【令和 7年度 NPO 活動資金助成事業】
令和 7 年度杉並区 NPO 活動資金助成を受けたNPO法人みんなの進路委員会が主催する「次世代グローカルリーダー育成プログラム」。

これは杉並区在住または在学する中高生が社会の課題について学び、自分たちで企画したワークショップを小学生に届けるというユニークなプログラムです。
グローカルとは、global(地球規模の)とlocal(地域的な)を合わせた語で、地域性を考慮しながら、地球規模の視点で考え、行動すること。(大辞泉より)
このプログラムの3日間の事業のうち、1日目の8月21日、ワークショップデザインを学ぶ時間にお邪魔しました。

この日の会場は、高円寺氷川神社。午前中、「気候変動」「子どもの権利」「ろう(聴覚障害)」「アイヌ文化」の各テーマについての学習を終えた31名の中高生たちが、和気あいあいとした雰囲気で午後のワークショップに臨んでいました。参加者の約3分の2が高校生とのこと。これから始まる学びへの期待が表情から伝わってきます。
ワークショップデザインの講師の方のもと、学生たちは「ワークショップデザイン」と「ファシリテーション」について、座学ではなく、実践を通して学んでいきます。
例えば、「○○といえば?」というお題。学生たちは4〜5人のチームで輪になって座り、「夏といえば?」「友達といえば?」「子どもが好きなご飯のおかずは?」といった質問にそれぞれが答えを書いて、一斉に見せ合います。全員の答えが揃った時には大きな盛り上がりを見せ、互いの答えを覗き合って一人ひとり答えを教えあっていました。

そんな楽しいワークを終えた後、講師はこう問いかけます。
「(おかずの質問で)全員同じ答え『ハンバーグ』でも、皆の頭の中のハンバーグは違うよね」。
この言葉に参加者たちははっとした表情になり、真剣なまなざしで講師の話に耳を傾けていました。言葉の上では同じでも、その背景にある認識や体験は人それぞれ違うという、コミュニケーションの奥深さを学ぶ貴重な時間。参加者の真剣な眼差しがとても印象的でした。
この日、参加者たちは頭と体、そして心を使ってワークショップの基礎を学びました。この学びが、小学生向けのワークショップでどのように活かされるのか、想像するだけでワクワクします。
なお、このプログラムは3日間にわたって開催され、2日目にはこの日学んだことを活かして企画を考案し、最終日の3日目には、近隣の児童館で小学生向けにワークショップを実践したそうです。
NPO法人みんなの進路委員会が、次世代を担う若者たちの主体性と創造性を育むために企画したプログラム。参加した中高生たちがこの経験を通して、どんな未来を描いていくのか、今後がとても楽しみです。
※本事業は、杉並区NPO支援基金を原資としたNPO活動資金助成の採択事業です。
NPO支援基金については下記URLをご覧ください。
https://www.city.suginami.tokyo.jp/kurashi/chiiki/npo/kikin/index.html
NPO法人みんなの進路委員会のホームページはこちらからご覧いただけます。
https://minnanoshinro.com/
写真・文責:山口



