【団体交流会】夏の大交流会2025~対話を通してネットワークを広げよう~ 開催レポート

2025年8月30日(土)夏の大交流会2025~対話を通してネットワークを広げよう~を開催しました。


当日は8月も終わりを迎えるというのに都心で今年最高の気温を記録するような猛暑となりましたが、つながりを求める多くの地域活動団体の皆様やこれから地域に貢献したいという想いを持った方々にご参加いただきました。

今回の交流会は2部構成(+ランチタイム)で行われました。

【第1部】

第1部では新たな杉並区の基本構想、杉並区総合計画のある課の課長から取組みや計画の内容について聞き、各課長同士のクロストークを行うことで、参加者に杉並区の現状や課題を知ってもらう場となりました。文化・交流課、課税課、学校支援課、都市整備部管理課、企画課の課長にお越しいただきました。

多文化共生の推進に向けた取組みについて 文化・交流課課長
杉並区のふるさと納税などについて 課税課課長
学びのプラットフォームなどについて 学校支援課課長
グリーンインフラの取組みなどについて 都市整備部管理課課長
公民連携プラットフォームなどについて 企画課課長


クロストークの後は、課長たちも参加者と同じテーブルに入り、横の繋がりを築くとともに杉並区のこれからを話すことができる懇談会として交流してもらいました。
普段聞けないようなことを聞いたり投げかけたり、闊達な意見交換が行われ、縦の関係ではない「協働」に向かう交流ができたと思います。

【ランチタイム】
ランチタイムの軽食には阿佐ヶ谷の宅配弁当屋の「ひっぽ」さんに参加者大満足のオードブルを用意していただきました。和やかな雰囲気の中、食事をしながらリラックスして交流を深めていました。


【第2部】

第2部ではファシリテーターに株式会社エンパブリックの片山ときさんをお迎えして、地域活動団体同士で、同じ課題や関心ごとを話し合い、情報を共有するワークなどを行いました。

株式会社エンパブリック 片山ときさん

ワークを通して似たような境遇や課題感を持ち、同じ方向性の団体同士で対話し、情報交換を行いました。
自身の団体が課題や想いを、ふせんを使って具体化し、発表・共有することで団体同士が結びつき、交流会後にも繋がる約束をするなど、協働の小さな芽を生み出すことができました。

2部のワーク終了後にフリータイムの交流会を行いました。そこでは同じグループにはなれなかったけれど、「あの人・あの団体さんと話をしてみたい」という思いであちらこちらで、興味深いお話が繰り広げられていました。

参加者からは
【第1部】
・杉並区の基本構想や、外国人の増加により国際交流ではなく、単なる市民交流になるという話が聞けて、私たちの活動が意義のあることと確信しつつ、地域のために何ができるのかをみんなで模索したいと思いました。また、他の団体の方々と繋がることができて、自分たちの活動にない動きや発想、考え方などを知る機会にもなり、活動が内にこもりがちな私たちの団体にはそういう団体のみなさんのお話を聞いたり、体験させてもらうこともいいのではないかと思いました。
・多くの気づきがありましたが、特に同席された課の課長からより深い話が聞けたのが良かったです。
・それぞれの課の課長さんから話を聞いて、杉並区の現状を知ることができ、勉強になりました。学びのプラットフォーム、グリーンインフラについて、新たな協働の仕組みに興味があります。
・区内の新しい活動を知ることができました。
・テーマに分かれて、グループセッションできてよかったです。

【第2部】
・いくつかの団体と新しくつながりました。
・まだ、具体的に見えてきたわけではありませんが、次年度の活動にとってご縁が繋がれば、より具体的な活動目標が見えてくると感じました。これからその方々へメールをしようと思います。その中から一つでも二つでも、繋がっていきたいと感じています。

など感想をいただきました。

今回、交流会後に新しい「協働の芽」が生まれ、杉並区に新しい花が咲きそうな気配がでてきたことはすぎなみ協働プラザにとってもうれしいイベントとなりました。

第2部の参加者の方々と

文責・写真 有川

【ステップアップ講座】笑って学ぶ 実践的クラウドファンディング講座 ~100万円を目指す資金調達方法~

活動を続ける中で必要になる資金調達方法として、徐々に浸透してきたクラウドファンディングですが、言葉は分かるけれどなかなか一歩が踏み出せない。そんな方の背中を優しく押すような講座です。
クラウドファンディングを熟知した講師と、クラウドファンディングに何度もチャレンジしているゲストの方々にお越し頂き、初心者でも、経験者でも学びの深い講座となると思います。

・NPOや地域活動の輪が広がるコツを基礎からやさしく解説
・クラウドファンディング大賞受賞者が成功のカギを伝授
・実際のプロジェクトを題材に添削するのでわかりやすい!
・ここだけの本音トークで、苦労話や失敗談もお伝えします

●日時:令和7年10月31日(金)18:00~20:00
●場所:産業商工会館展示場(杉並区阿佐谷南3-2-19)
●対象:杉並区内で活動しているNPO法人や地域団体の方
●講師:山田心氏(東京おもちゃ美術館館長、認定NPO法人芸術と遊び創造協会理事)
●ゲスト:武内剛氏(お笑い芸人ぶらっくさむらい、株式会社ぶらっくかんぱにー代表)
●定員:40名(申込順)
●参加費:無料
①~⑤を明記のうえ、メールにて申込み
Eメール:sanka@nposupport.jp
①講座名②氏名③団体名④電話番号⑤メールアドレスを明記

●問合せ:
すぎなみ協働プラザ 電話:03-5335-9540

労務コラム⑨ 教えて梶谷先生

~事業場における労働関連用語の一考察~

私たちが『働いている』上で、よく見たり聞いたりする用語があります。当たり前のことと看過せず、ちょっぴりその中身を考えてみると意外な発見があるかもしれません。

第9回:失業給付のお話=その2=
 前回のコラムの後編で、失業給付の制度の例外として、65歳以上の雇用保険被保険者が退職した場合は、失業給付は高年齢求職者給付となり、50日分の基本手当が一時金で支払われるという制度を紹介しましたが、今号では違う例外措置についてのお話です。
 あまり好ましいことではありませんが、事業所としては労働者に対して『どうしても辞めてもらわなければならないこと』もありますよね。その理由は事業所の経営的な理由であったり、労働者自身の能力や勤務態度に問題がある等の理由であったり、様々です。専門用語で、こういう退職理由は『解雇』あるいは『退職勧奨』と言います。労働者当人の意思による退職ではないため、こういうケースの失業給付に関する要件は前号で紹介したそれとは大きく異なります。例えばある人が自己都合で退職する場合の失業給付受給要件は、雇用保険の被保険者期間が12か月以上あることであり、実際に受け取れる給付金は10年未満の勤続であれば基本手当の90日分でしたよね。ところが解雇や退職勧奨で仕事を辞めざるを得ない形で退職する人は、雇用保険の被保険者期間は6か月以上に短縮されます。しかもその方が45歳以上60歳未満であれば、失業給付も90日分ではなく180日分となるのです。通常の退職であれば20年以上働いていた人でも150日分がMAXですから、それだけ解雇や退職勧奨は『重い』退職事由であるわけです。
 また適応障害で出勤できなくなったことを事由として退職勧奨が行なわれることもあります。事業所としてはやむをえない決断となるわけですが、もし1年以上社会保険の被保険者期間がある労働者が、労務不能を理由に健康保険の傷病手当金を受給している場合は、退職後も最長で180日分まで傷病手当の受給が可能ですし、それが終了してから失業給付を受け取れるという特別なルールもあります。意外と皆様の事業所でも起こりうることかもしれないですよ。

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西荻窪に子どもたちの新しい居場所が誕生! 「ネリオのこみち」オープニングイベント訪問レポート

西荻窪に子どもたちの新しい居場所が誕生しました!その名も「ネリオのこみち」。オープンに先駆けて開催されたオープニングイベントにお伺いしたので、その様子をお届けします!

西荻窪駅の高架下 西荻マイロード内にあります

「ネリオのこみち」ってどんな場所?

「ネリオのこみち」は、子どもたちが安心して過ごせる「第3の居場所」を目指して作られた、新しいコミュニティスペースです。調子の良い日も悪い日も、嬉しい時も悲しい時も、いつでもありのままの自分でいられる、そんな温かい場所になることを願って、準備が進められてきました。

立ち上げの経緯と熱い想い

この素敵な場所が生まれるまでには、さまざまな人の熱い想いと協力がありました。

プロジェクトが始まったきっかけは、「子どもも大人も、みんなが『居場所』を求めている」という事実を多くの人に知ってもらいたい、という強い思いから。そんな中で見つかったのが、JR西荻窪駅の高架下という、多くの人の目に触れる最適な場所でした。

一般社団法人ピエニ・オヴィ(小さな扉)の代表、能登山明美さんは、30年近く子どもたちと関わり、子ども食堂の立ち上げなど、多岐にわたる支援活動を行ってきました。「ありのままでいられる居場所が必要」という能登山さんの信念に、ジエイアール東日本都市開発様からご理解とご協力を得て、杉並区、そして地域の皆さんが賛同し、約3年の話し合いの末開設となりました。

場所づくりには、子どもたちの声も積極的に取り入れられています。「遊べる空間」「明るい場所」「子どもからお年寄りまで誰でも入れるところ」など、たくさんのアイデアが寄せられ、実際に壁の色塗りDIYイベントには子どもたちも参加し、まさにみんなで作り上げる居場所となっています。

能登山さんは、「私たち大人は、子どもの居場所とはどんなところか?その必要性についても一緒に考えていきたい。」と場所を作るだけではなく、居場所としてどうあるかも大切にしていきたいと述べてくださいました。

DIYイベントでカラフルに彩られたスペース

賑やかなオープニングイベントの様子🎉

7月8日(木)のオープンに先立ち、7月6日(日)と7日(月)に「ネリオのこみち オープニングイベント」が開催されました。

訪問した平日日中も、立ち上げに尽力された方々がお祝いに駆けつけたり、見学に来られたりと、たくさんの笑顔と温かい会話が飛び交っていました。

どんな空間になっているの?

室内の空間は、訪れる人がそれぞれの時間を快適に過ごせるように工夫されていました。

  • 駄菓子が並ぶキッチンカウンター:子どもたちが大喜びしそうな懐かしい駄菓子が並んでいました。
  • テーブルと椅子のフリースペース:気軽に立ち寄って談笑したり、休憩したりできる空間です。
  • 赤ちゃんが過ごせるマット敷きのプレイルーム:小さな子ども連れの方も安心して利用できます。
  • 奥まった落ち着いたテーブル席:集中して読書をしたり、静かに過ごしたい時にぴったりです。
  • 壁一面の貸しボックス:ハンドメイド作家さんなどへ貸出をしているスペースです。ハンドメイド作品や地域ショップの商品なども置いてあります。ネリオのこみちに来た方はもちろん、外側の高架下通路側からも見える設計になっています。

高架下を行き交う人々も、カラフルに飾られた空間と楽しそうな声に誘われるように、足を止めて中を覗いていく方が多く、早くも地域に開かれた場所になっていることを実感しました。

みんなの「こみち」へ、ふらっと遊びに来ませんか?

「ネリオのこみち」は、杉並区、JR東日本都市開発、そして地域の皆さんの温かい協力と、何よりも「みんなの居場所を作りたい」という熱い想いが詰まった、本当に素敵な場所でした。

お子さんやお子様連れの方、大歓迎です!ふらっと立ち寄って、楽しいひとときを一緒に過ごしてみませんか?

※2026年9月までの社会実験として西荻窪駅の高架下で開設し、2026年10月からは北側で同じ事業を行う予定です。詳しくは一般社団法人ピエニ・オヴィにお問い合わせください。

一般社団法人ピエニ・オヴィ 

ネリオのこみち

開催日時:月・火・水・金・土 10:00~20:00
定休日:木・日

子どもの居場所 ネリオのこみち Instagramはこちら
https://www.instagram.com/nerionokomichi/

写真・文責:山口

【ステップアップ講座】個人情報管理講座 (オンライン連続2回講座) 開催レポート

2025年7月、2回に渡り、杉並区内のNPOや地域活動団体向けに「個人情報管理講座」をオンラインで開催しました。

「個人情報」と聞くと、どこか遠い話のように感じる方もいるかもしれません。しかし、NPOや地域活動団体が日々の活動の中で取り扱っている名簿や申込書、写真、メールのやりとり。それら一つひとつが、実は個人情報と密接に関わっています。昨今では地域活動団体のみならず、町会やPTAも個人情報についてはアンテナを張っているものの、正しい扱い方が分からないという悩みもあるようです。そんな皆様に、個人情報について正しく理解し取り扱ってほしいと願い、企画しました。

今回の講座を通じて、

・個人情報保護法の基本用語や具体的な事例を団体内で説明できるようになること
・会員や職員全員が個人情報管理を意識し、管理の徹底を行うこと

を目指して開催しました。

講師には、特定非営利活動法人 情報公開クリアリングハウスの三木由希子氏を迎え、個人情報にまつわる基本から、具体的な対応の方法、そして「組織としてどう向き合うか」まで、じっくりと学びを深める時間となりました。

■ 「なんとなくやっていた」を見直す機会に

1回目の講座では、「個人情報とは何か?」という根本的な問いからスタート。個人情報保護法の基本や、NPOが特に注意すべきポイント(利用目的の明示、安全管理義務、第三者提供の定義など)について、わかりやすく整理しながら説明してもらいました。

また、マイナンバーの取り扱いの話では、制度上の注意点だけでなく、「マイナンバーと一緒に管理されている情報は、一般の個人情報とは別の規制がされている」という視点に、参加者の多くがハッとさせられた様子でした。

■ 「守る」だけでなく「つくる」ステップへ

2回目では、前回の復習に加え、個人情報が漏えいしてしまった場合の対応や事例も紹介してもらいました。「漏えいしたらどうなるか?」という視点を持つことで、「そもそもどう防ぐか?」という具体策にも説得力が増します。

また、2022年の法改正で追加された内容や、プライバシーポリシー作成のポイント、団体としてルールを整える方法まで、実践的な内容が続きました。

特に印象的だったのは、「まず、現状把握から始めよう」という講師の言葉です。すぐに完璧な体制を整えるのではなく、自分たちの団体では今どんな情報を扱っていて、誰が責任者か、どんなルールが必要なのか。一歩ずつ整理していくことの大切さを教えられました。

事後アンケートで参加者からは、

「先生の話がとてもわかりやすく、具体例も参考になりました。配慮しすぎるくらいでちょうどいいという言葉が印象に残りました」

「講座を受けて、個人情報への向き合い方に枠組みができた気がします」

「団体として、どんなルールや体制が必要か、整理できました」

との声をいただきました。

■ 「個人情報を大切に扱うこと」は、信頼を守ること

地域活動の現場では、「相手との信頼関係」が何よりの土台になります。個人情報を丁寧に扱うことは、まさにその信頼を守る行動のひとつです。 今回の講座に参加できなかった団体の皆さまも、自分たちの団体にとって必要なルールや体制について、団体内で話し合ってみませんか?まずは「どんな情報を扱っているか」を見える化することから、次の一歩が始まります。

すぎなみ協働プラザでも、個人情報管理の徹底につとめていくことをスタッフ全員が改めて再確認できた講座となりました。

特定非営利活動法人 情報公開クリアリングハウス HP

文責:大庭