チャリプラ活動レポート(すぎなみ産業マルシェ同日開催)

2025年6月8日(日)産業商工会館すぎなみ協働プラザ内で、新しい試みとして「チャリプラ」を開催しました。

【チャリプラとは】

「チャリプラ」とはチャリティプラザの略で、杉並区NPO支援基金の普及啓発を目的としたチャリティイベントです。すぎなみ協働プラザ(以下プラザ)は、杉並区NPO支援基金へ寄附をいただいた方に可愛いバルーンアートをプレゼントするという企画を行いました。同時に、プラザ登録団体に活動をPRする場を提供し、その参加費(出店料)を杉並区NPO支援基金に寄附しました。参加団体は紹介チラシの配布や、有料で小物作りのワークショップをして、自団体の活動費を得る等、多様なカタチで出店をしてもらいました。

(プラザによる杉並区NPO支援基金周知活動の様子)

出店団体は事前に、プラザ登録団体から出店希望を募り、希望の団体から面談を経て午前2団体、午後3団体の合計5団体に決定。
杉並区産業商工会館で毎年主催されている「すぎなみ産業マルシェ」と同日開催だったこともあり、開始直後から大勢の来場者がありました。

【出店団体の紹介】

午前の部
NPO法人ハンド・ミー・ダウン

ハンド・ミー・ダウンは主に子ども服交換イベント「おさがりひろば」を開催している団体です。今回は、サイズアウトした子ども服の端切れをアップサイクルしてアジサイを作るワークショップを行いました。

NPO法人ハンド・ミー・ダウン 代表理事 井上 さん

開始から徐々に人が集まり、気づいたら満席に!それでも普段からイベント経験が豊富な代表の井上さんは、テキパキと対応していました。プラザが提供していたバルーンアートとの相性も良く、お花を好きな子どもが、お花のバルーンアートと、アップサイクルで作ったアジサイのふたつを手にして、嬉しそうに帰る姿も見られました。

アップサイクル 10分程度できれいなお花が出来上がります
子ども服の端切れがきれいなお花に!

NPO法人トータルサポートスマイル

トータルサポートスマイルは、主に終活・相続等の無料相談を行っている団体です。

トータルサポートスマイル代表理事 木村さん(右から2番目)と各専門家のみなさん

この日は、専門家による終活、相続のチェックと無料相談を行いました。当日の来場者は子どもが多かったものの、付き添いの親御さんやご高齢の方々一人ひとりに丁寧に寄り添うように相談に乗っていました。1組あたり5分程度の時間でしたが、相談者は普段は聞けないようなことを聞くことができて満足している様子でした。

チェックシート診断と相談の様子

午後の部
ななほし倶楽部

ななほし倶楽部は演劇を中心に他者との交流を目的として、様々な表現活動をしている団体です。

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この日は、団体の活動を体験してもらうワークショップを開催しました。カードを使った会話ゲーム、全身を使ったじゃんけんゲーム等、子どもが楽しい!と感じることのできるワークショップでした。団体に所属している子ども達がお手伝いに入っていたので、子ども達の笑い声が響いていました。同時開催のすぎなみ産業マルシェでは、体を動かして遊べるワークショップ等はなかったので、訪れた子どもたちには思い切り全身をつかって楽しんでいました。

杉二キンボールクラブ

杉二(すぎに)キンボールクラブは、杉並第二小学校体育館にて、スポーツに使用するボールとしては世界最大級のボールを使う球技「キンボールスポーツ」を競技レベルで行うスポーツサークルです。

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この日は、キンボールの展示と、キンボールをプレーしている動画を流しながらクラブのチラシ配布や説明等をして、キンボールクラブの周知を行いました。
なんといってもピンクの巨大なキンボールは、訪れた人たちの目を引き、みんな吸い込まれるようにキンボールに向かっていきました。スペースの都合上、キンボールの体験はできなかったものの、新しいスポーツを知ることができ、好奇心をくすぐられる出店でした。

すぎなみ食育推進の会

すぎなみ食育推進の会は、主に「楽しく学ぶ食育」をモットーに、食育に関する勉強会等を開催しています。

すぎなみ食育推進の会 代表 堀田さん
室内レイアウトゲームで盛り上がりました

代表の堀田さんは防災士の資格を持っていることから、この日は災害時における栄養管理の説明や、ミニチュアハウスを用いて災害時に備えた家具や家電等の配置を正しく学ぶ「親子で楽しく学ぶ室内レイアウトゲーム」等を行いました。ミニチュアハウスには手作りの家具模型もあり、興味を持たせる工夫がなされていました。更に、アンケートに答えた方には防災食のプレゼントがあり、来場者が防災や栄養管理を身近に感じられるように、来場者の興味を引き付けていました。

【杉並区NPO支援基金×バルーンアート】

プラザからは、いまや恒例の「バルーンアート」でおもてなししました。

色々なキャラクターバルーンアートがあるので、選ぶのにもひと苦労(笑)


「杉並区NPO支援基金に100円以上の寄附でバルーンアートをプレゼント」として、たくさんの人にお越しいただきました。バルーンとともに、杉並区NPO支援基金の説明リーフレットや活動報告をお渡しし、来場者に基金の周知を行いました。「この基金はどのような活動に活用されるのですか?」との質問も受け、興味を持ってくれる方もいたので、やりがいのある周知活動となりました。

プラザ職員が作るバルーンアートのレベルは年々上がっていき、「見たことのないモチーフのバルーンアートばかりでどれも可愛い」という声も多く聞かれ、Instagramに喜びの声とともにバルーンの写真を掲載し、プラザをタグ付けしてくれた参加者がいたりと、バルーンアートと共に笑顔もプレゼントできていたようです。

華麗なラインナップ



バルーンアートへの寄附はすべて寄附金は杉並区NPO活動資金助成事業に活用され、それぞれのNPO活動を通して地域の皆さまの暮らしやすさへと還元されます。今回の寄附金額は33,134円(団体からの参加料含む)でした。ご協力いただいた方に感謝いたします。

NPO支援基金のしくみ(杉並区Webサイト)https://member.sugi-chiiki.com/kikin/



出店していただいた団体からも、多くの人にPRできて良かったなど、ありがたいご意見を頂きました。地域のために活動する団体のための小さなお手伝いとして、新たな試みが出来たことはとても良い経験となりました。

写真・文責:有川

【ステップアップ講座】“伝わる”チラシデザイン講座 開催レポート

2025年5月31日、6月14日に【ステップアップ講座】“伝わる”チラシデザイン講座を開催しました。

すぎなみ協働プラザでは毎年、団体活動に役立つ講座を開催しています。今回の広報講座は毎回ご好評をいただいている講座の一つです。これまでにも講師を務めていただいたことのある杉並区広報監の谷浩明さんに、チラシデザインについて、2回にわたり教えていただきました。団体イベントの効果的なチラシを作成したいという思いで多様なジャンルの活動団体の方が参加してくれました。

1回目にて:真剣に講義を聞く参加者たち

1回目はまず「伝えたい人に“伝わる”ポイント」とはなにか、講師から参加者一人ひとりに問いかけ、対話をしながらの講座が始まりました。人と人のコミュニケーションと同様にチラシを作成する先には受け手(伝えたい人)がいることを意識すること。チラシを手に取ってくれた人は何を見ているか、どんな情報が欲しいのか、その中に作る側の「伝えたいこと」をどうしたら載せることができるのかを考えること。そして色、文字、全体のバランスなどデザインの基礎知識、情報の整理の仕方、著作物についての注意点も教えていただきました。1回目の講義で学んだことを生かし、各々が2回目の講座までにチラシ作成課題に挑みました。

1回目にて:対話をしながらの講義の様子

2回目はその作品全てに講師から講評をいただきました。自分のチラシだけでなく、他の参加者のチラシを見ることで他団体の活動、主旨、伝え方の違いも見ることができました。谷さんがどの作成者にも言っていたのは「何を一番伝えたいの?」という言葉です。楽しいイベントに、より多くの人に来て欲しいという想いが強く、たくさんの情報を載せてしまいがちですが、それでは一番伝えたいことが伝わりません。何も知らない人にとって大事な情報は何なのかを考え、できるだけ情報はシンプルにしていく引き算の発想が必要だと教えていただきました。

2回目にて:作成したチラシに赤で書き込みをしながら講評をする谷先生。具体的なアドバイスをもらえた。

参加者からの感想では、「講師のアドバイスが適切で気づきがたくさんあり有意義な時間でした」「これまで時間がかかっていたチラシ作りが楽しくなり仕事の効率がアップしました」「他団体の方のチラシの講評を聞いて学ぶことが多かったです」など皆さんからご好評をいただきました。

2回目にて、作成したチラシ展示を見る参加者たち

今回の講座がイベント集客につながると幸いです。今後もすぎなみ協働プラザは団体活動に役立つ講座を開催していきますので、地域活動団体の皆さまはぜひご参加下さい。

文責:有馬 写真:大庭

ステップアップ講座「会計講座」~決算から活動を見直そう!~開催レポート

2025年4月23日に、【ステップアップ講座】会計講座~決算から活動を見直そう!~を開催しました。
公認会計士・税理士でNPO法人会計税務専門家ネットワーク理事を務める加藤俊也先生を講師にお迎えしました。

最初に決算の目的について「NPO法人や任意団体においては、寄附金や助成金など、外部の支援者からお金をいただいて事業をすることが多く、その方に向けて情報公開が必要です」とお話がありました。またNPOの内部では、決算書類を作成することで、業務の分析や次期事業の計画に利用することができます。そして寄附金やボランティアを募るときや、助成金の申請をするときに、決算書類がしっかりしていると自分たちの団体が選ばれるチャンスが大きくなるとのお話がありました。

次に、決算書ができるまでの流れを確認しました。会計帳簿の締め、各種仕訳の見直しのお話のあと、未収金・未払金・減価償却の計上などについて詳しく説明があり、そのプロセスを経て、貸借対照表、活動計算書を作成するうえでの注意点をお話いただきました。決算までのスケジュールについては、3月決算のNPO法人の場合、所轄庁への提出期限は6月末。法人税や消費税の申告がある場合は5月末が申告期限になるので、総会開催日から逆算して計画をたてることが大切とのことでした。

次に、NPO法人会計基準についてお話がありました。NPOの信頼性の向上をはかるため会計報告の統一ルールとして2010年に策定され、会計報告作成の基準となっています。サイトには質問掲示板やExcelによる財務諸表の作成ツールなど会計初心者でもわかりやすく説明されているとお話がありました。また、NPO活動を支援しているNPO法人会計税務専門家ネットワークという専門家グループのサイトなど、役立つ情報を教えていただきました。

最後の質疑応答では「イベントで徴収した参加費は消費税がかかるか」「町会の会計報告について」「地域団体の会計の勉強はどのような手段があるか」など、たくさんの質問があり、終了後には個別相談(事前予約制)も行いました。

参加者からは
・90分では知識がぐっと増えたとは思えませんが、いろいろな視点をいただけたと思います。
・大変良い講座でした。消費税の知識を増進できました。
・わかっているつもりの事もわかりやすく確認させていただきました。
・NPO会計で困ったときに、情報収集できるサイトを知ることができてよかったです
などご好評をいただきました。

すぎなみ協働プラザでは、団体活動の活性化につながる、スキルアップを目的とした「ステップアップ講座」を開催しております。これからも、皆さまの地域活動がより充実するために様々な講座を企画していきます。

写真・文責:大久保

【ステップアップ講座】発災から72時間!あなたの団体はどうする? 開催レポート

2025年3月1日に、産業商工会館展示場にて【ステップアップ講座】発災から72時間!あなたの団体はどうする?を開催しました。

首都直下地震が懸念されるなか、地域団体が活動中に災害に遭遇することも考えられます。その時各団体はどのような対応ができるか、備えとしてどのようなことができるのかを考える講座です。イベントを開催している団体の方々に参加していただきました。

講師には災害支援・防災教育コーディネーターで社会福祉士でもある宮﨑賢哉さんをお迎えしました。

社会福祉士で災害支援・防災教育コーディネーターの宮﨑賢哉氏


はじめに投影した首都直下地震シュミレーション映像では、山間部、都市部での衝撃的な場面が続きました。首都直下地震による死者数は約23,000名、負傷者は約123,000名、自力脱出困難者は約58,000名、想像することが難しい大きな数字が並びます。建物の揺れ、倒壊、火事…杉並区内でも深刻な場と予想されるところがたくさんあります。

まず講師から、誰ひとり取り残さないために必要な「3つの生」への備え(歯車)というお話がありました。3つの生とは、生命、生活、人生です。

何よりもまずは「生命」を守ることを考え行動すること(安全行動・避難誘導・初期消火・災害情報等)。その次に「生活」を確保するために、正しい情報収集のもと避難所・在宅避難を考えます(災害トイレ、食事、睡眠等)。これらは全て、その先も続く各自の大切な「人生」(住まいの確保、こころのケア、人のつながり、生活の再建等)につなげていくためです。

そのためには発災後72時間に地域活動でできることは、情報発信を待つのではなく、適切迅速な決断をすること!限られた情報だけで決断するためには、日頃の備えがなくてはなりません。備えが地域活動に求められる「安全管理」につながります。情報の見極めも重要です。

後半はグループに分かれて「災害状況を想像する力を身につけよう」をテーマにワークを行いました。

真剣にワークシートに記入している様子

団体活動時に地震発生を仮定、自分の行動、家族の状況と安否確認などを想定。団体としての行動もワークシートに記入し、グループ内で意見交換のあと、発表していただきました。

震災救援所運営に関わっている団体からは「まず暖を取れるようにし、トイレの準備をする。区役所の情報をいつでも見られるようにしておきたい」
活動参加者に高齢者が多い団体からは「参加者の帰宅が困難な場合、救援所への避難が考えられる。その際に必要なこと考えておかなくてはならない」
認知症の参加者がいる団体からは「連絡先等の情報共有が必要であると気づいた」などの発表をしていただきました。

みなさんの発表を終え、最後に講師からお話いただいたのは、
知っているということが行動につながるので、不安だと思ったことはすぐに確認して不安を減らしていってほしい。そして、何が大切なのか、それぞれの「たからもの」は何か。それを想い、備えて欲しいということでした。

すぎなみ協働プラザスタッフも今回の講座では改めて準備、情報収集、心構えの足りないことに気付かされ、意識をもって活動していかなくてはいけないと思いました。
参加された皆さんも今回の講座で得られたことを団体内で共有し、活動に役立てていただけたら幸いです。

文責・写真:有馬・大久保

【ステップアップ講座】フリーランス新法を機に再確認!制作発注の基本とコツ 開催レポート

2025年02月12日に、産業商工会館展示場にて、【ステップアップ講座】フリーランス新法を機に再確認!制作発注の基本とコツを開催しました。

フリーランス新法(正式名称はフリーランス・事業者間取引適正化等法)は、昨年11月に施行されました。フリーランスが不当な扱いを受けずに安心して活動できるような環境の実現を目的として、新たに制定された法律です。

今回の講座は二部構成となっていて、第一部で、公認会計士・税理士である加藤俊也先生より、税務上の注意点をお話しいただき、第二部では、NPO法人チューニング・フォー・ザ・フューチャー代表の手塚さんより、効率的な発注方法の具体例等を、発注者側・受注者側両方の視点でお話しいただきました。

第一部:フリーランス新法に関するお金と税金について

「フリーランス新法に関係するお金と税金について」加藤俊也先生

第一部の加藤先生からはフリーランス新法に関するお金と税金について、そもそも対象となるフリーランスの範囲はどこまでを指すのか、そして確定申告の方法や、報酬・料金の源泉税や消費税など、フリーランスとして働く上で重要で、タイムリーなお話をして頂きました。

第二部:効率的な発注方法の具体例等

NPO法人チューニング・フォー・ザ・フューチャー代表の手塚さん

第二部の手塚さんからは、フリーランスで働く人またはフリーランスに発注する人・業者の視点から、より具体的にフリーランス新法の確認するべきポイントや、受発注両サイドの意識のズレから生じる問題点、見積書・発注書の記載例など、知っておくことでトラブルが回避できるよう、現場感覚で事例を挙げていただきました。受発注両面での経歴のある手塚さんの実体験を通した言葉には、フリーランスに関わりを持つ参加者、これから関わりを持つ参加者にとって、とても濃密な内容でした。

今回は受注側の参加者も多く、この時にはどうしたらいいのかなど、講座終了後に個別で講師に質問をする参加者が多く見られました。それほどフリーランスの仕事はオリジナリティで多岐にわたるもので、ひとりひとり抱える悩みが違うということが分かりました。自分では及ばない知識を持っている方や、先駆者からお話を聞くことができたことでフリーランスの方々の安心にも繋がった講座だったと思います。

文責・写真:有川・大久保

特定非営利活動法人チューニング・フォー・ザ・フューチャー
https://npo-tff.org