成金」考え方と申請のコツ 開催レポート

2024年10月16日(水)、杉並区役所分庁舎3階にて、【ステップアップ講座】地域活動団体のための「助成金」考え方と申請のコツを開催しました。

講師には、NPOサポートセンターより常務理事・事務局長の小堀悠氏をお招きしました。

小堀氏は、学生時代より、環境団体、まちづくり団体の設立や運営、資金調達などに携わり、民間企業を経てNPOサポートセンターに入職。主にNPO資金調達や組織運営のサービス普及に取り組んでいらっしゃいます。認定ファンドレーザーの資格もお持ちで資金調達のプロとも言える方です。助成金については、助成制度構築のコンサルティング、NPO団体の助成申請サポート、助成金の審査委員などに携わっていらっしゃいます。

今回の講座では、「助成金」の基本的な概要から、申請時に必要なこと、採択後の流れなど、ワークを含め、幅広くお話ししていただきました。

まず、講座に入る前に、近くに座っている参加者同士で自己紹介を行いました。
場の緊張がほぐれて、和やかな雰囲気での講座スタートとなりました。

≪講座の内容≫

  1. 助成金の概要の講義では、資金の種類から始まり、助成金・補助金の特徴、助成機関から見た助成金とは、助成金の種類、探し方、決定までの流れ、おさえておきたい審査のポイントをわかりやすく説明していただきました。
    特に、「助成機関から見た助成金とは」のところでは、
    ◆助成金申請の上手な団体は、助成金申請の「書き方」ではなく、助成金の「考え方」を知っている。
    ◆助成機関の最終目的は団体支援ではなく、「人や社会」の支援が目的である。
    「人や社会」の支援を効果的・効率的に実施するために、団体助成をおこなう。
    ◆助成金は、「報奨金」ではなく「投資」であり、想いの強さを審査しているのではない。
    助成機関が求める成果は、①問題の対応や改善、②原因の解消、③助成先の成長や強化 ◆求められている応募書類は、
    団体がアピールしたいことを自分たちの言葉で書くのではなく、相手先(助成先)が知りたいことをわかりやすく書く。

など、大事なポイントがたくさん詰まっていました。

2.助成金を申請する前の準備では、架空の応募要項を読み取り、確認事項を記入するワークを行いました。その後、回答をみながら解説がありました。

3.助成金決定後の手続きでは、助成が決まったら、協力者、助成団体への連絡、お礼、求められる義務の確認の説明がありました。

4.まとめ、質疑応答では、助成金のプレゼンで気をつけること、報告書の書き方についてなどの質問があり丁寧にお答えいただきました。

参加者からは、
・助成金についてよく分かり、具体例としたサンプルもあってよかった。
・途中にワークが入った事により理解が進んだ。
・全体像がわかった。演習もあり、要点が実践的だった。
・具体的な申請書・架空の募集要項のサンプルがあり、実用的で分かりやすかった。
・プログラムを作る側、審査の側から、お話も伺え、勉強になりました。考え方を言語化されており、実務の際も活用させていただきたいと思います。

などのお声をいただきました。

ご参加いただいた団体が、今回の講座で学んでことを生かして、自団体に合った助成金事業に申請することで、活動の幅を広げて団体の成長に活かしてほしいと思います。

最後にNPO法人未来をつなぐ子ども資金(※1)の代表の秋山氏より、チャリティーウォーク助成の説明の時間を設けました。

杉並チャリティーウォーク助成とは、NPO法人未来をつなぐ子ども資金が行っている助成金で、杉並チャリティーウォーク(※2)に参加した方からの参加費をチャリティー資金として、次世代を担う子どもたちの健全育成を図る活動や社会教育の推進を図る活動に助成し支援する、というものです。

2024年度助成募集は2024年12月に開始します。応募についての詳細はこちらのリンクからご確認ください。⇒ https://kodomoshikin.org/fund/fund_konnend/

今年の杉並チャリティーウォークは、2024年11月10日(日)浜田山で開催されます。
あなたのまち歩きが、子どもたちのために活動している団体の助成につながります、ぜひ足をはこんでみてはいかがでしょうか。

文責・写真:椎野

(※1)NPO法人未来をつなぐ子ども基金

(※2)杉並チャリティーウォーク

すぎなみフェスタ2024 出展のお知らせ

杉並区最大級の区民のためのイベント「すぎなみフェスタ2024」が2日間(2024年11月9日、10日)にわたり開催されます。

https://www.sugifes.com

1日目の11月9日には、すぎなみ協働プラザも出展し、NPO支援基金の普及啓発と募金活動を行います。

NPO支援基金による助成を受けた団体の紹介と子どもから大人まで楽しめるワークショップ「バルーンアート・楽しいアトリエ」を企画しています簡単なバルーンアートを一緒に作ってみませんか?(参加費はすべてNPO支援基金に寄附されます)

たくさんのご来場お待ちしています!

【すぎなみ協働プラザの出展予定】

●日時:令和6年11月9日(土)10:00-15:30
※すぎなみ協働プラザは9日のみ桃井原っぱ公園での出展となります。

●場所:桃井原っぱ公園 H8

地域活動のPRに!あなたのまちの「でんごんくん」

でんごんくんMAPはこちら

「でんごんくん」とは、杉並区が設置している、地域の情報交換やPR活動の場として区内在住・在勤・在学の方が使用できる掲示板です。
地域活動を一緒にする人を探したい、地域のイベントを知らせたいなど地域に住む人たち同士の情報交換やPR活動の場としてご利用できます。
利用にはルールがあります。詳しくは下記URLをご覧ください。

詳細: 
https://www.city.suginami.tokyo.jp/guide/chiiki/johokoukan/1005218.html

すぎなみ協働プラザでは、団体の方により活動をアピールしたり活動地域に合わせた場所を活用したりできるよう
マップを作成しました。ぜひご活用ください。

団体訪問 できる。できない。じゃない!実行委員会

10月13日(日)、産業商工会館で開催していた「第7回 できる。できない。じゃない!やってみるんだ!展 2024」(以下、「やってみるんだ!展」)に行ってきました。

「やってみるんだ!展」は、できる。できない。じゃない!実行委員会が毎年開催している一大イベントです。

”やってみたい”を止めない!障がいのあるなしに関わらず自由な表現を楽しもう!をモットーに、アートを楽しむイベントです。障がい者施設を利用する子どもたちを中心に、その家族、支援に携わる人々のコミュニケーションや交流を深めるために、子どもたちが制作した作品の展示を行い、また一般の人も参加できるワークショップを開催しています。

今年のテーマは「たからばこ」でした。自分の宝物、みんなの宝物に気づく2日間、と題して、12日、13日の2日間開催されました。テーマに沿った作品展示、ワークショップ、フード販売があり、訪問した13日には、絵具で遊ぶ体験、輪投げ、野菜スタンプポーチづくり、箱庭あそび、色塗り落書きコーナー、ビーズアクセサリー作り、カードゲーム体験、さをり織り(※1)体験、楽器体験などのワークショップを開催していました。

まずは、作品展示を見て回りました。どれも色が鮮やかで、目を引くものばかりでした。作成者の「宝物」を見て感じることができました。

また、今年から、子どもたちの作品の一部は、販売されていました。作品を制作する様子の写真展示とともに並べられた作品は、とても力強く、子どもたちの気持ちが色鮮やかに表現された作品でした。

子どもたちの作品販売 受付の秋山さん

次に、いくつかのワークショップに参加しました。「ブワ~っと自由!誰でも簡単!絵具で遊ぼう!」では、5色の絵具を小さなキャンバスに流し、ストローで吹いたり、斜めに傾けたりして自由に絵具を広げていきます。きれいなマーブル模様ができて、世界に一つだけの作品ができあがりました。

また、「野菜スタンプオリジナルポーチづくり」では、れんこん、オクラ、小松菜の断面を利用してスタンプにしました。小松菜はお料理では切り落としてしまう根元の部分が、バラのような模様を生み出し、新たな発見がありました。布用ペンで葉を描き足したり、自由にアートを楽しみました。

れんこん、こまつな、オクラの断面を使って、大きな花に。布用ペンを使用して葉を追加し、世界で一つだけの宝物に。

ビーズアクセサリーや楽器体験にも参加し、作ったもの、体験したことすべてが、今回のテーマでもある、「自分の宝物」になりました。

さをり織り体験はとても人気で、代表のやぶうちゆうさん曰く、「布を織るのでなく自分を織る」や「さをり織りの糸は絵の具だ」等、色々な言葉で表現されている芸術作品です、とのことでした。

最後に、音楽に引き寄せられ、楽器体験へ。

2時間以上の滞在となりましたが、時間が経つのがあっという間で、気づくとお腹が空いていたので、外で販売していた、豆腐ドーナツやポップコーンを美味しくいただきました。

やってみるんだ!展実行委員会代表のやぶうちゆうさんは、このイベントについて、「このイベントは杉並区以外の他県、宮城、千葉、鹿児島からの協力、参加もあるイベントで、やってみたい!という気持ちは県境も越える、そんなイベントです。」と話します。来年の「やってみるんだ!展」も楽しみです!!

◆やってみるんだ!展2024 
https://youtu.be/W3Kp1vwFT_8?feature=shared

(※1)さをり織りとは・・・
「差を織る」という多様性のある織物で、障害者就労支援にも利用されている技法です。均一に織るのではなく、感じるままに好きなように織る織物で「差」を「織る」という意味があります。糸が一本抜けようが失敗ではなく「それも個性や味わい」と受け入れます。さをり織りのスローガンの一つは「キカイと人間の違いを考えよう」。決まったパターンにとらわれず自己を表現するアートでもあります。
(出典:Npo News https://nponews.jp/social-issues/saori-weaving/


できる。できない。じゃない!やってみるんだ!展 公式SNS

◆Instagram https://www.instagram.com/dekirudekinaijanai
◆Facebook https://www.facebook.com/dekirudekinaijyanai
◆X(旧Twitter) 
https://x.com/i/flow/login?redirect_after_login=%2Fyattemirunda

団体訪問 NPO法人カケルとミチル(NPO活動資金助成事業)

2024年10月12日(土)
【令和6年度NPO活動資金助成事業】
令和6年度杉並区NPO活動資金の助成金を受けたNPO法人カケルとミチル(以下カケルとミチル)にお伺いしてきました。

カケルとミチルは、心身の状態や発達の特性により、社会生活上の困難さや違和感を抱く人、またそのような人たちを支援するご家族及び専門家に向けて様々な活動を行っている団体です。不登校当事者が主催する地域イベントの企画運営を団体が支援しながら開催することによって、不登校児童・生徒らについて地域の方々に知ってもらうことや、不登校児童・生徒らが社会と触れ合う機会を創出するような取り組みを行っています。

今年度のNPO活動資金助成事業として、ファシリテーターのもと、グループミーティングを年間を通して行います。

見学させていただいた日は、生徒5名保護者3名の参加があり、中学生がほとんどでした。

この日は初めての参加者もいたので、コミュニケーションを取るためにまずボードゲームで関係をほぐしていましたが、参加者から「集中しちゃうゲームだからコミュニケーション取れないよ~」などの突っ込みがあり、盛り上がっていました。

参加者にはお菓子と飲み物が配られ、好きな時好きなタイミングで飲食が出来て、終始リラックスしたムードでした。

この日のグループミーティングのテーマは「楽しかったことを教えてください」というものでした。

進行する司会の方はなるべく参加者たちに話をするように促していて、初めはいつもとは違う環境で話しづらそうにしていた参加者もいましたが次第に打ち解け、質問することでお互いの存在を認め合い、人への興味を持てているように感じました。

学校へ通うことはできていなくても、オンライン上のゲームで集まった仲間とはグループを作っているという参加者もいて、生き方はひとつではないし、正しい事もひとつではないんだと考えさせられました。

最後に「人狼ゲーム」のような遊びをしましたが、保護者を含めてみんなで誰が人狼なのか探り合いながらゲームを楽しんでいました。参加者の一人はかつてカケルとミチルの活動に参加をしていたOBでした。帰ってこられる場所、ふらっと寄れる場所は心の拠り所でもあるのだと感じました。

会場が定まっていないことや、事業の特性として難しい事へ挑戦しているとは思いますが、この日の参加者と保護者はみんな笑顔で過ごすことができていたので、こういう場所があるということを同じような悩みを抱えているご家庭にも広がるといいと思いました。

文責・写真:有川