団体訪問「第45回杉並野草展」を訪ねて

毎月、すぎなみ協働プラザ(以下、プラザ)の交流コーナーを定期的にご利用いただいている「杉並野草の会」(※1)は、プラザのスタッフになじみ深い団体の一つです。メンバーの皆さんの和やかな雰囲気を見ているうちに、実際の活動を見てみたいと思い、2026年4月17日、大田黒公園で開催された「第45回杉並野草展」を訪れました。
この催しは、杉並野草の会が長年大切に育んできた、春の恒例行事です。今年は4月17日(金)~19日(日)の日程で開催されました。例年入場者数は3日間で計2,000人を超えるそうです。

会場となった大田黒公園の催物広場に足を踏み入れると、そこには会員の方々がこの一年のあいだ、愛情を込めて育て上げた約400鉢もの野草たちが、整然と並べられていました。 山野でひっそりと息づく可憐な野草たちを、こんなにたくさん間近で見ることができるのはここだけです。お揃いの緑色のエプロンを身につけた会員の方々が出迎えてくださり、野草の名前や育て方のコツなどを丁寧に解説してくださいました。専門的な知識を持つ方々から直接お話を伺うことで、野草の世界に引き込まれていくような感じがしました。

家庭での野草栽培の普及促進のため、苗の頒布や野草の種の無料配布も行っていました。
訪問した日は天候にも恵まれ、絶好の野草展日和となりました。公園内では、八重桜(サトザクラ)がちょうど満開の時期を迎えており、淡いピンク色の花びらが青空に映えていました。 地面を彩る小さな野草たちの繊細な緑と、頭上で咲き誇る満開の八重桜のコントラストは、自然が描いた絵画のようで、幸せな気持ちになりました。

今回の訪問を通じて、改めて地域の自然環境や、それを守り育てようとする人々の温かな活動に思いを馳せる素晴らしい機会となりました。

(※1) 杉並野草の会は、昭和51年11月に発足し、野草栽培を趣味の領域に留めるのではなく、杉並区民が野草と関わることを通して、緑化活動や自然保護活動への関心を深められるよう活動しています。月1回自然観察会を実施し、会報は毎月発行。昭和57年からは区の後援を得て、毎年4月の3日間、会員が育てた野草の展示会「杉並野草展」を大田黒公園催物広場で開催しています。杉並区認定みどりのボランティア団体(※2)としても活動中です。

「杉並野草の会」すぎなみ地域コム概要ページ
https://www.sugi-chiiki.com/suginami-yasou

(※2) 杉並区認定みどりのボランティア団体:地域のみどりの保全及び育成のためのボランティア活動をする団体のうち、杉並区が認定する団体

文責・写真:椎野

団体訪問 「災害食『実食訓練』 食べチャレ ライフライン停止!何をどうやって食べるか?」

2026年3月13日(金)、すぎなみ食育推進の会(以下、すぎ食)が会員となっている、福祉防災ネットワークすぎなみ主催の「災害食『実食訓練』 食べチャレ ライフライン停止!何をどうやって食べるか?」に、すぎ食代表の堀田さんよりお誘いいただき見学してきました。

『実食訓練』とは、災害時に備えて実際に食材を調理・試食するもので、ライフラインの停止や季節・時間帯によって生まれる過酷な状況下で「本当に食べられるか」を確認し、備蓄を見直す貴重な機会となります。

今回は、一般社団法人日本災害食学会の森下園子氏を講師に迎え、大地震発生から2日目の昼、在宅避難が可能だが、電気・ガス・水道がすべて停止した状況を想定して行われました。

講師の森下園子氏
主催者の瀧澤征宏氏

主催者の瀧澤征宏氏による挨拶の後、参加者からはアルファ化米やパンの缶詰、レトルト食品、野菜不足を補うための野菜ジュースやドライフルーツなど、各自の想定に基づいた備蓄品が披露されました。

持ち寄った食材を持ってパチリ!

調理が始まると、ポリ袋で炊飯やおかずを作る「ポリCOOK」や飯盒(はんごう)での炊飯、缶詰を組み合わせたアレンジ料理などが次々と作られ、参加者同士でシェアされました。作業の途中には室内照明を消し、懐中電灯やランタンの明かりのみで調理を行い、不自由な環境下での難しさも体験しました。

途中に、すぎ食の堀田さんより、発災時から6日目まで、フェーズに合わせてどのような食品を用意すべきか、またそれらに含まれる栄養素の役割について説明があり、大変勉強になりました。

森下氏からは、
・紙コップや紙皿はラップやビニールを被せて使う。洗えない状況で虫の発生を防ぎ、ゴミも削減できる。ビニール手袋も必須。
・備蓄食料の賞味期限は別シールで大きく表示すると良い。カセットボンベにも使用期限があるため定期チェックが必要。
・普段のおかず(煮物など)を1食分ずつラップして冷凍しておくと良い。災害時初期の非常食として非常に有効である。
・ポリCOOKでご飯を炊いたら、缶詰の焼き鳥や塩昆布などで自分の好きな味にすると良い。
・湯煎時は鍋底に皿やキッチンペーパーやシリコン等を敷くとビニール袋の破裂を防ぐ。
・お餅、麺類も備蓄しておくと良い。
・応用して楽しく食事してほしい。

など、具体的な工夫を教えていただきました。

食べ終わった後は、グループに分かれて、災害時3日間の献立を考えました。
甚大なる被災により、発災初日から数日間は精神的かつ肉体的にも食べ物の受け入れが困難な状況が予想されるため、のど越しが良く栄養価にもすぐれているものが良いなど、皆で意見を出し合い共有しました。

最後に参加者からの風よけ付きのカセットコンロなどの便利グッズの紹介もあり、日頃の備えの質を高めるヒントがありました。

参加者からは、
「想像していたよりずっと美味しかった」という安堵の声が漏れる一方で、ご飯やパンなどの主食が中心となったことで「喉の渇きを感じ、汁物が欲しくなった」という、実食して初めて気づく切実な課題も見えてきました。さらに、不安で食欲が落ちる災害時でも「カレー味なら食欲が湧く感じがする」といった心理的な発見もあり、味のバリエーションの重要性を再認識する機会となりました。
また、「これからはスーパーに行った際、普段の買い物の延長線上で災害食になりそうなものを見つけてみたい」という前向きな意欲が語られました。単なる知識の習得に留まらず、五感を使って「食べること」の難しさと大切さを体感したこの訓練は日常生活の中で防災意識を育む「ローリングストック」の真髄に触れる、大変有意義な訪問となりました。

すぎなみ食育推進の会 https://www.sugi-chiiki.com/shokuiku-suisin

福祉防災ネットワークすぎなみ https://www.instagram.com/p/DV5tRG9j2rT/

文責・写真:椎野

すぎなみ協働プラザ登録団体の活躍を見に!西荻センターまつり2026

2026年2月28日(土)、西荻地域区民センターまつりに行ってきました。

今年の西荻センターまつりは2月28日(土)と3月1日(日)の2日間開催のうち、28日は「昼の部」と「夜の部」の二部構成というボリュームのあるお祭りでした。会場となる勤労福祉会館の外にはポップコーンや綿あめ、焼きそば等の飲食の模擬店が出ていて、お祭りムードたっぷり。館内には、プラザの登録団体として日頃から熱心に活動されている皆さんの姿がありました。今回は、現場で輝いていた2つの団体(ななほし倶楽部、駄可笑屋敷プロジェクト)を中心に、当日の様子をレポートします。

創造力を劇にする!「ななほし倶楽部」の舞台発表

1階ホールでは、「ななほし倶楽部」が、劇の発表をしました。ななほし倶楽部は、演劇ワークショップを通じて、「できた!」「やりきった!」と感じられる“成功体験”を子ども達に実体験してもらう活動をしています。

「ななほし倶楽部の活動をもっと広く知ってほしい、仲間を増やしたい、発表の場が欲しい!」という想いから、センターまつりへに応募し、出場が実現しました。

披露したのは、昔話「浦島太郎」をモチーフにした創作劇。

堂々と大きな声で演技をするメンバーの子ども達

物語の後半部分を、出演する子どもたちが自分たちで考え、発言し、ストーリーを構成していくというユニークな形式をとっています。

大人から子どもまでが同じ舞台に立ち、観客を飽きさせないメリハリのある演出が印象的でした。

単なる劇の発表ではなく、子どもたちが自分の意見を言葉にし、表現するプロセスを大切にする。そんな「ななほし倶楽部」ならではの、思考力や発言力を育む実践的なアプローチが光るステージでした。

子どもたちの笑顔の源!「駄可笑屋敷プロジェクト」の縁日

地下2階の体育室「おまつり広場」に降りると、バルーンアート、輪投げ、スーパーボールすくいなど、子ども達の笑顔が溢れる出店がたくさん。体育室の入口でコインを購入して遊びます。

出店のひとつに、「駄可笑屋敷プロジェクト」のワクワクが詰まった縁日ブースがありました。駄可笑屋敷プロジェクトは、杉並区では方南銀座商店街で「駄菓子屋」兼「こどものための居場所」を提供している団体です。最近では井荻地域の「みんなのおうちたっぷ」でも活動をスタートさせるなど、着実にその輪を広げています。

この日は、射的やスマートボールなど、子どもたちが夢中になれる遊びを提供していました。スタッフの大学生は笑顔で問いかけてくれるので、子ども達は安心して遊んでいました。

代表の久我さんは、「上手だねぇ!」「いいよ、いいよ!おまけだよ!」と、遊びに来ている子が喜ぶ声がけをするので、子どもたちの姿が絶えず、「もう1回やる!」と言ってコインを買い足しに行く子も。会場の活気を牽引していました。

「遊び」を通じて、地域の大人と子どもが触れ合える空間、そこでは、子どもたちが目をキラキラと輝かせていました。

館内では他にも、荻窪警察書による白バイde記念写真や、鉄道模型の運転展示、不用品を繋ぐ「0円均一」など、多くの団体がそれぞれの色でお祭りを彩っていました。

今回ご紹介した「ななほし倶楽部」や「駄可笑屋敷プロジェクト」のように、すぎなみ協働プラザ登録団体の皆さんは、日々の活動を地域住民の方々へダイレクトに届け、地域の皆さんの笑顔を増やす活動をしています。

私たちすぎなみ協働プラザは、これからもこうした団体を支援してまいります。現場で活動する皆さんのエネルギーを間近に感じることができ、とても充実した見学訪問となりました。

ななほし俱楽部 https://nanahoshi-club.com

駄可笑屋敷プロジェクト https://dagashi-ysk.com

文責・写真:大庭

訪問レポート 杉並ボランティアセンター [ボラセン団体交流会]

杉並ボランティアセンター「ボラセン団体交流会」へ行ってきました!

 2026年1月31日、杉並ボランティアセンター主催の団体交流会に参加してきました。今回のテーマは「デジタルを使って活動力アップ」。「もっと自分たちの活動を知ってもらいたい!」「参加してほしい!」という想いや、デジタルを使って解決したいという想いを持つ地域活動団体やボランティアグループの皆さんが集まりました。

【目からウロコ!SNSの使い分け術】
 第1部では講師の秋本創さん(NPO法人埼玉情報センター事務局次長)から、「SNSとは」「各SNSの特性(Instagram、LINE、X(旧Twitter)、Facebook)」「紙とWEBの連携、AIの活用」など幅広くお話しいただきました。「この活動内容なら、X(旧Twitter)と相性がいいですよ」「動画で見せると、活動の雰囲気がパッと伝わります」など、現場経験に基づいた具体的なアドバイスをたくさんいただきました。

デジタル活用で活動の幅を広げるコツを語る秋本さん。熱意あふれる講義に、参加者の皆さんも熱心に耳を傾けていました。

秋本さんのお話しを伺い、思わず心の中で「へぇ〜、そうなんだ!」と何度もつぶやいてしまいました。秋本さんは、さいたま市市民活動サポートセンターに在籍していた経験もあり、そこでの豊富な相談経験から、参加者に寄り添った目線で話をしている姿に、同じ中間支援の立場としてたくさんの学びを得ることができました。

【リアルな声が飛び交う交流タイム】
 休憩を挟み第2部では、グループごとに情報交換をする交流会でした。各団体がどのようにICTを活用しているか、リアルな「本音」が語られました。
※ICT・・・情報処理および通信技術の総称を指す用語のこと。スマートフォン、SNS、Web会議ツール(Zoom等)を使い、業務効率化や情報共有の迅速化に役立てることで、運営メンバーの負担を軽くする工夫のこと。

参加したグループで特に話題になったのはLINEのオープンチャットでした。オープンチャットで情報を発信しているという団体の方に、オープンチャットに関する質問が飛び交いました。「匿名で気軽に参加してもらえるのが魅力」というメリットがある一方で、「匿名だからこそ、不適切な書き込みへの対策も必要」という課題も。便利さの裏側にある“運用のコツ”を共有できるのは、こうした対面交流の醍醐味です。

【つながりが広がる、うれしい瞬間】
 会の締めくくりには、すぎなみ協働プラザが窓口となっているポータルサイト「地域コム」を紹介しました。地域コムとは、杉並区が持つ地域活動団体を紹介するポータルサイトの名称で、すぎなみ協働プラザ登録団体が利用することができます。

終了後、「はじめまして」の団体さんから「団体登録を検討したい」とお声がけいただき、新たな出会いに嬉しくなりました。素敵な機会をくださった杉並ボランティアセンターの皆様、本当にありがとうございました。

会場には、すぎなみ協働プラザにご登録いただいている団体の方も多くいらっしゃいましたが、「はじめまして」の方とも、つながりを広げることができ、とても有意義な時間となりました。

この交流会をきっかけにデジタルというツールを通して、杉並の地域活動の輪がさらに広がっていくことを期待しています。来年の団体交流会も楽しみです。

文責・写真:大庭
講師写真提供:杉並ボランティアセンター

一般社団法人自考館 訪問レポート

2025年12月20日(土)に、一般社団法人自考館の講座を見学してきました。

自考館は中学1年生~社会人の市民を対象に、ジャーナリストによる作文・小論文講座と、各分野一線の講師によるゼミを実施する一般社団法人として、2025年7月に設立されました。フェイク情報があふれ、日本の衰退が進む中、受験、就活に役立てるだけでなく、生き抜くための「本質力」と、「社会創生を促す力」を身に付けることを目標として掲げる非営利の団体です。
講座・ゼミは2025年10月4日を前半第1回として、毎月第1~第3土曜日に開催され、今回は前半最後の第9回目の開催となりました。

ゼミ・講座に入る前に各塾生が「私は素敵な大バカです」と銘打っている襷をかけ、それぞれの「私の大バカな社会創生案」を発表しました。自考館では、古びた常識やルールにとらわれず、未来のために大胆なアイデアを出す思考ができる人を尊敬すべき、「大バカ」と称しています。塾生からは「江戸時代への見直し」、「一人住まいを守る」、「選挙権の改革」、「愛を感じられる学校」、「ロボテックスホテル」等のユニークで興味深い提案が出ました。
「物価の高騰の高騰は日本の国力低下を象徴しており、日本人は確実に貧しくなっている。様々な社会問題を解決し、未来を切り拓くために、社会を創生する『奇跡』をあちこちで起こす必要があるのではないか。『大バカ』とは、価値基準をゼロベースから見直すことである」と代表の岡田氏から説明がありました。

【第1部】15:00~16:30 「社会創生②講座」 
講師:岡田代表
塾生による小論文の発表が行われました。今回はその中で「民主主義の行方」が取り上げられ、参加者全員に講師より選ばれた小論文のコピーが配布され、それを読んで、参加者同士での意見交換があり、最後に代表からわかりやすい解説がありました。
その後小論文の基礎を学び、表現パターン等の書き方の講義がありました。

【第2部】16:30~18:00「現実をどう変えていくのか~新人議員が直面するアレコレ」
講師:長野県松本市議会議員花村恵子氏
最初にメディア、介護関連等の経験を経て松本市で議員になるまでのお話をお聞きしました。次に、取組まれている対策・解決策・問題点を詳しく発表されました。最後に塾生に向け「私が議員だったら、これをこう変える」という課題が提示されて、塾生からは「政治教育の衰退対策」、「継続的ワークショップ開催」「地域資源活用」、「会派改革」、「学校教育改革」等のそれぞれの本質を突いた意見が発表されました。

【映画監督松原文枝氏からのお話】女性文化賞を受賞された松原氏から、戦中満州で起きた壮絶な事実のドキュメンタリー映画「黒川の女たち」の紹介があり、過去の過酷な事実と向き合った日本人やこの映画をめぐり、貴重なお話を伺いました。

今回は大学生、院生、教育関連、報道関連の方々と幅広い参加者がおり、いろいろなお話にふれて、日常では得られない新たな視野が広がる有意義な経験でした。この講座を通じてメディアや議員さんのお仕事についても気づきと学びがありました。
今後も自考館の専門知的識を生かした活動の展開、地域住民や団体を対象とした表現力、想像力を高める専門講座の実施、中高生向けの作文講座の開催などを通した社会貢献を期待します。

一般社団法人自考館
HP:https://jikohkan2025.com/

                     写真・文責 小林