足がつったとき

急激な運動をしたとき、あるいは寝ているときでも、足がつったことはありませんか?
足がつったときの対処法を紹介します。

四十代で元気だったころ、私は山が好きで、よく出かけました。

テントを担いで北アルプスに行ったときのことです。長い雪渓を登りきったら、突然、ふくらはぎに強い痛みが襲って、1時間以上動けず、立ち往生したことがあります。
最初は右のふくらはぎが攣(つ)り、しばらくじっとしていたら右足に移り、こんどは太ももが痛くなり……と、攣る場所が転々と変わりました。
ようやく痛みがおさまって歩き出し、テントを張って、ごはんを食べるために座ろうとした途端、また激痛がはしり、なんとかだましだましして、ようやく翌朝を迎えました。

こむら返り

最近は、ちょっと長い距離を歩いたときや、そんなに険しくなくても山道を登ったときなど、時々太ももが痙攣して強い痛みに襲われ、脚を曲げることができなくなります。
それどころか、強い運動をしていなくても寝ているときふくらはぎが攣って痛くなったり、朝、起きようとして布団のなかで姿勢を変えた瞬間、足が攣ってしばらく動けなったりすることが、よくあります。

「こむら返り」です。
ひどいときは、初め右の足が攣り、しばらくじっとして、やっと痛みが収まったと思って姿勢を変えると左足が攣り出し、さらに足先まで攣ってきます。

足が攣る原因

足が攣る原因はいろいろあるそうです。
糖尿病や腎不全といった病気が原因の場合、血行不良、筋肉の緊張、冷え、運動不足、ビタミンやミネラルの不足、筋肉中のミネラルのバランスが悪い、水分の不足といった体の状態が原因の場合、歩きすぎなどの運動が原因の場合など、さまざまです。
私が雪渓で攣ったときは、夏山の強い直射日光にさらされ汗を流しながら、冷たい雪の上で足が冷え、重い荷物で足に負荷をかけながら、急な雪の斜面を登ったので、複合的な原因だったのでしょう。
足が攣らないように予防するには、それぞれの原因に即した適切な対応が必要です。

三里のツボ

ところで、三里のツボは、胃腸に効くといわれる有名なツボです。このツボは、こむら返りにも効果があるようです。

足の三里のツボの位置は、右足なら、右側のすねに右手を添え、お皿のいちばん下のあたりを人差指で探して指を並べたとき、小指の下のところです。左足なら、左側を同様に探します。

こむら返りが起きたときの対処法

きょうの教室では、こむら返りが起きたときの対処法を教えていただきました。
用意するものは日本手拭いです。タオルでは、適度に結べません。

ふくらはぎが攣った時の対処法

  • ふくらはぎが攣った場合、三里のツボ周辺を手拭いで巻いて結びますが、きつすぎないよう注意します。
  • 三里のツボを巻いても効果がない場合は、くるぶしの少し上を手拭いで縛ります。
  • 足先が攣った際には、土踏まずの足指側を手拭いで縛ります。

足や手が攣ったときは、足や手の筋肉が異常に収縮した状態です。激しい運動をしたり疲れたりしたとき、骨や筋と筋肉とが開いてバランスが崩れます。そのバランスを元に戻そうとして筋肉はキュッと閉まるように動きます。手拭いで縛ることは、そのバランスが元に戻るように助けるのです。

日本手拭いが手もとにないときは、三里のツボを両手でギュッと締め付けると効果があります。自分では力が入りづらいので、まわりの方にお願いするといいでしょう。

脱力

きょう、杉並区内の小学校では、卒業式が行われました。
先週は暑いぐらいだったのに、一転してきょうは冷たい雨です。
気功教室では、前回にひきつづき、先生が「脱力」について教えてくださいました。

先生が私に、横に来るように、と言いました。
横に立つと、先生はいきなり顔を手ではたきそうな動作をしました。
私は反射的に、その手を払いのけようとしました。
先生は数回、その動作を繰り返し、そのたびに私は気配を感じて、反射的に先生の手を払いのけました。

ところが、その次。
先生が私の顔をはたく寸前で手を止めるまで、私はその気配を感じず、ただ、ボーっと立っていただけでした。
もう1回、先生は同じようにしましたが、私はただ立っているだけでした。

何が起きたのでしょう?

同じような動作なのに、殴られる寸前までいっても、まったく気配が感じられないなんて。

先生は、「脱力」した状態に切り替えて、手で私の顔をはたこうとしたのです。

みんなで、脱力の練習です。

2人1組になって、片方の人が相手の両肩に両手を置きます。
肘はゆるく曲げ、肩・腕・お腹、そして足の力までも、ふくらました風船の空気がだんだん抜けていくようなイメージをしながらゆるめていきます。

脱力していくと、両肩に置いた腕が重たくなってきます。
とても、簡単にはできません。

実は、スワイショウは、脱力の訓練でもあります。
正しい姿勢でスワイショウをするとき、振ろうとする力をいれません。
しかし、肩の力も肘の力も抜けて重たくなった腕が振り子になって、前後に振られます。

ふつう「脱力」と聞くと、力が抜けた、衰弱したというような負のイメージをもちます。
しかし、先生に教えていただき、実は「脱力」は、氣功を、さらには太極拳を、より深く理解して体得していくうえで、とても大事なことだということを感じました。

花粉症の対策は?

ここ数日、気温が20℃ぐらいあり、日当たりを歩いていると汗ばんできますね。
それに風も強く、それとともに大量の花粉が舞っているようです。

とくに、一昨日は午後になって猛烈な目のかゆみ、くしゃみが襲ってきました。この2,3年は花粉症の症状はそれほど感じずにいたのですが、今年の花粉は手強いようです。花粉除けゴーグルで目をおおい、マスクをしていても、防ぎきれません。

スワイショウからはじめる基本的な氣功、太極拳の練習をつづけていますが、「氣」を感じたり、強めたりする体験も行っています。

きょうは、「花粉症による目の充血や鼻詰まりを緩和するツボ」を先生に教えていただき、それらのツボを各自で刺激してみました。すると、途中から、鼻の通りがスーッとしてきました。

そのツボは、鼻の両側にあります。

  • 迎香(げいこう)

小鼻がふくらんでいるところのすぐ横にある窪みです。

  • 鼻通(びつう)

迎香の少し上で、小鼻の付け根にあります。

  • 睛明(せいめい)

鼻の付け根で、目頭のちょっと上にある窪みです。

まず、右手の人差し指で右の迎香を、30秒間軽くもみます。強く押さないでください。次に、左手の人差し指で左の迎香を、30秒間軽くもみます。強く押さないでください。

鼻通、睛明も、同様に、左右交互に軽くもんでいきます。

湯船につかりながらでも、毎日、ゆったり行いましょう。
これは、目から鼻にかけての通りを良くする効果があるようです。

スワイショウ&超簡化8式太極拳

11 月下旬になり、2023年の終わりが近きます。簡略化された太極拳の練習が再開されました。あわせて、スワイショウの基本の説明や、「第二の心臓」として機能するふくらはぎの筋肉を鍛えるやり方を練習します。 正しい姿勢を維持するうえで、視線の重要な役割に気づきました。

11月も下旬になり、2023年も残すところ1か月ちょっとで終わります。
先週に引き続き先生から、「一から、超簡化8式太極拳を練習しましょう」との声がかかり、太極拳の立ち方、足の運び方などの基本に立ち返っての練習が始まりました。

スワイショウは、きょうの お稽古-3「健康気功の最初は、[前後=縦の腕振り] からです」で説明しました。
あらためて今回、先生がスワイショウの基本を教えてくれました。
特に、「両足の踵(かかと)を、薄紙一枚分、床から浮かした状態で腕を振る」ことを練習しました。

こうして腕を振ると、ふくらはぎに圧がかかることが分かります。
「ふくらはぎは第二の心臓」だといわれます。それは、ふくらはぎの筋肉が、静脈の中の老廃物を含んだ血液を心臓に向かって、重力に逆らって押し上げるポンプだからです。

私は、数年前までは夜寝ていて、冬でも暑くなって足を布団から出すことがあったほどです。しかし、だんだん足の冷えを感じるようになり、最近は気温が15℃から下がると、冷たくてたまりません。
それまで暑かったのに急に冷え込んだ先日、夜寝る前に、スワイショウを200回やってみました。(私は長いあいだスワイショウを練習しているので、いつの間にか、薄紙一枚浮かした状態で腕を振るようになっていました。)
そうしたら、足の冷えが和らいだかんじになり、実際、布団に入っても足が冷えてなかなか寝付けないということは、ありませんでした。

「薄紙一枚浮かした状態で腕を振る」という感覚、姿勢は、なかなか分かりませんでした。
踵を浮かすことだけを考えていると、足が疲れるだけです。ふくらはぎの緊張感は、なかなか感じられません。

両脚を肩幅の幅に開く、仙骨を入れる、両足の指で大地をしっかりつかむ、正しい姿勢で立つことが大事です。
さらに、気づいたことがあります。
正しい姿勢で立っても、まっすぐ前、遠くを見ることの大事さです。
少し下のほうに視線が向いていると、つんのめる感覚になり、バランスが乱れます。
逆に、上のほうに視線が向くと、(極端に書くと)体が反りかる感覚になります。

目線は、とても大事です。

「超簡化8式太極拳」については、次回に。

「簡化24式太極拳」の再開

例年になく暖かい秋です。新しい参加者を迎えています。 半年間中断していた太極拳の練習を、基本に立ち返って再開しました。 きょうは、適切な立ち幅を学び、基本的な型を練習し、「正宗太極拳」の型の特徴を理解しました。

異様に暑かった夏がようやく終わったかと思ったのに、11月になっても夏日になる今年の秋です。
夏の間は、冷たいものを飲み、冷房にあたって芯が冷えてしまった体を癒し、気を体じゅうにめぐらすことをしてきました。
この間、嬉しいことに、新しい生徒さんがひとり、ふたりと増えてきました。

基本に立ち返る

11月からは、半年遠ざかっていた太極拳のお稽古が再開しました。
「再開」といっても、一通り習ったはずなのに忘れてしまった人がほとんどで、また、最近参加された方は初めてだということで、基本に戻っての再開です。

先生が繰り返し教えてくれることは、「太極拳は、手を動かしているように見えるが、手は動いていない。足を動かす」ということです。足の動きこそ、太極拳の動きをつくり、コントロールしているのです。

足の間隔を覚えておこう!

私たちが習っている太極拳は、太極拳のなかでも「正宗太極拳」というものです。
太極拳でも、流派によって型がちがいます。両足の間隔の長さも、流派によって異なるそうです。
私たちの場合は、両足の間隔を肩幅にとります。
それは、家の中をふつうに歩いている歩幅です。
きょうのお稽古では、まず、みんなでふつうに室内を歩き回りました。

立つ感覚をおぼえる。

歩幅の間隔が分かったら止まり、手のひらを広げ、両手を前方、胸の高さに出して、円をつくるように丸めます。膝は伸ばさず、軽くまげています。このとき両手のあいだは拳3個分あけます。目は下を見ず、遠くを見ます。ちょうど球を抱く形なので「抱球」という型です。

両足を前後に並べる。

立ったら、左足をかかとを軸にして左へ90度回転させます。次に右足のかかとを左に押し出すように90度回転させます。すると体は、ひとりでに左へ90度向きが変わっています。このとき、両足のあいだは、箒の柄1本分が通っている幅です。
ところで、槍を構える姿勢⇔槍を突く姿勢を思い浮かべていただくと、両者では重心の置き方が違うのが分かるでしょう。
私たちが習っている太極拳の大きな特徴のひとつは、前者の「槍を構える」のように、攻撃を溜めておく型になることです。

なかなか言葉では伝えられません。実際に繰り返し繰り返し、体で間隔を覚えていくものだからでしょう。