ステップアップ講座「組織をマルくするワークショップ」(全3回連続講座)開催レポート

2026年6月25日(木)から3回連続講座として「組織をマルくするワークショップ」を開催しました。

「団体のメンバーが不足している」「私ばっかり頑張っているけど課題の共感が得られない」「地域への広げ方が分からない」そんな悩みを解消し、仲間と一緒に笑顔で自走するチームを目指すために、団体のメンバーが自然と主体的に動き出す「対話のコツ」と「関係性の作り方」を学ぶ講座です。

講師には、株式会社サステナブルタウン代表取締役、まちづくりジェネラリストの萩元直樹さんと、対話と学びほぐしのコーディネーターの志田千帆さんをお招きしました。

この講座は、情報と対話にできるだけ集中力を高めれるよう、机を無くし椅子だけを用意し、メモも取らず、コーヒーを片手にリラックスして参加するスタイルで開催されました。

株式会社サステナブルタウン代表取締役 まちづくりジェネラリスト 萩元直樹さん

【第1回】6月25日(木) 第1回目は、目的・目標の設定と仲間との共有方法を学びました。
冒頭では「パーパス(内外に開かれた目的・存在意義)」の重要性が語られました。課題には意志(WILL)があり、団体活動の起点になっています。個人の意志をチームや地域の意志としていくため、そして、共感・共鳴が生まれるために、自走するチームづくりの基盤についての学び合いがスタートしました。
初めに「一人で抱え込む活動」から「みんなが主役のチーム」へとステップアップするための知見やアプローチが共有されました。さらに、過去の固定観念を学びほぐす「アンラーン」の姿勢や、対話を通じた関係性の構築について学びました。
後半のワークショップでは、「えんたくん」(※1)の手法を体感。丸い形の付箋を活用しながら参加者同士が対等な立場で意見を出し合い、組織の目的や目標を可視化・共有するプロセスを実践しました。

【第2回】7月2日(木)
第2回目は、問題から課題の導き方を学びました。
前半では、混同されがちな「問題」と「課題」の概念を整理しました。

株式会社サステナブルタウン 対話と学びほぐしのコーディネーター 志田千帆さん

問題:目標(あるべき姿)と現状との間のギャップの中に存在します。客観的に捉えられる、ネガティブな状態やボトルネックを指します。
課題:問題に対して「自らが対応する」という主体的な意志(WILL)をもって設定するものが課題です。未来に向けたポジティブな行動テーマを指します。

チームを動かす「課題設定力」で重要なことは、「なぜその問題が発生しているのかを問い、数ある要因の中から真の原因を突き止め、それに対する課題を明確なことばで示せることです。暗黙知になりがちなそのプロセスをチームで話し合い、一人ひとりが「自分ごと」としてかかわりたいと思える、意志の宿る課題を共有することから、「協働」が生まれます。

後半のグループワークでは、「えんたくん」を活用し、自分たちの活動の「目的・目標」「現状と問題」「真の原因」をロジカルに整理する演習が行われました。

参加者同士が対話を重ねる中で、課題設定こそが活動の質と継続性を左右するスタート地点であり、全体を支える柱であることを再確認しました。地域活動において「課題解決の達人」ではなく「課題設定の達人」を目指すことの大切さを実感しました。

【第3回】7月9日(木)

第3回目は「つながりの4つの意味」について学びました。

初めに、イベントや活動において最も重要な「ふりかえり」が取り上げられました。反省会(責任追及・後悔)や打ち上げ(慰労)と異なり、ふりかえりは次の改善に向けた前向きなプロセスである点が示されました。「KPT(Keep・Problem・Try)」の型などを活用し、学びや価値を抽出し続けることの大切さが解説されました。

次に、「ワールドカフェ」の手法や「つながり」「協働」の本質を探求しました。カフェのようなリラックスした雰囲気で対話し、他者の視点から学びを得る「他花受粉」の重要性が共有されました。また、単に人を巻き込むのではなく、一人ひとりの主体性や共感を育む「コンコーダンス型」のコミュニケーションや、多様な主体が共通ゴールに向かって連携する「コレクティブ・インパクト」の概念について学びを深めました。

「えんたくん」を活用してのワークでは、自身の課題や強み、パーパス(活動や人生の目的)を整理・可視化しました。対話を通じて互いの想いに共鳴し合い、地域課題の解決に向けた協働のアイデアを膨らませる実り多い機会となりました。

参加者からは、
・理解するには少し難しい事も有りましたが、常に目的を見失わない事。課題の共有。対話の大切さを確認しました。できればこんな講座が身近な地域で行われると助かります。
・メンバーとの話し合いからしか、始まらない!自分にも、どうして活動するのか⁉︎問い続けることで同じ想いの方に私の意思が届き、活動を共にする丸い組織を作りたい!と強く思いました。色々な活動をされている皆さんと話す機会を持ち、面白かったです。この時期に講座を受けることができて、本当によかったです。萩元さん、志田さんのお話は、興味深く聞けました。ありがとうございました!
・課題設定、課題設定力の重要性を改めて考えました。
などのお声をいただきました。

ワークの難易度が少し高かったですが、こうした合意形成の手法を地域活動団体に紹介できたことは、大きな成果(お土産)になったと思います。各団体の今後の話し合いの場で実践されることを期待します。


(※1)「えんたくん」
輪になって座った参加者たちが全員でひざの上にのせて使う、直径約1メートルの円形の段ボール製コミュニケーションツール。

株式会社サステナブルタウン
https://www.sustainabletown.earth

写真・文責:椎野

労務コラム⑮ 教えて梶谷先生

事業場における労働関連用語の一考察
私たちが『働いている』上で、よく見たり聞いたりする用語があります。当たり前のことと看過せず、ちょっぴりその中身を考えてみると意外な発見があるかもしれません。


第15回:税金について 

 私は税理士ではないので、あまり税金のことについてウンチクを傾けることはできないのですが、業務補助の関係で年末調整等にも結構関わっているものですから、どうしても気になります。今回はそんな税金(所得税)の話を少しだけ。

 年間の収入が一定額を超えると課税対象となる、所謂『103万円の壁』は、長い間私たちの前に立ちはだかってきました。2024年12月まではこれを1円でも超えてしまうと本人が課税対象者になってしまうだけでなく、所得税の被扶養者にもなれなかったのです。一番分かりやすい例でいえば、大学生の子どもがこの壁を超えてアルバイト収入を得れば、自分にも税金が降りかかり、親は年末調整で所得控除できたはずの63万円が控除できず、逆に大きな追徴を受けるというようなことになっていたのですね。配偶者の場合は配偶者特別控除という別の制度があるため、またかなり事情が異なるのですが、ここでは詳細には触れません。でも一般的に配偶者の扶養に入っている方たちも間違いなくこの103万円を意識して年間の収入調整をしていました。

 2025年には国民民主党の働きかけにより、ついに103万円の壁は崩れました。本人の非課税枠は年間収入160万円まで上がりました。所得税の扶養要件(扶養する人が所得控除できる要件)も親や16歳~18歳の場合は103万円から123万円となり、配偶者の場合は満額の38万円を所得控除できる本人収入要件が150万円から160万円と変わり、19歳~22歳の子どもは親が満額の63万円を所得控除できる収入要件が150万円となったのです。これは本当に大きな制度変更でした。

2026年は本人の非課税要件がさらに年収178万円まで引き上げられます。年末調整に向かって一喜一憂がありそうですね。

「教えて!梶谷先生」コラム一覧ページへ

ワークサポート杉並 職場実習 実施レポート

すぎなみ協働プラザ(以下プラザ)では、毎年ワークサポート杉並を通じて、障害のある方の就労体験の場として職場実習生を受け入れています。

今年も2026年6月23日に実習を行いました。

今回の実習では、パワーポイントを使ってチラシラック用の案内板を作成してもらいました。最初にプラザ職員から完成形の見本を示し、プラザの新しいロゴと杉並区のキャラクター「なみすけ」を配置したデザインの作成を依頼しました。実習生は、疑問点があると自発的に質問しながら丁寧に作業を進め、手際よく作成してくれました。
その後はラミネート加工の作業です。機械が高温になるため注意が必要な作業でしたが、こちらも手際よく行うことができました。時間に余裕があったので、ドアに貼る新しいロゴマークの印刷・ラミネートも追加でお願いしました。

実習生が作成したチラシラックの案内版
実習生がドア用に作成したプラザの新しいロゴマーク

実習終了後は、ワークサポート杉並の職員の方も交えて振り返りを行いました。
実習生からは「久しぶりにパワーポイントを使用したのでとても疲れましたが、完成して良かったです。」との感想をいただきました。

素敵な案内板が出来上がり、プラザ職員一同、とても助かりました。
今回の経験が、今後の就職活動に向けた大きな自信とステップアップにつながることを、心より応援しています。

文責・写真:椎野

地域活動のための「“心をつかむ”チラシタイトル講座」開催レポート

令和8年7月11日(土)13:00~16:00、地域活動のための「“心をつかむ”チラシタイトル講座」を開催しました。

すぎなみ協働プラザでは毎年、団体活動に役立つ広報講座を開催しています。今年も、杉並区広報専門監の谷浩明さんをお迎えし、チラシタイトルについて学びました。

杉並区広報専門監 谷浩明さん

初めにグループ内で1人1分ずつの自己紹介を行い、和やかな雰囲気でスタート。谷先生からは「一方的な講義ではなく、皆さんにも積極的に参加してほしい」とお話があり、参加者への質問や問いかけを取り入れながら講座が進行していきました。

【前半】講義:「伝える」から「伝わる」へ

前半は、届けたい人に「伝わる」ためのポイントと、チラシタイトルの考え方(3ステップ)を学びました。

  • 「伝える」と「伝わる」の違い 情報を一方的に流す(伝える)のではなく、受け手が理解し、行動や気持ちの変化を起こすこと(伝わる)が重要。
  • 広報(Public Relations)の本質 組織と人々(団体・個人)との間に、誠実なコミュニケーションを通じて「よりよい信頼関係を構築する」こと。
  • チラシタイトルの考え方(3ステップ)
    1. だれに言うか?: 年齢や属性だけでなく、受け手の内面的要素(悩み・願望・価値観)まで踏み込んでターゲットを絞り込む。
    2. なにを言うか?: 発信側の伝えたいことと、区民のニーズ(関心ごと)の「共通項」を見つけ、共感を呼ぶ。
    3. どう言うか?: メリット・ベネフィットの提示や、未来のワクワクした姿を想像させる工夫をする。ニュース性や手軽さ、「初」「ついに」といった言葉、具体的な数字を活用する。

【後半】ワークショップ&生成AI活用術

後半は、参加者が過去に作成したチラシのタイトルを修正する実践ワークを行いました。 参加者の皆さんは自身の活動を振り返りながら、「とにかくたくさんタイトル案を書く」「受け手の立場で選ぶ」「声に出して読む(リズムを意識)」の3つを大切にし、熱心に取り組んでいました。さらに講師から一人ひとり直接講評をいただき、実践的なブラッシュアップが行われました。

思い浮かんだタイトル案を何個も書き出す
参加者同士で積極的に意見交換!
タイトルを選びきれず、グループ内で相談!
チラシのビフォーアフターを説明する参加者
講師から一人ひとりにアドバイス
(ワークシート)講師のアドバイス入りのビフォーアフター

講義の締めくくりには、生成AIの活用術についてでした。
「AIは確率的予測やパターン学習に基づくものであり完璧ではないため、最終的な確認・判断は人が行うこと」といった前提のほか、効果的なプロンプト(指示文)の大原則として以下のポイントが挙げられました。

  • 明確な指示を出す
  • タスクを分解して渡す
  • 参照データ(正確な資料)を渡す
  • 「考える時間」を与える(深掘りさせる)

【まとめ】

少人数制ということもあり、講師と参加者の距離が近く、誰もが発言しやすい雰囲気でした。参加者同士の交流や意見の出し合い・聴き合いが随所に見られ、終始活気に満ちていました。

最後に谷先生は、チラシタイトルを考えるうえで一番大切なことは「相手のことを考えること」と仰っていました。

講座に参加された団体の皆さんが、今後どのような素晴らしいチラシを生み出されるのか、今から目にするのがとても楽しみです。

【参加者からの声】

・とても有益な講座でした。他の団体との交流もあり、初めての地域イベントの参加でしたがまた参加させていただきたいと思いました。ありがとうございました。

・言葉とイラストの関係性を重視した発信、という発想はこれまであまりありませんでした。またAIに対する指示の仕方についても基本的なところを確認できました。ありがとうございました。

・相手目線の大切さを再認識しました。ご講義ありがとうございました。

写真・文責:椎野

すぎプラ通信vol.16 発行のご案内

2027年8月1日
2027年8月すぎなみ協働プラザの広報紙「すぎプラ通信Vol.16」を発行しました。

今回も、デザイナー工藤拓志さんにお願いしてきれいに見やすく仕上げていただきました!

今号では、令和8年度NPO活動資金助成事業に決まった団体さんの活動写真を表紙にし、中面では前号のテーマであった「協働はじめの一歩」から実際に協働を遂げた団体さんのTODOをご紹介しています。

その他にも、すぎなみプラっと散歩「杉並野草の会」のご紹介、イベント情報なども掲載しています。

杉並区内施設各所に配架されています。ぜひお手に取ってご覧ください。登録団体の皆様には郵送いたします。

【目次】
・新しく「楽しい」価値を創るための協働のお話
・目標達成までの4つのステップ
・こんな団体あったんだ‼「すぎなみプラっと散歩」
・不安を安心に!「プラザに相談しにきませんか」
・・・

すぎプラ通信はホームページからもご覧いただけます。

最新号vol.16はここをクリック