団体訪問 認定NPO法人スマイリングホスピタルジャパン

2023年8月3日、認定NPO法人スマイリングホスピタルジャパンを訪問させていただきました。

代表理事 松本惠里さん
自著作『夢中になれる小児病棟―子どもとアーティストが出会ったら 』を手に

スマイリングホスピタルジャパン(以下SHJ)は、2012年に任意団体からスタートし、2017年には認定NPO法人となり、活躍の場を広げています。小児病棟や障害者支援施設など、外との触れ合いが限られている入所児・者のために音楽・美術系の様々な登録アーティストが病院や施設に訪問し、殺風景な景色に彩を加え、子どもたちに生活を楽しむ機会を創出する活動をしています。その活動の場は北海道から沖縄まで全国に渡ります。

事務所を杉並区の永福町駅前に構え、この事務所は、運営拠点としての役割のみならず、 コロナ禍により訪問による活動が大幅に制限されたため、 SHJスタジオとして、ZOOMでのアート配信事業もここから行い、子どもたちのために開かれた世界への足掛かりを手助けしています。

手作りの看板 ここからZOOM配信している  室内の内装もほぼ手作りとのこと

また、2018年には、「学びサポート」として、重症心身障がい児の在宅での学習サポート事業も開始しました。東京都⽴永福学園肢体不⾃由教育部⾨⾼等部卒業⽣2名、学習⽀援ボランティア1名からスタートした事業でしたが、現在では、医療的ケアを受けながら自宅で過ごす子ども、重い障がいにより体調が不安定なため、特別支援学校に通学籍があっても週に2~3日しか通えない子どもなど、活動が十分でない多くの子どもたちに、自宅訪問をして学習のサポートをしています。見えにくさや聞こえにくさという問題を抱えている子どもの学びの機会が奪われていることを危惧していた学習支援員が様々な「バリアフリー教材」を発案し、子どもたちの小さな成功体験獲得の手助けをしています。

教材説明してくれる松本さん
ショーウィンドウに並べられたオリジナル教材

しかも、この教材ひとつひとつはすべて学習支援員の手作りというこだわりよう!

手にしたときの重みや滑らかさなど、微妙な感触は当事者にとって一番重要で、細部まで配慮が感じられる教材でした。プラザスタッフも教材の実物を触らせていただきました。実際に手にしたときの木の温かいぬくもりと心地よい重量感から、とてもこだわりぬいた、当事者に寄り添った教材だと感じることができました。


2020年には、「杉並区NPO支援基金」をステップアップ事業として活用し、東京都立永福学園在籍または卒業した重症心身障がい児50名に対し学習サポートを行いました。また、オリジナル教材を紹介する冊子「バリアフリーみんなの教材図鑑」も作成し保護者、教員、放課後デイサービス、訪問看護ステーション、大学などに計500部無料配布し、今では全国からオリジナル教材の発注を受けているそうです。

冊子「バリアフリーみんなの教材図鑑」

まだまだ今の社会で障がいのある方々が生きていくには不便や理解不足が見られ、課題は多そうですが、松本さんをはじめ活動にかかわる人と、そのサービスを受ける方、そしてそのご家族の笑顔の数を増やす取り組みはとても魅力的でした。

数々の書籍にSHJによる執筆記事が掲載されている

写真・文責 有川・大庭

※当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。また、まとめサイト等への引用を厳禁いたします。

認定NPO法人スマイリングホスピタルジャパンHP
https://smilinghpj.org/
学びサポートHP
https://shjmanabisupport.org/wp-manabi/