2021年度 杉並区NPO向け アンケート結果について

すぎなみ協働プラザでは、昨年度の3月に地域活動団体の活動状況や、すぎなみ協働プラザの活用状況などを調査するためにアンケートを行わせていただきました。
すぎなみ協働プラザにご登録いただいている団体と杉並区のNPO法人にご協力いただき、69件のご回答を頂きました。ありがとうございました。

頂きましたアンケートは、今後のプラザの運営に活かしてまいります。

概要

対象:すぎなみ協働プラザ登録団体及び杉並区に主たる事務所を置くNPO法人
期間:2022年2月25日~2022年3月31日
回答:69件
方法:すぎメールの2回送付。郵送での杉並区のNPO法人認証団体(244団体)と
   すぎなみ協働プラザ登録団体(197団体)にアンケートのご案内の用紙を送付
目的:杉並区内のNPO法人及び地域活動団体が、どのようなことに困っているのか、それに対しどのような取り組みを行っているのかを共有し、工夫を分かち合う機会をつくること。

回答結果

・各項目をクリックすると、指定の場所へ移動します。
・各画像をクリックすると別ページで表示されます。

活動の形態

活動分野

団体の年間事業規模

収入の種類(複数回答)

もっとも収入が多い財源

団体の運営に関わるスタッフの数(有償・無償問わず)

現在の活動で団体が必要な支援はありますか?(最大5つまで選択)

上に挙げた以外に、知りたいことや支援が必要なことがありましたら、お書きください。(自由記述)

  • ZOOM配信とリアルの併用でイベントを開催する場合の機器配置と接続方法(応用編)
  • 労務、税務
  • クラウドファンディングの方法について
  • イベント運営、マーケティング力
  • 人は、それぞれ得意分野が有り、その得意分野を生かして一緒に地域づくりが出来ると良いと思う。行政はどうしても縦割りになってしまうので、それを横串で繋ぐのが『地域』だと思います。団体を繋ぐ「プラザ」と個人を繋ぐ「社協」が連携しながら、区内のネットワークづくりに関わって下さると助かります。それは、目的別やエリア別など、様々な切り口が有るとは思いますが。出来る事が有れば、一緒に考えて行きたいです。
  • プレゼンテーションの技術
  • 区との共催で、分担金をもらっている以上、その他の助成は無理なのでしょうか。外国人からも参加費はもらっていますが、私達自身の教材準備や交通費が賄えません
  • クラウドファンディングの方法と成果
  • 組織内で検討中なので解決しない場合、相談も検討
  • SNSの使い方の基礎
  • 資産運用
  • クラウドファンディングの方法、人材、告知方法など
  • 税務
  • 現在のところ、財源確保、会員を増やしたい等、大きな課題です。今後、イベント(人権・権利に関する)開催時に、周知方法、クラウドファンディングの方法についてご教示ご指導いただけますと幸いです。
  • 会議開催の都度、このアンケートの原本となる冊子が欲しい!(又は会議開催中)、手交できない資料ならば閉会後に必ず返却場所を指定し、戻させるシステムを毎回やって欲しい。
  • クラウドファンディングで学校美術館運動を推進したい。(プリハードとは絵画用キャンバスに直接印刷画像処理した良質の世界の名画で、額装(?)全国の学校に学校美術館を設けることを推進して49年)
  • 高齢者の初心者にわかりやすいスマホの扱い方の手解き

あなたの活動から見える地域課題を教えてください。(自由記述)

  • 小さい子がいる、定期的に教室に通えないなど、日本語学習の機会が得られない人たちが多いのでは、という感触を持っている
  • コロナ禍の活動制限や施設閉鎖などで、乳幼児子育て世代が集まれない、孤立化してしまい、支援が得られず、様々なストレスが募っている
  • 介護者に対する支援 介護鬱、介護離職、経済的な負担 など介護に関わる 
  • 地域の子育て中の方々のつながりがあまりなく、孤独なりがち(幼児〜高校生)
  • 障害児の子育てしている家族が家庭内だけで見ている事で様々な問題を抱えている。
  • 預け先がない。時間、日数が少ない。受け入れてもらえないほどの重い障害がある。支えている家族が鬱になっている。卒業後に行く場所がない子もいて野放し状態もある。地域では支える方法が見つかってない。障害児に対応できるスキルや知識が地域にない。人数でいうとバラバラに聞いた話しで数にするなら調査が必要。
  • 孤立孤独を感じている人がいると思います
  • まだ、そこまでの規模ではないので。とりあえず、コロナのせいで停滞しています
  • 現在、活動されている方々は、何処も人材不足を言われていたり、これから何かしたいと思っている方も何処と繋がると良いのかと迷われている方も居ると思います。
  • また、自分から行動を起こすまではいかないが、何か自分に出来る事が有ればと思われている方も居ると思います。杉並区内には、力を持った方々が沢山います。然し、それぞれで活動されており繋がっていない勿体無さを感じています。実際に活動されている方々が、次世代へ繋げる仕組みも一緒に考えられると良いかもしれません。
  • 東京ホームタウンプロジェクトの様に、ホームタウン大学院のような、次のステップを学ぶ場や今後を考える場が有ると良いかもしれませんね。
  • 成年後見制度の普及率が低く(高齢者の7%程度の普及率)、後見人の報酬が100%本人負担となっているので、例えば、国が50%、本人50%の負担にすることが必要。
  • 一昨年外国人の日本語教育について、国は自治体に向けて通達をだしましたが、区のどこの部署が、受け取っているかも、わかりません。
  • 行政も区民も、防災、公園、教育などに比べて、文化保存、継承への熱意が薄いように感じます。
  • スタッフが集まらない
  • 高齢者向けの音楽活動で、高齢者施設へボランティアに行きますが、子供向けにもボランティアが出来たらよいと思っています。きっかけがなかなかありません。
  • 教育現場での校長先生の偏見が社会啓発活動の壁になっていること
  • 若年層の参加が少ない
  • 団体の設立とコロナ禍が重なり活動ができず、地域課題の把握に至っていない。設立時に課題ととらえていたのは、人の繋がりの希薄化と高齢者の一人暮らしが多いこと。
  • 実働人数が高齢者5〜6人といつもぎりぎりで最低限の活動をするのがやっとです。特に若い人との連携が難しく、ネットでうんぬん出来る人材がいません。いざ、IT支援してもらえるとなっても受け手になる人材がいません。諦めかけています。
  • 障害当事者団体の意識が希薄なため障害理解が進まない。
  • 支援の必要な移動困難者、居場所の確保の必要なこどもが居ます。
  • 地域の繋がりに希薄化、デジタルデバイド、高齢者を狙った振り込め詐欺
  • 地域からの作業依頼が少ない事
  • 集合住宅の増加に伴う、地域との繋がりの希薄化
  • ひきこもり支援を行政と連携してやりたい
  • 私たちの団体は、設立間もなく、事務所を持っていません。オンラインでほぼまかなえるものの、リアル打ち合わせの場所を確保できるとうれしいです。
  • 他の団体でも同様のところがあると思います。
  • 活動場所の確保 参加者を増やす
  • コロナ禍でコーラスの練習の場や発表の場が失われ、歌から遠ざからざるを得ない団が多数。団員が減ったり、団そのものの存続が危ぶまれるケースもある。連盟50周年が近く、もともと団員の高齢化と若いメンバーの獲得という課題があったが、それ以前の問題になってしまった。
  • 事業に携わるスタッフの不足。杉並区は広いので、住んでいる地域の近くで活動したいと思うと、全域にスタッフが欲しい。およそ3〜5名。
  • この地域・街に限ったことではありませんが、子どもたちの声を聴く、尊重する文化(?)に欠けを感じます。
  • この事は私からは伝えられません。事業を司る責任者がいるはずですから・・・。その御仁のみが知っています。
  • 毎年の晴乃美術フォーラム、秋の土曜(?)フォーラム秋の「落語の美術のコラボ」に対する動画募集
  • 新型コロナウイルスの影響でボランティアの方含め、地域との交流が(特にface to face)しづらい
  • 地域活動に若い人が関われない(日本社会が安い賃金で働かなければならないようになっているため)

すぎなみ協働プラザを利用したことがありますか。

「利用したことがある」とお答えの方は、利用された目的をお答えください。(複数選択)

すぎなみ協働プラザが行っているサービスの満足度について伺います。

※サービス内容説明                                                A)来所・メール・電話等の方法での相談                                       B)月に1度、NPO支援の制度・助成金、イベント案内等を配信するメールマガジン
C)区が設置するHPに、団体のWebサイトが無料で作成できるサービス                        D)協働プラザに併設している60㎡ほどの打ち合わせ等に利用できるスペース                       E)団体相互が顔の見える関係を築くため、話し合い、情報を共有するイベント                      F)NPOの運営や地域活動の活性化を後押しするスキルアップのための講座                         G)すぎなみ協働プラザが発行する杉並区のNPO情報紙                                 H)区と地域活動団体がお互いの立場を尊重し、役割を分担しながら地域の課題に取り組む協働提案制度の事前相談
I ) 寄附と区の財源をもとに、NPO法人等が行う地域の公益的な活動に対して助成金の交付に関しての相談及び受付

A)窓口相談

B)すぎメール

C)すぎなみ地域コム

D)交流コーナー

E)交流会

F)講座

G)すぎプラ通信(広報紙)

H)協働提案事業

I)杉並区NPO活動資金助成事業

すぎなみ協働プラザへの要望がありましたら、お聞かせください。

  • 労務、税務について相談できる人を紹介してほしい
  • 団体運営について話ができる団体代表者のコミュニティがあるといい
  • 若い人が参加できる企画を
  • 今後も是非、ご一緒に考えて行きたいです。
  • 地域連携、空き家情報
  • 大正琴を習って社会貢献したい方がいらっしゃいましたらご紹介下さい。
  • wave会議、ライブ配信、YouTubeによる情報配信のやり方を学びたいです。
  • 人が足りません。紹介していただきたいです。
  • 各種講座や情報提供が大変役に立っています。松ノ木地区での二層協議体の活動につきましてもご助言をお願いをすることができました際は・宜しく御願いします。
  • 当面なし
  • 人、団体を紹介してほしい。
  • 他団体の情報があるといいと思います。交流会はいいと思いますが、身構えないといけないのでナチュラルな関わりにハードルの高さを感じます。自然につながっていけるチャンスがあるとうれしいです。
  • 活動場所をどうしようか考え中.良い案があれば教えて欲しい。会場を借りる事も考えてますが、土地感がない為どこでやれば良いのか?
  • 当法人は、開設間もなく、情報、知識等全てにおいて理解できておりません。地域において様々な方、団体と共働して、良い街にしていきたいと考えております。交流会等へも時間があれば参加したいと考えております。ご指導下さい。
  • 講演会会場の事前予約ができれば望ましいのですが!!
  • 折角提供いただいている講座、研修の時間帯が合わない

杉並区の協働提案制度に申請する計画はありますか?

「はい」とお答えの方へ 差支えなければ、どのような事業をお考えでしょうか。

  • あくまで今のところです。協働提案に参加するための自己財源確保からです。
  • 他にもっと大事な事件をも進行中の為→23年前から連続で未解決案件あり
  • 現在は年間継続の事業として春、秋各4階のフォーラム、落語と美術のコラボ(9月ごろ)

助成金の申請をしない理由は何ですか(複数選択可)

その他を選ばれた方は理由をご記入ください。

  • 自分達の団体が該当するのかどうか、わからないことと、その申請書類を準備する人も時間もない
  • 少し間をあけてまた申請させていただきます
  • 支援団体は、まだ活動を始めたばかりなので。
  • NPOではない
  • そのような助成を受けてもあらゆる面で活動できる団体の体力が無い。
  • 今年度申請予定。
  • 対象外の団体
  • 申請したことがある
  • 助成金を今年度は受けている。
  • 助成金が団体活動の趣旨と会うかわからない
  • 開設まもなく初めての申請です。
  • 寄付金収入で運営しているため
  • 今年度「助成金」申請を行います。
  • 支援基金がいくら有り、いくら使われているのかもよく解らない為、問題提起の場合には云って欲しい。

すぎなみ地域コムに登録していますか。

上記設問①または②を選択した方にお聞きします。利用の仕方について該当するものはどれですか。(複数選択可)

上記設問③「すぎなみ地域コムを知っているが、団体登録・閲覧したことはない。」を選択した方にお聞きします。理由は何ですか。(複数選択可)

その他を選ばれた方は理由をご記入ください。

  • 今後、登録したいと思っている

アート×多世代交流!
ゆうゆう高円寺東館の活動インタビュー

2022/2/19

丸ノ内線東高円寺駅近くにある、ゆうゆう高円寺東館へ
お邪魔し、館長の河原さんに活動のお話を聞いてきました!
 
ゆうゆう館は、杉並区の各地域にある60歳以上の方が、学びや、交流、健康づくりの場として利用できる施設です。
(※空きがあれば年令を問わず利用することができます。)
また、各地域のゆうゆう館はNPO法人や地域に根ざした活動をされている団体が受託しており、提供している講座内容などにそれぞれの運営の個性が出ているのも特徴です。
  
グループで集まって集会室やホールなどを使用する「団体利用」や個人利用他に、運営団体が実施する「協働事業」などを実施されています。
 
ゆうゆう高円寺東館さんの協働事業、今年度のテーマは「アート×多世代交流」コロナ禍で、中々高齢者の方が外出するのが難しい状況だった一昨年の様子と小さな子どもがいる親子の外出の場所がない状況を見て、小学生などの親子対象に協働事業として、アートをテーマに日本舞踊や陶芸など、イベントを実施されているそうです。
 
河原さんは、地域のひとつの場所として、様々な世代に知ってもらいたいと仰っていました。
 
来年度からは、誰でも参加できる「気ままに茶話会」を実施するということで、気になる方やお近くの方はぜひゆうゆう高円寺東館さんへ足を運んでみてくださいね!
  
↓ゆうゆう高円寺東館さんの情報はこちらから!↓
https://onl.la/jqu9E97

【団体インタビュー】すぎなみ食育推進の会

「楽しく学ぶ食育」をモットーに食の大切さを学び、伝える活動をされている『すぎなみ食育推進の会』さんにお話を伺いました。

-設立のきっかけを教えてください
一昨年(2019年)7月に設立した団体です。すぎなみ地域大学で「食育推進ボランティア講座」に参加したメンバで結成しました。講座に応募したきっかけは地域で防災の仕事をしたときに、災害時において「食」は健康維持のために一番大切で、その調達や管理方法が難しい問題であると気づいたからです。講座では外部講師を招いての講習会や考案したレシピの調理実習、食育推進の活動のお手伝いをしてきました。講座を終えて、もっと活動したいという思いが強くなり設立に至りました。

-メンバーをご紹介ください
代表の堀田です。以前雪印乳業で営業勤務をしており、食の大切さをわかりやすく伝えます。小田さんは、明治乳業でラクトフェリン等の研究をしていました。医学博士でもあるので、食べ物の成分について広く深く知識を持っています。森田さんはご実家が八百屋さんなので、野菜の旬や産地に詳しく、季節によって一番美味しく食べられる野菜を教えられます。3人を中心に少しずつ人数が増え現在7名で活動しています。

-どんな活動をされていますか
お子さん向け、ファミリー向け、高齢者向けなどの「世代別学習プログラム」を作成しています。特に小さなお子さん向けにはイラスト入りの野菜カードを作り、楽しく学べるよう工夫しています。将来的には創作料理教室などの「体験型学習プログラム」や、勉強会など「ワークショップ型プログラム」を考えております。
世代によってどの食材を、どのくらい食べたらいいか、どの調理法がより効果的か、楽しく学べたらとよいと考えています。

-コロナ禍ではどのような活動をされていましたか
学習プログラムを使い講座を開きたいと思った頃、新型コロナウィルスによる緊急事態宣言になり、講座の開催ができず、とても残念な思いをしています。そこで比較的感染リスクの少ない野外での活動に切り替え、団体で「シェア畑」を借り1年間を通して野菜作りに取り組み約20種類の野菜の栽培をしました。
野菜の知識はあるものの、栽培するのは初めてなので、野菜を育てる難しさと楽しさを学んでいます。野菜作りの経験も今後、講座を開くときに役立てたいと思います。

―今後どのような活動をされたいですか。
新型コロナ禍において、講座の開催ができなかったことが一番悔やまれます。
今年は感染対策をしながら講座を開催することが一番の目標です。

-今回の交流会に参加していかがでしたか
子育て支援、高齢者支援の団体さんが一緒に参加されて、名刺交換をさせていただきました。食はあらゆる年代で大切ことなので、地域活動をされているいろんな団体さんと関わりを持って、活動を広げていきたいと考えております。

今回のインタビューを通して、まだ新しい団体ですが、これから発展させたいと意欲的で、なにより食の大切さをたくさんの人に伝えたいという熱意を感じました。

すぎなみ食育推進の会のように、新型コロナウィルスの影響で、なかなか思う通りに活動が進まなかった団体も多かったかと思います。すぎなみ協働プラザでは、活動での感染対策や、オンライン講座など新しいカタチの活動方法も一緒に考えていきたいです。また、チラシ作り講座、Zoom基礎講座など、セミナー開催に役立つ講座も開催しておりますので、ぜひご活用ください。

すぎなみ食育推進の会
https://www.sugi-chiiki.com/shokuiku-suisin/
 

写真:中野  文責:大久保

【団体インタビュー】ADDS

自閉症などの発達障がいのあるお子さまと、その保護者のサポート、セラピストの育成、自閉症体験ワークショップなど、発達障がい児の療育(治療教育)において幅広く活動している『NPO法人 ADDS』の大熊さんにお話を伺いました。

-ADDSのお名前の由来を教えてください。
Advanced Developmental Disorders Support.「先進的な発達障害支援」の頭文字です。「Advanced」は「高度な・先進的な」という意味ですが、私たちは研究成果に基づく手法を選択し、お子さまに質の高い療育支援を提供するとともに、法人でも研究活動を行い、その成果を社会へ発信する活動も行っています。また「Advance」には「前進」という意味があり、自閉症などお子さまの発達に心配や不安を持っている全ての方への後押し、前向きな気持ちにする。という想いも込められています。

-コロナ禍で、どのように活動をされていますか。
対面での療育が必要な場合、消毒・換気・マスク着用、距離を取るなど感染対策をしています。また自治体と協議を重ねながら、小さいお子さまを連れて通所することが難しいご家庭を対象に、オンラインで療育を提供することにも取り組んでいます。保護者向けの集合研修も、事前に動画教材を視聴いただき、当日オンラインでワークショップを行うなどしています。さらに、コロナ禍で乳幼児検診が休止になったり、自治体の相談窓口へ出向くハードルが高くなってしまった状況を受け、全国どこからでも発達に関する相談ができるサービスの開発を始めました。

-コロナ禍において、孤立やストレスを感じているご家族へ、どのようなアドバイスをされていますか。
オンライン発達相談では、利用された方から「子どもの成長が心配でしたが、話を聞いてもらって安心した」「対面相談でなくても、子どもの対応を具体的に教えてもらって参考になる」と感想をいただいています。
またホームページには「STAY HOMEヒント集」を載せました。お家時間が増えているいま、発達障がいがあるなしに関わらず、すべてのお子さまに「STAY HOMEヒント集」がお役に立つのではないでしょうか。大切なことは「人とつながる」ことです。直接会えないときはネットや電話などで、身近な人と、ゆるく・楽しくつながることが、孤立やストレスを感じることなく、お家時間を過ごすコツになります。

-子どもが発達障がいかもしれないけれど、相談しても良いのか、一人で不安を抱えている保護者にメッセージをお願いします。
「検診で心配になることを言われた」「個性なの?障がいなの?」「こんな些細なこと聞いていいのかな?」そのちょっとした「気づき」がとても大切です。ひとりでモヤモヤしている、とても不安、そんなときお気軽にご相談ください。

-オンライン事業の立ち上げに際し、クラウドファンディングをされましたね。
発達支援が必要なお子さまは、支援が滞るとそれだけ発達の機会が大きく失われることになります。コロナ禍で外出を自粛して通所が難しいご家庭のために、早急に療育と相談にオンラインを導入することが必要でした。そこで、この夏クラウドファンディングで支援金を募ることにしました。クラウドファンディングでは150人近くの方にご賛同いただき、目標金額100万円を大きく上回る支援金が集まり、開発を進めることができています。
2021年1月には新たなオンライン発達相談サービス「kikotto」β版を発表しました。お子さまの発達について相談先を探している方がいらっしゃれば、ぜひご紹介いただければと思います。https://www.adds.or.jp/sodan/

-今後めざしていることを教えてください。
ホームページのコンテンツを増やして、役に立つ情報をもっと発信していきたいです。また今のオンライン療育及び相談では利用者にも機材の準備が必要になりそれが負担になるので、より身近なLINEを使って簡単に利用できるようにしていきたいです。お子さまの発達障がいの悩みを抱えている、より多くの方に、支援を受けやすい環境づくりを続けてまいります。

-今回プラザの交流会に参加していかがでしたか。
子育て中の多くの方にADDSの存在を知ってもらいたい。その活動をどうするかという課題がありました。そんななか、この交流会で「NPO法人 きずなメール・プロジェクト」さんとの出会いがありました。妊娠中・子育て中の親を“孤育て”させない、というコンセプトで、子育てに役立つ情報をLINEやメールで発信し、応援している団体です。今後、協働でできることはないかとお話をしているところです。
このように、杉並の子育て・地域活動をされている団体に、ADDSの活動を知ってもらいたい、近くに子どもの成長で悩んでいる人がいたらADDSのことを伝えてほしいと思ったので、交流会に参加してよかったと思いました。

ADDSさんの取材を通して、コロナ禍において新しい生活様式へ変わるため、子育ての場でも新しい支援方法が必要とされていることを知りました。いち早くネット支援の環境を整えたADDSさんの活動が、これからの地域活動の参考になればと思います。

すぎなみ協働プラザでは、オンラインでの会議や講座開催の支援として「Zoom基本講座」を開催してきました。今後もオンライン活動向けの講座をはじめ、あなたの地域活動のお手伝いになる講座を開催していきますので、ご活用ください。

特定非営利活動法人ADDS
〒167-0051 東京都杉並区荻窪5丁目16-14 カパラビル5F
https://www.adds.or.jp/  

文責  すぎなみ協働プラザ 大久保

【団体インタビュー】チャイルド・ファンド・ジャパン

 特定非営利活動法人チャイルド・ファンド・ジャパンは、1975年より、アジアを中心に貧困の中で暮らす子どもの健やかな成長、家族と地域の自立を目指した活動をしている団体です。
 今回、団体の支援内容や支援地域の状況、杉並区内で行っている「杉並区民の手でネパールに学校を!」キャンペーンの内容などについて、コミュニケーション・マーケティング部 藤井 翼さんにお話を伺いました。

 

― 団体の活動内容、支援地域の状況を教えてください
 フィリピン、ネパール、スリランカの3カ国の貧困の中で暮らす子どもたちの経済的、内面的成長、衛生面、教育の支援などを行っています。
 国や地域によって状況は異なりますが、学用品や制服の用意ができず学校に通えなかったり、仕事の手伝いをせざるをえなくて学校に通えなくなってしまった子どもたちが、しっかりと学校に通い、将来の可能性を広げていけるようにしています。
 また、リーダーシップ研修なども行い、自信を持って社会へ羽ばたいていくことができるようにしています。
 現在は、新型コロナウィルスが支援地域でも蔓延していて、例えばフィリピンでは、依然として対面授業が再開できていません。地方を中心に医療体制が十分とは言えない地域も多く、貧困の中で暮らす子どもや家族という弱い立場の人々は、パンデミックで大きな影響を受けます。こうした子どもたちへ、マスクや非接触型体温計の支給、手洗い研修などもしています。

チャイルド・ファンド・ジャパンが支援したマスクをつけるネパールの子ども

他にも、国内で緊急復興支援を行っています。直近では、一昨年の台風19号で大きな被害に遭われた長野県の被災者の方々に、子どもには学習などのサポートを、高齢者の方々に対してはストレスを緩和するために傾聴活動を行いました。

― 杉並区内で行っている「杉並区民の手でネパールに学校を!」の内容を教えてください
 杉並区と連携したキャンペーンで、区民の皆さまから書き損じハガキを送っていただき、その収益でネパールに学校建設をしています。毎年12月にスタートし、年明け2月末までキャンペーンを行っています。
 このキャンペーンを開始したのは10年前になります。杉並区に事務所を置いているので、区民の皆さまと一緒に活動ができないかと考えていました。いきなり寄付をお願いするのはハードルが高いと考え、当時から実施していた書き損じハガキの回収を思いつき、区役所の後援を得て、教育委員会をご紹介していただき、学校へ告知することができるようになりました。こうして昨年は10年目を迎え、杉並区長をはじめとする関係者の皆さまをお招きした記念懇談会を行いました。
 これまでに2,200名以上の皆さまにご協力いただき、6つの学校を建設しました。建設した校舎には、なみすけのマークがついています。

なみすけが入った校舎の前で写真を撮る子どもたち

ネパールでは2015年に大地震があり、耐震性の高い校舎の建設が重要な課題になっています。
杉並区民の皆さまのご協力は、子どもたちの命を守る安全な学校を作り、学ぶ環境を支えています。

― 杉並区では他にどんな活動をされていますか?
 2020年11月から、阿佐ヶ谷駅前で、支援募集キャンペーンを行っています。

 普段はホームページなどで広報を行い、支援してくださる方を募集していますが、団体の顔が見えず、活動内容や支援方法、信頼できる団体かどうか、十分にわからないこともあるかと思います。対面でのキャンペーンでは、スタッフが団体の説明を直接いたしますので、見かけたら、ぜひ声を掛けてください。
(※緊急事態宣言等により、実施していない場合もあります)
 また、2020年6月には、スタッフがJ:COM杉並の「杉並人図鑑」に出演させていただき、今後の活動への想いなどを語りました。
 杉並区の小学校での出前授業で、子どもたちに、支援地域の様子や私たちの活動についてお話しをさせていただいたこともあります。

― 今後、地域とどのように繋がっていきたいですか?
 杉並でキャンペーンを継続しつつ、地域に貢献できるような交流、活動をしていきたいです。
 途上国の支援を行うNPOというと、自分たちの生活とは距離があり、遠い存在に感じたり、ハードルの高い団体に思えたりするかもしれません。ですが、そんなことはありません。私たちは、子どもを大切にし、成長を支えようとしていて、それは、皆さんが自分の子どもや身の回りの子どもたちの成長を見守る気持ちと一緒です。皆さんと一緒に「杉並から世界の子どもたちを支える」ことができればと思います。

【スタッフからの感想】
 今回、インタビューさせていただいた藤井さんに、チャイルド・ファンド・ジャパンに入られてから心に残っていることは?とお聞きしたら、「支援者の方々の温かい想い、そしてそれを受け取り親しみと感謝を惜しまない現地の子どもたち、両方の想いの橋渡しの一端を担っているということにやりがいを感じています」と話されていました。
 すぎなみ協働プラザでも、地域に貢献できる交流、活動をしていきたいというチャイルド・ファンド・ジャパンのお手伝いをさせていただきたいと思っています。そして地域の皆さまのお役に立てるような橋渡しをしていきたいです。

ChildFund Japan チャイルド・ファンド・ジャパン

特定非営利活動法人 チャイルド・ファンド・ジャパン
〒167-0041 東京都杉並区善福寺2-17-5
TEL 03-3399-8123/FAX 03-3399-0730
URL https://www.childfund.or.jp/

文責 すぎなみ協働プラザ 椎野