気を通す

「簡化24式太極拳」を一通り終えてから

3年がかりで「簡化24式太極拳」を最後まで、なんとか真似をしてみた生徒たちですが、1人でやれと言われても、もちろんできません。
真似することすらむずかしいので、きちんとした形で演じるには、まだまだ程遠い状態です。
それでも先生から、注意するところ、たとえば手の位置や向き、重心の置き方、足先の向き、等々をだんだんに細かく教えていただくと、同じ所作なのに以前と異なる感覚をおぼえます。太極拳の奥深さを垣間見る思いです。
しかも、太極拳の流派によって、歩幅、腕の構え方、重心の置き方などがちがうそうです。

いまお稽古では、縦の腕振りから始まり、横の腕振りまで、ひととおり全員で行ったあと、さらに、気の流れをよくする動きをしています。
手首、腕、肩を順番に、前回りを9回ずつ、後ろ回りも9回ずつ、大きく、ゆっくりまわします。
このとき、膝の屈伸を利用するのがポイントです。3×(9+9) 回動かすので、これだけでも疲れます。
その次は、虎の動き、龍の動きをします。虎の手のようにした両手で爪をたて、前方の(イメージの)壁を、「ヒューウッ」と息を吐きながらひっかき下ろす動作です。

これだけ気を練ると、体の内側が充実し、肩が軽くなります。体中の関節を緩め、気の巡りがよくなってきた証拠です。
この状態から太極拳をはじめると、さらに、いつもと違った動きになります。

「簡化24式太極拳」終了

太極拳の練習を始めましょう、と先生がおっしゃったのは、2019年の暮れだったか、2020年の初めだったのか。いずれにしても、もう3年近く前のことです。
いままで健康気功と養生気功しか行ったことがなく、太極拳なんて、この年齢で今更できるようになるんだろうか? と自分を疑いながら、正直言って、あまり乗り気ではありませんでした。

練習開始から苦節3年。長い道のりでした。

2020年、太極拳の練習開始⇒緊急事態宣言

太極拳の練習を始めましょう、と先生がおっしゃったのは、2019年の暮れだったか、2020年の初めだったのか。いずれにしても、もう3年近く前のことです。
いままで健康気功と養生気功しか行ったことがなく、太極拳なんて、この年齢で今更できるようになるんだろうか? と自分を疑いながら、正直言って、あまり乗り気ではありませんでした。

先生は、「太極拳と言っても、動作を整理した簡化24式太極拳を基本にして、さらにそこから簡略化した”超簡化8式太極拳”です」と説明され、2020年から、健康気功と並行して練習が始まりました。
立ち方、姿勢の練習から始まり、足の運びの練習で前に行ったり戻ったりの繰り返し。

リセット⇒ “超簡化8式太極拳”をなんとか終える

ところが、すぐに新型コロナウイルスが大流行し始め、会場が閉鎖となって練習は数か月の中断になりました。

最初の緊急事態宣言が明け、一からの再スタート。練習したことは、完全に忘れていました。
手の動きも加わってくると、先生の所作を見て真似しようとしても、右と左が混乱して、自分が情けなくなります。

“超簡化8式太極拳” の最後の型の練習が終わったのは、2021年になってからだと思います。練習が一通り終わったということであって、先生のお手本を見ながら、なんとか、手足が動いているという状態で、修得したとは縁遠い状態です。

亀の歩みで、”簡化24式太極拳”をとりあえず最後まで練習

そんな状態ですが、先生からは、今年(2021年)中に”簡化24式太極拳”を終わらせましょうという提案。

それからも、亀の歩み。
2021年が終わっても、24番目の最後の型ははるか先。
2022年になり、新しい入会者を迎え、お稽古はにぎやかになってきました。
はじめはとまどっておられた新入会の方も、一緒に練習しているうちに慣れてきたようです。
気功も太極拳も、練習すればするなりに、同じ動作であるのに新しい発見があることを実感しています。練習を始めたばかりでも、自分なりの納得感を持つことができ、また練習が進むと、新しい納得感を持つことができるという繰り返しだと思います。

2022年9月の第3週のお稽古で、先生は、「きょうで、”簡化24式太極拳”を終わらせます」と宣言し、最後の型まで、遂に到達しました。
まだ24の型を一通り練習しただけで、これからもお稽古はつづきます。

ダブルで、うれしいこと

この日は、もうひとつうれしいことがありました。
先生が昔、別の場所で気功を教えられていたときからの生徒さんが、阿佐谷からは少し距離のあるところにお住まいですが、阿佐谷気功教室に顔を出されました。
そして、先生と2人で”簡化24式太極拳”を演じてくださいました。
その方は、90歳です。毎日、気功をつづけておられます。

新しい参加者

練習場所が狭いなりのお稽古をしています。
新しい参加者はいずれも気功・太極拳は初めての方なので、まず気功に慣れること。以前からの参加者にとっても、基本を確認し、「氣」について深く学ぶ良い機会になっています。

この間のコロナ禍で、お稽古をお休みしてそのままという方が数人おられ、ちょっと寂しくなった教室でしたが、今年になってから、新たに参加される方(いずれも女性)がつづき、にぎやかになりました。
そして、新しい阿佐谷地域区民センターに移ってからは、つづけて3人の男性が気功教室に興味をもって見学に来られました。
いま練習に使っている「和室」では、手狭で、動きのある太極拳の練習を連続して行うのがむずかしい状態です。もう少し広い部屋を借りたいところですが、申込み・抽選というプロセスがあるので、8月以降になります。

いまは、練習場所が狭いなりのお稽古をしています。
新しい参加者はいずれも気功・太極拳は初めての方なので、まず気功に慣れること。以前からの参加者にとっても、基本を確認し、「氣」について深く学ぶ良い機会になっています。
お稽古の前半は、健康気功です。休憩をはさみ、後半は、「氣」を実感する遊びや体験をしています。

初めての方が何人もおられるので、「古手」の人たちが、自分がやっとできるようなった経験を教えてあげたり、いい関係が生まれてきました。

新しい稽古場所

阿佐谷気功クラブが23年間以上、お稽古に使わせていただいた杉並区立阿佐谷地域区民センターは、近くに新しい建物ができて移転しました。

阿佐谷気功クラブは、1998年11月のクラブ発足当初から、杉並区立阿佐谷地域区民センターの一室を使わせていただきました。
23年半にわたる長いあいだ、毎週1回集まってお稽古を続けてきた会場でしたが、新しいセンターの建物が完成して、移転することになりました。
阿佐ヶ谷駅南口にあった旧センターでのお稽古は2月28日が最終日でした。別館2階の第2レクリエーション室は広さが気功や太極拳の稽古にはちょうどよく、思い出多い会場です。

新旧の阿佐谷地域区民センター

移転した新しい杉並区立阿佐谷地域区民センターは、JR阿佐ヶ谷駅から徒歩5分、中央線の高架下を高円寺方向に進んだ左(北側)にあります。
センターの開館日が、ちょうど定例のお稽古の日で、利用した会議室の最初の利用者になりました。まだ、畳の香りが残るピッカピカの和室で、気功と太極拳の練習をしました。

含胸抜背(がんきょうばっぱい)

先生が呪文をとなえているようです。
「が・ん・きょ・う・ばっ・ぱ・い
 が・ん・きょ・う・ばっ・ぱ・い」
はじめて耳にする言葉。
聞いているだけでは、どんな意味か、見当がつきません。
先生がタブレットを見せてくれて、ようやく漢字が分かりました。
「含胸抜背」
漢字が分かっても、何のことか分からない。やっぱり、呪文なのか?

が・ん・きょ・う・ばっ・ぱ・い

先生が呪文をとなえているようです。

 が・ん・きょ・う・ばっ・ぱ・い
 が・ん・きょ・う・ばっ・ぱ・い

はじめて耳にする言葉。
聞いているだけでは、どんな意味か、見当がつきません。

先生がタブレットを見せてくれて、ようやく漢字が分かりました。
含胸抜背

漢字が分かっても、何のことか分からない。やっぱり、呪文なのか?

いつも教室では気功をして、関節を隅々までゆるめて、リラックスした体の状態をつくってから、太極拳のお稽古にはいります。
時どき先生は、気功や太極拳のいろいろな動作、それぞれの意味、その動作のほんとうのしかたを、遊びを交えながら説明してくれます。
きょうは、「が・ん・きょ・う・ばっ・ぱ・い」について、説明してくれました。

「正しく立つ」ということ

気功も太極拳も、基本は「立つ」ことです。
正しく立つ、地球に垂直に立つ、天と地とを一直線に立つ、……。
いろいろな表現があります。
私なりに、いま思っている「まっすぐ立つ」という状態を言葉にしてみます。

肩幅よりちょっと広めに足を開きます。
肩の緊張をゆるめ、リラックスします。
両手の合谷(親指と人差し指のあいだ)を両足の体側に接します。
背筋を伸ばし、顎をひき、目線は水平に真っすぐ遠くをぼんやりながめる。
両ひざを軽く曲げ、左右の母指球に重心を置く。
このとき、仙骨がはいって(立って)います。また、へその下のあたりに圧がかかっています。

ふつうに立っているときと比べ、体がかなり前傾している気がして、じっさい、前に倒れそうなかんじがします。でも、これが、「まっすぐ立っている」状態なのです。

実は、立っているという感覚が分かってきたのは、ここ2年ぐらいのことです。気功に初めて接してから四半世紀になります。3年ぐらい、同じ先生の教室に通ったのですが、仕事が忙しくなったことと、教室の場所が変わったことがあって、再び練習を始めたのは3年半前です。その間、ときどき飲み会だけには顔を出していましたが。

四半世紀前からずっと気功、太極拳を続けていたら、どんなに上手になっていたことか、とも思いますが、反面、やっと、気功や太極拳の良さ、すごさを感じられる年になったという気もしています。

含胸抜背は、太極拳の基本姿勢だった

さて、正しく立った状態から、人差指をピンとさせ、指をしっかり伸ばした状態で、肩は緩やかにしたまま肘を軽く曲げ、両手を前に、水平の状態までさし伸ばします。
それから、両掌が向き合う状態に、両手を開き(曲げ)ます。上の写真の両手のようにです。

このとき、前すぎると思うほど、両手を前方に置くことが大切です。
こうすると、両腕が、上の写真の赤線の円弧のようになります。同時に、背もその円弧の一部分になっています。肘から先は、人差指をピンとして、上の写真での青線のように真っすぐを保ちます。

この形が「含胸抜背」です。

含胸抜背の形が決まると、肩や腕を他人から押されても、体はピクリとも動きません。
体がカーっと熱くなってきます。

そして、このときの両腕の形は、太極拳の動作を通じて変化せず、変化するのは重心の移動だけになるのです。

奥深いですね。

今日の結論 (?)

こうして言葉で説明しようとすればするほど、どんどん分かりにくくなってきました。

百聞は一見に如かず、実際にやってみて、身体におぼえさせるのが、いちばんです。

「遊び」のようなことも交えながら、楽しく練習をしています。
興味をもたれたら、練習をのぞきにきてください。事前に連絡をいただければ、見学できます。お気軽にお問い合わせください。