「探究学習」を探求してきました@中央大学杉並高校

2025年4月12日、高校生の探究学習の授業を見学してきました。「総合的な探究の時間は,探究の見方・考え方を働かせ,横断的・総合的な学習を行うことを通して,自己の在り方生き方を考えながら,よりよく課題を発見し解決していくための資質・能力を育成する」授業で2023年から始まりました。(文部科学省『今、求められる力を高める総合的な探究の時間の展開』より)VUCAの時代(※1)には必要な学びのようです。そして、それにより生徒や教師、学校だけでなく地域も変わると言われています。

4月新学期が始まってワクワクドキドキの時期に、中央大学杉並高校(以下中杉(chusugi))2年生の探究「通称C.S.Journey」の「アカデミックプロジェクト」を見学してきました。中杉では他に「研修リーダープロジェクト」があり、そちらのコースでは沖縄、奄美大島、東北、マレーシア、韓国と研修旅行先に合わせた学習がなされていたようです。

広くてきれいな廊下の両側にはプロジェクト名が書かれた教室が配置されています。どのプロジェクトも30名前後のチームに分かれていました。

アカデミックプロジェクトでは、5つのプロジェクトに分かれ、中央大学から先生がたがお見えになり、専門分野の基調講演を伺い、「探究的学び」についてレクチャーを受けていました。付属高校である中杉の強みが生かされた授業となっています。

各コースの先生方のお話はつまみ食いのように少しずつしか聞くことができなかったのですが、大学に入ってからも自身の研究を行う指針ともなるお話でした。

「エゴセントリズム(自分中心)から離れ、考え続けることが大事。「言葉」にこだわっていくこと。強みと弱みを探究していく。求めていくことから究めていくにつなげる」

「思い付きである仮説をたて、予測をし、データを収集し、分析していくことが研究の流れになる。仮説を立てる時は 観察しそこでの気づきを根拠に展開していく。なぜ?を問い続け、説得ある説明を作っていく」

「課題の解き方、仮設検証の方法として、問いをたて、観察をし、思いを調査し、文献で過去にあたり、解決に向けていく。独りよがりではなく他者への説明ができるようこと、に考えていく」など。地域活動でも必要と思われる「問い」「課題を解決するための道筋」などと重なるお話を私も一緒に学んできました。

今回、中杉にお見えになった先生方は次の方たちです。

法学政治学プロジェクト:西村 清貴先生(法学部)
商学経済学プロジェクト:川端 千暁先生(商学部)
STEAM探究プロジェクト:今堀 慎治先生(理工学部)
グローバルプロジェクト:林 光洋先生(経済学部)
文化活動プロジェクト:新原 道信先生(文学部)

グローバルプロジェクトでは、ゼミ生がグループに分かれ、高校生の学びをサポートしていました。外国にルーツがある子どもたちの学び、子ども食堂、途上国への文房具の支援など学生らしいテーマも多く、杉並区内で活動している団体のこともご紹介しつつ、共に地域をつくることができたらどういう杉並になるのか、ワクワクのおすそわけをもらって帰ってきました。

  中杉HP アカデミックプロジェクト始動(2年)記事: https://chusugi.jp/topics/15286/

写真・文責 朝枝

(※1)VUCA(ブーカ)の時代とは
VUCAとは、「先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態」を意味します。
V(Volatility:変動性)
U(Uncertainty:不確実性)
C(Complexity:複雑性)
A(Ambiguity:曖昧性)