フラットの「一周年記念祭~遊んで踊って友になる~」に参加してきました

2025年5月31日(土)、JR高円寺駅北口から徒歩5分にあるイマジナス(※1)で開催された任意団体フラット(以下フラット)の「一周年記念祭」に参加してきました。

フラットは、2024年3月に設立された団体です。『“今”が変わるはじまりの場所』をコンセプトに、活動の場を広げたい障害を持つ当事者と、多様性を受け入れたいと考える人々との出会いの場を『話し合い』『遊び』『身体表現』の分野で作り、お互いの世界を広げる事を目的としています。

一周年記念祭は、フラットで行われている3つのプロジェクトと、一年間の振り返りや今後の取り組みの説明の4つの内容で行われました。

【みんなのダンス】
みんなのダンスは、障害の有無、性別、年齢を超えて、身体を動かし、表現の楽しさを体感するものです。
参加者全員で、スキンシップを取りながら挨拶をするアイスブレイクでイベントが始まりました。
代表の木津さんが、「回りながら近くの人と手と手をタッチして挨拶しましょう。」「次は肘と肘。」「次は足と足。」と誘導してくれました。みんな笑顔でタッチ。

次に花のつぼみが大きく咲くことを表現しました。

つぼみを身体で表現
花が咲いているところを表現

そして最後に音楽に合わせて、木津さんが教えてくれたダンスをしながら皆で室内を回りました。とても良いアイスブレイクになり、参加者全員と顔を合わせることができました。

【フラットのこれまでの活動の振り返りと今後の展望について】
フラットの活動は、2024年3月26日、阿佐谷地域区民センターに5人で集まり立ち上げたのが始まりとのこと。
年間の活動内容の説明と、ホームページ、会則の改訂など今後の展望について説明がありました。
今後は、「みんなのダンス」は第3日曜日、「みんなのボドゲ」は第2土曜日、「ともなりの場」は第4土曜日の開催を予定しているそうです。

フラットのこれまでの活動の振り返りを代表の木津さんが説明しているところ


【ともなりの場】
ともなりの場は、障害を持つ当事者がどのようにして地域に参加していくかを考える場です。
この日は、障害の今昔について障害者の3つのバリア(情報・意識・環境)を題材に、グループに分かれて話し合いをしました。バリアフリー化や電車のホームドアの設置、発信手段の多様化、障害者のためのイベントが増えたなど多くの点で改善されてはきていますが、就労関係ではさらに改善を望む声もありました。次回は「障害者の恋愛」がテーマとなるようです。

グループ内で話したことを発表、皆で共有しているところ


【みんなのボドケ】
交流をもっと気楽に!をコンセプトにボードゲームなどで遊ぶ場です。
Ito、ハゲタカのえじき、ニムトの3つのボードゲームを行いながら、ゲームでの会話を楽しみました。
「子どもの頃はテレビゲーム機などで遊んでいることが多かったが、大人になってボードゲームの楽しさを初めて知った。」と木津さんは話していました。

ボードゲーム「二ムト」
ボードゲーム「Ito」で会話を楽しんでいるところ

今回、参加して、今までなかなか出会う機会がなかった障害当事者の方と3つのプロジェクトを通して色々なお話をし、楽しい時間を過ごすことができました。当事者の方たちが全てのプロジェクトに笑顔で参加していて、日々の生活の楽しいこと、困ったことを遠慮なく話せる場所になっていました。一人の青年は、健常者と区別なくプレーできるボッチャの選手として、大会で良い成績をあげていることを嬉しそうに話してくれました。

代表の木津石生さん

活動に参加したい当事者の方、多様性を受け入れる方などの参加、大歓迎とのことです。皆さんもフラットのメンバーに会いに行ってみませんか?
すぎなみ協働プラザでは、これからも地域に根差した活動を目指しているフラットを応援していきたいです。

フラット公式サイト
https://flat-sugi.wraptas.site/
https://www.instagram.com/flat.sugi
https://note.com/flat_sugi

(※1)イマジナス
IMAGINUS|未来をつくる杉並サイエンスラボ。東京都杉並区の廃校をリノベーションした新しい科学体験施設。
https://www.imaginus-suginami.jp/

写真・文責:椎野

【下井草に誕生】地域を繋ぐ交流拠点「みんなのおうち たっぷ」オープニングイベントにお邪魔しました。

西武新宿線井荻駅の近く、井荻商店街に、新たな交流拠点「みんなのおうち たっぷ」がオープンしました。地域に根ざした活動を目指す「TOWN&PEOPLE(通称TAP)」が運営するスペースの、記念すべきオープニングイベントの様子をお届けします。

代表の伊藤益子さん。たっぷの前はたくさんの人が行きかいます。

代表の伊藤益子さん。たっぷの前はたくさんの人が行きかいます。

「みんなのおうち たっぷ」とは?

「TOWN&PEOPLE(通称TAP)」は、2024年5月に下井草地域に住む人たちが中心となって立ち上げた任意団体です。井草・下井草・上井草地域を一つの大きな家族と捉え、「まち」と「人」を結びつける様々な企画を行っています。その活動の拠点となるのが、この度オープンしたコミュニティレンタルスペース「みんなのおうち たっぷ」です。西武新宿線井荻駅から徒歩3分ほどの場所にあり、誰もが気軽に立ち寄り、それぞれの「やりたい」を実現できる場所、そして地域の人々が出会い、繋がることで、より豊かなまちを創っていくことを目指しています。

「みんなのおうち たっぷ」は、以下の3つのスペースで構成されています。

  • キッチンスペース: 食堂やカフェ、子ども食堂など、食を通じた交流が生まれる場所。
  • オープンスペース: 講座や相談会、マルシェ、子どもの居場所など、多目的に利用できる広々とした空間。
  • フローリングスペース: 打ち合わせやヨガ、作業など、落ち着いた環境で利用できるスペース。

様々な用途で使える3つのスペースがあります。

地域からの温かい支援!クラウドファンディング達成

「みんなのおうち たっぷ」は、開設にあたってはクラウドファンディングが実施され、目標金額を大きく上回る支援が集まったそうです。

オープニングイベント当日の様子

4月28日に行われたオープニングイベント当日、たっぷの前は賑やかな雰囲気に包まれていました。コーヒーと焼き菓子の良い香りと楽しそうな会話の声が響き、ふらりと立ち寄る地域の方の姿も多く見られました。

会場には、開店準備中の地域のカフェや、手作りの温かさが伝わるハンドメイド雑貨店、地域包括支援センター「ケア24」、そして大学生による地域活動「駄可笑屋敷プロジェクト」など、多彩な顔ぶれが並びました。

駄可笑屋敷プロジェクトの学生さん。今後は、駄菓子屋さんと子どもが遊ぶ場を作るそうです。

たっぷの活動に共感する人々が集い、それぞれの活動を紹介し合ったり、和やかに談笑したりする様子は、まさに地域コミュニティの縮図のよう。代表の伊藤益子さんが、訪れる一人ひとりに笑顔で声をかけているのが印象的でした。

伊藤さんは、「ここでは、たっぷを借りる人が高齢者向けの血圧測定のような企画をするかもしれないけれど、その時たまたま子どもが遊びに来ても、『どうぞ』と言ってほしいんです。人と人が繋がることが、何よりも大切だと思うから」と語ります。レンタル利用者とは必ず面談を行い、共に「まちと人を繋ぐ」というコンセプトを共有していくという、たっぷの丁寧な姿勢も印象的でした。

「色々な人と話すことで、私自身も思いつかないような面白いアイデアが生まれるかもしれない。みんなで一緒に、この場所を育てていきたいんです」と、未来を見据える眼差しで語る伊藤さんの言葉には、この場所への深い愛情が感じられました。

結び

「みんなのおうち たっぷ」は、地域に住む人々にとって、温かい居場所となり、新たな繋がりを生み出す拠点となるでしょう。たっぷに集う皆さんの情熱と、地域の方々の期待が詰まったこの場所が、これからどんな物語を紡いでいくのか、私たちも楽しみにしています。近くにお越しの際は、ぜひ「たっぷ」を訪れてみてください。

TOWN and PEOPLE みんなのおうち たっぷ ホームページはこちら
https://min-tap.com/

住所
167-0022
東京都杉並区下井草4-29-17

写真・文責 山口

グリーンスローモビリティ乗車体験と荻外荘散歩

2025年3月28日に、話題のグリーンスローリーンスローモビリティに乗って、荻窪をプラっと散歩してきました!

グリーンスローモビリティって?
「グリーンスローモビリティ(通称グリスロ)」は、最高速度は時速19kmとゆっくりですが、公道を走れて電気で動く環境にもやさしい乗り物です。①荻窪駅西口→②太田黒公園→③荻外荘公園→④桃井第二小学校→①荻窪駅西口と周回しています。
荻窪では、茶色を基調にしたレトロモダンなデザインで、街にしっくりなじむかわいい車体が走っていました。車両はカート型とバス型があるそうですが、今回はカート型に乗ってみました。

バス型車両
カート型車両

実際に乗ってみた!
出発は荻窪駅西口の乗り場から。1回100円で乗車できます。現金のほかキャッシュレス(交通系ICカード、電子マネー、2次元コード)にも対応しています。今回はSuicaでお支払いしました。

荻窪駅西口乗り場
Suicaで決済

乗る前は「公道を走って大丈夫?車とぶつからない?」とちょっと不安もありましたが、乗ってみるとビックリ。とてもスムーズ、そして快適。
ルートもしっかり考えられていて、車とのすれ違いもあまりないので安心して乗っていられるし、乗り心地も悪くありません。

しかも、カート型は横が開いていて開放感抜群!のんびり走るからこそ、見慣れた道でも「えっこんなところにこんな建物あった?」と新たな発見があって、楽しい気分になります。

車窓から見える景色
区民の足としても活躍しています

運転手さんに話を聞くと、休日は観光で来る人が多くて、平日は地元の人が買い物などでも利用しているのだそう。地元に根付いた存在になってきているようです。

荻外荘にも寄り道
降りたのは「荻外荘公園」停留所。そこから歩いて2~3分のところに「荻外荘(てきがいそう)」の入口があります。

荻外荘は、もともと大正天皇の侍医・入澤達吉の別邸として建てられ、その後は政治家・近衞文麿(このえふみまろ)が住んでいた歴史ある建物。建築は伊東忠太によるものだそうです。

荻外荘入口

杉並区が10年かけて復原整備を進めて、ついに2024年12月に一般公開がスタート。南側の芝生広場では、近衞文麿が暮らしていた頃の木々も残っているとのこと。
今回は時間の関係で住宅の中までは見られませんでしたが、それでも外から眺めるだけで歴史を感じる、落ち着いた場所でした。

公園からみた荻外荘

■ まとめ
グリスロは、ただの移動手段じゃなくて、「街を楽しめる乗り物」という感じです。いつもの道も建物も、ちょっと視点を変えるだけでこんなに景色が変わって見えるのだと実感できました。
次は荻外荘の中もじっくり見てみたいし、また別の場所に寄り道してみたいなと思える、グリーンスローモビリティ乗車体験でした。

写真・文責:大久保

みんなの成田フェスタ2025春@コミュニティふらっと成田

2025年4月20日、NPO法人プロップKが受託しているコミュニティふらっと成田で開催した多世代交流イベントに参加してきました。

当日は600名を超える方々の参加があったようです。
多世代交流イベントということでまずは杉二小ウインドバンドの演奏から始まり、キッズダンス、フラダンス体験、チェロとピアノの演奏会、最後は菊水連の阿波踊りなどのプログラムがありました。
ほかにもロビーや集会室では、たくさんのワークショップや物品の販売がされていました。
私自身も以前の職場の人たちや地域の方たちに会って「久しぶり」のお話がたくさん聞けて楽しい一日になりました。

最初にたくさんの「てぶちゃん」が入り口でお出迎えしてくれました。

てぶちゃんとは、柳瀬忠彦さんという現在大島にお住いの作家さんが考案された手袋人形です。

ハート・トゥ・アートを主宰している渡辺さんがコラボして2003年に白い軍手で2千体以上制作し「高円寺の街をてぶちゃんで飾る」という企画をしたのが、てぶちゃんの杉並デビューのようです。杉並ボランティアセンターが発行している情報紙『ボラン・て』のイメージキャラクターにも採用されています。
今回てぶちゃんは、お迎えしてくれただけでなく、てぶちゃんを作るワークショップもありました。

他にも初めてでもできる編み物ワークショップやタイルモザイクのワークショップも人気でした。子育て応援券が使えるワークショップもありました。駄菓子などもあり老若男女みんなが楽しめたイベントでした。

写真・文責:朝枝

「サイン デザイン ライフライン」 ~障害のある方にとってのサイン、デザインはライフライン(安全に移動するための生命線)~

2025年4月19日、令和6、7年度の協働提案事業となったNPO法人グローイングピープルズウィル(以下GPW)の2年目の事業に参加してきました。
GPWは、主に視覚障害者の地域生活を支える活動を行っているNPO法人です。
今回提案した事業名は「住民(移動制約者)参加によるユニバーサルデザインのまちづくり 実りある対話を行う」というものです。
「対話とまちづくり?」と思われる方も多いかもしれません。まちづくりでは、色々な方の意見を聞いて行われていますが、まだまだ「移動制約者」と言われる方たちの意見が十分反映されているとはいいがたく、建物や道路ができた後に修正されることも多いようです。考えてみれば、つくる前に話し合ったり、実験したりすれば、つくり直したり、修正したりするより、時間もお金も使わずに済むというわけです。

さて、今回は、中央大学研究開発機構教授 秋山哲男さんの『杉並区におけるユニバーサルデザイン』というテーマのお話を伺ってきました。

都市計画そのものが「平均値の都市」から「多様性のある都市」を目指すようになってきた現在、そこに住み暮らす人々の移動の多様性についても考えられるようになってきています。
協働提案のなかに「移動制約者」という言葉があります。 聞いたことがあるでしょうか。 この「移動制約者(移動困難者)」とは、心身の機能の障害や低下などで一般の人より移動に困難を抱える人のことを指します。障害がある方だけでなく、妊産婦、高齢者、あるいは大きな荷物を抱えている人たちもそう考えられます。そして、それぞれの方たちの移動の困難の理由は違います。例えば、視覚に障害のある方の移動には、通称点字ブロックは欠かせませんが、車いすの方たちにとっては点字ブロックの凸凹が邪魔になるということも考えられます。一口に移動に制約がある方といっても様々な方たちがいるわけです。その解決には対話が欠かせません。
当然移動だけでなく建物内にもいろいろな困難があり、ガイドラインや計画なども整備されてきています。
今回の講座では、トイレ、階段、エスカレーター、道路などそれぞれの事例を学ぶことができました。
例えば道路の幅員の確保のこと、車いす使用者用駐車施設のこと、階段の踊り場のこと、エレベーターのかごの大きさのこと、いろいろな事例を伺う中で、気づかずに過ごしていることがいかに多いかに気づきました。
「そういえば、エスカレーターの水平部が3枚であることが増えてきて乗り降りが楽になっている」と思い当たりました。これもバリアフリーの一環です。

また、街中にたくさんあるサインについてのお話もありました。最初につけたサインが分かりづらかったり、見えづらかったりで、次々に付け加えられるサインを「野良サイン」というそうですが、たくさんあることで気づきやすくなることもあれば、逆にわかりづらくなったり、本当に必要な人に届かなくなったりする場合があるようです。必要で見やすいサインとは何か、最初に考えていかないといけないし、その場合、必要としている人たちの意見を聞いていかなければいけないと思いました。

講座を聞いた帰り道、「知ることは、障がいを無くす」というポスターを見かけました。
視覚障害のある方の移動に関する課題を整理すると、建物や施設、機器だけでは不十分で人的な支援が必要だというお話もありました。他者にやさしいまちは、よいまちになる。杉並区は協働提案事業を通して、一歩近づいているのではないでしょうか。

触図(触って確かめる地図)
わかりづらいかもしれませんが、黒い壁の部分が盛り上がっています。
視覚に障害がある場合、空間認知の手助けの一つになります。
高井戸駅前の工事中の歩道橋でみかけたポスター
高井戸駅前の工事中の歩道橋で見かけたポスター

写真・文責:朝枝