脱力

きょう、杉並区内の小学校では、卒業式が行われました。
先週は暑いぐらいだったのに、一転してきょうは冷たい雨です。
気功教室では、前回にひきつづき、先生が「脱力」について教えてくださいました。

先生が私に、横に来るように、と言いました。
横に立つと、先生はいきなり顔を手ではたきそうな動作をしました。
私は反射的に、その手を払いのけようとしました。
先生は数回、その動作を繰り返し、そのたびに私は気配を感じて、反射的に先生の手を払いのけました。

ところが、その次。
先生が私の顔をはたく寸前で手を止めるまで、私はその気配を感じず、ただ、ボーっと立っていただけでした。
もう1回、先生は同じようにしましたが、私はただ立っているだけでした。

何が起きたのでしょう?

同じような動作なのに、殴られる寸前までいっても、まったく気配が感じられないなんて。

先生は、「脱力」した状態に切り替えて、手で私の顔をはたこうとしたのです。

みんなで、脱力の練習です。

2人1組になって、片方の人が相手の両肩に両手を置きます。
肘はゆるく曲げ、肩・腕・お腹、そして足の力までも、ふくらました風船の空気がだんだん抜けていくようなイメージをしながらゆるめていきます。

脱力していくと、両肩に置いた腕が重たくなってきます。
とても、簡単にはできません。

実は、スワイショウは、脱力の訓練でもあります。
正しい姿勢でスワイショウをするとき、振ろうとする力をいれません。
しかし、肩の力も肘の力も抜けて重たくなった腕が振り子になって、前後に振られます。

ふつう「脱力」と聞くと、力が抜けた、衰弱したというような負のイメージをもちます。
しかし、先生に教えていただき、実は「脱力」は、氣功を、さらには太極拳を、より深く理解して体得していくうえで、とても大事なことだということを感じました。