【団体インタビュー】チャイルド・ファンド・ジャパン

 特定非営利活動法人チャイルド・ファンド・ジャパンは、1975年より、アジアを中心に貧困の中で暮らす子どもの健やかな成長、家族と地域の自立を目指した活動をしている団体です。
 今回、団体の支援内容や支援地域の状況、杉並区内で行っている「杉並区民の手でネパールに学校を!」キャンペーンの内容などについて、コミュニケーション・マーケティング部 藤井 翼さんにお話を伺いました。

 

― 団体の活動内容、支援地域の状況を教えてください
 フィリピン、ネパール、スリランカの3カ国の貧困の中で暮らす子どもたちの経済的、内面的成長、衛生面、教育の支援などを行っています。
 国や地域によって状況は異なりますが、学用品や制服の用意ができず学校に通えなかったり、仕事の手伝いをせざるをえなくて学校に通えなくなってしまった子どもたちが、しっかりと学校に通い、将来の可能性を広げていけるようにしています。
 また、リーダーシップ研修なども行い、自信を持って社会へ羽ばたいていくことができるようにしています。
 現在は、新型コロナウィルスが支援地域でも蔓延していて、例えばフィリピンでは、依然として対面授業が再開できていません。地方を中心に医療体制が十分とは言えない地域も多く、貧困の中で暮らす子どもや家族という弱い立場の人々は、パンデミックで大きな影響を受けます。こうした子どもたちへ、マスクや非接触型体温計の支給、手洗い研修などもしています。

チャイルド・ファンド・ジャパンが支援したマスクをつけるネパールの子ども

他にも、国内で緊急復興支援を行っています。直近では、一昨年の台風19号で大きな被害に遭われた長野県の被災者の方々に、子どもには学習などのサポートを、高齢者の方々に対してはストレスを緩和するために傾聴活動を行いました。

― 杉並区内で行っている「杉並区民の手でネパールに学校を!」の内容を教えてください
 杉並区と連携したキャンペーンで、区民の皆さまから書き損じハガキを送っていただき、その収益でネパールに学校建設をしています。毎年12月にスタートし、年明け2月末までキャンペーンを行っています。
 このキャンペーンを開始したのは10年前になります。杉並区に事務所を置いているので、区民の皆さまと一緒に活動ができないかと考えていました。いきなり寄付をお願いするのはハードルが高いと考え、当時から実施していた書き損じハガキの回収を思いつき、区役所の後援を得て、教育委員会をご紹介していただき、学校へ告知することができるようになりました。こうして昨年は10年目を迎え、杉並区長をはじめとする関係者の皆さまをお招きした記念懇談会を行いました。
 これまでに2,200名以上の皆さまにご協力いただき、6つの学校を建設しました。建設した校舎には、なみすけのマークがついています。

なみすけが入った校舎の前で写真を撮る子どもたち

ネパールでは2015年に大地震があり、耐震性の高い校舎の建設が重要な課題になっています。
杉並区民の皆さまのご協力は、子どもたちの命を守る安全な学校を作り、学ぶ環境を支えています。

― 杉並区では他にどんな活動をされていますか?
 2020年11月から、阿佐ヶ谷駅前で、支援募集キャンペーンを行っています。

 普段はホームページなどで広報を行い、支援してくださる方を募集していますが、団体の顔が見えず、活動内容や支援方法、信頼できる団体かどうか、十分にわからないこともあるかと思います。対面でのキャンペーンでは、スタッフが団体の説明を直接いたしますので、見かけたら、ぜひ声を掛けてください。
(※緊急事態宣言等により、実施していない場合もあります)
 また、2020年6月には、スタッフがJ:COM杉並の「杉並人図鑑」に出演させていただき、今後の活動への想いなどを語りました。
 杉並区の小学校での出前授業で、子どもたちに、支援地域の様子や私たちの活動についてお話しをさせていただいたこともあります。

― 今後、地域とどのように繋がっていきたいですか?
 杉並でキャンペーンを継続しつつ、地域に貢献できるような交流、活動をしていきたいです。
 途上国の支援を行うNPOというと、自分たちの生活とは距離があり、遠い存在に感じたり、ハードルの高い団体に思えたりするかもしれません。ですが、そんなことはありません。私たちは、子どもを大切にし、成長を支えようとしていて、それは、皆さんが自分の子どもや身の回りの子どもたちの成長を見守る気持ちと一緒です。皆さんと一緒に「杉並から世界の子どもたちを支える」ことができればと思います。

【スタッフからの感想】
 今回、インタビューさせていただいた藤井さんに、チャイルド・ファンド・ジャパンに入られてから心に残っていることは?とお聞きしたら、「支援者の方々の温かい想い、そしてそれを受け取り親しみと感謝を惜しまない現地の子どもたち、両方の想いの橋渡しの一端を担っているということにやりがいを感じています」と話されていました。
 すぎなみ協働プラザでも、地域に貢献できる交流、活動をしていきたいというチャイルド・ファンド・ジャパンのお手伝いをさせていただきたいと思っています。そして地域の皆さまのお役に立てるような橋渡しをしていきたいです。

ChildFund Japan チャイルド・ファンド・ジャパン

特定非営利活動法人 チャイルド・ファンド・ジャパン
〒167-0041 東京都杉並区善福寺2-17-5
TEL 03-3399-8123/FAX 03-3399-0730
URL https://www.childfund.or.jp/

文責 すぎなみ協働プラザ 椎野