団体訪問 杉並ボランティアセンター

2025年2月22日、杉並ボランティアセンター主催の交流会に参加してきました。

会場に入ると多くの参加者が集まっていて活気が感じられました。
今回の交流会のテーマは「助成金」でした。第一部では「地域福祉活動費助成金」を受けた団体からの体験談を聞き、第二部ではグループに分かれてワークをしました。

最初に杉並区社会福祉協議会地域課長から挨拶からがあり、会が始まりました。

第1部の様子

【第1部】
地域福祉活動費助成を受けた団体から設立・資金・活動等の体験談をお聞きしました。

①「杉並たんぽぽクラブ」事業名:子どもの居場所づくり
子どもの居場所づくりをして地域多世代交流推進の事業をする大学生の団体です。学生ならではのデジタル能力を発揮したイベントチラシを作成し、助成金でチラシをカラー印刷することができ、集客率がアップしたとのこと。大々的なイベントが出来て、成果を上げられたようです。 大学生の事業ということで社会的信用が低いという心配もあったようですが、地域福祉活動費助成を受けたということにより、信用度が増して周知がスムーズに進んだそうです。

②「宮前まちづくりの会」事業名:地域交流ボランティア
町会がない地域で、2017年に災害時に近隣同士で声をかけ合い助けあえるように立ちあがりました。助成金で活動を充実させることができ、参加費ではまかなえない医師の講演、落語などを地域に向けて提供できたそうです。

③「NPO法人ゆるゆるma~ma」事業名:みんなのいばしょ東原Pタイム
児童館やボール遊びが出来る公園もないエリアで子どもたちに全天候型の遊び場を提供しています。助成金は広報のための印刷費やイベント出店のための材料費に利用し、集客に役立ったようです。
毎週水・土曜日の午後は、コミュニティふらっと東原の多目的ホールが地域の幅広い年齢の子ども達が児童館のように自由に過ごせる居場所となっています。地域のボランティアスタッフは、子どもたちとのふれあいに、やりがいを感じているそうです。

④「認定NPO法人ももの会」事業名:だれでもカフェ~ももふらっと
障がい者と地域住民の交流の場をつくる活動をしています。助成金により日頃体験することが少ない、コンサートやパフォーマンスを体験でき、障がい者と地域住民が感動を共有し、交流ができる出会いの場となっているそうです。

第2部の様子

【第2部】
 4グループに分かれ、それぞれのグループにファシリテーターとしてボラセン運営委員会の委員が入り、グループごとに団体運営のヒントを得られるような話合いが行われました。
私のグループでは3つ団体から多様な活動のお話を伺いました。
「あなたとアフリカをつなぐ応援団」は、アフリカと日本の相互理解を深める活動を行っています。アフリカとの文化的な交流を行い、またアフリカの人との間に生まれた子どもたちの支援も行っています。

「にじいろモビール」はきょうだい児を支援する団体です。きょうだい児とは、病気や障がいのある兄弟姉妹がいる子どものことをいいます。代表自身が当事者であった経験を生かして支援を行っています。

ほかに、高井戸児童館で子ども食堂を月一回開催している個人の方は、シングルマザーにのり弁を提供したり、寄附でもらった米や菓子を配布しているとのことでした。

どの団体も、自分たちの活動を多くの人に知ってもらいたいという思いが溢れていました。
福祉関連の団体の皆さんのお話から、人、場所、お金についてのお話が多く出ました。団体によっては手弁当で地域活動を行っており、助成金は人件費が対象でないことが一般的なので、この点が多くの団体の課題となっているようです。また、イベントの開催場所を確保することも難しく、助成金申請時点で場所確定ができなくて困ったこともあると言っていました。

すぎなみ協働プラザとしてはこのような状況を把握して、今後プラザの活動で何ができるかを考えていきたいと思います。

杉並ボランティアセンターのホームページ  https://www.borasen.jp/

                  文責・写真①②③ 小林
                  写真④⑤ ボラセンブログより引用

団体訪問 おやじネットワーク杉並

2025年2月8日(土)「おやじネットワーク杉並」さんの情報交換会に参加してきました。

「おやじネットワーク杉並」は杉並区内の小学校で活動している「おやじの会」が繋がり、イベント開催のノウハウなどの情報共有を行う団体です。現在、19校が所属しています。

この日は、2019年に新校舎になった桃井第二小学校で、団体活動の一環として毎年開催している『紙ヒコーキ王決定戦』の表彰式と情報交換会が行われました。

杉並区立桃井第二小学校

『紙ヒコーキ王決定戦』は杉並区内の小学校各校の体育館にて同じルールで開催し、紙飛行機の飛行距離、滞空時間などを競う大会です。今年度は杉並区にある小学校全校(40校)に声をかけネットワークの拡大に取り組んでいます。

表彰式には10校が参加しており、その後情報交換会が行われました。

情報交換会では、西田小学校のPTAの新しい取組み、高井戸小学校のファミリー会の取組みなどの事例が紹介されました。

西田小学校PTA
高井戸小学校ファミリー会

その後は、それぞれの会で生じている課題を共有しました。

主な課題として「現役世代の会員が少なくなっていること」や「『おやじ』の言葉の持つイメージが時代にそぐわなくなってきているように感じること」などの声があがりました。

情報交換会の様子

各校活動への温度差もそれぞれありますが、おやじの会の活動のほかに、子ども食堂を始めている方もおり、地域で活躍するおやじパワーに今後も期待がふくらみます。

おやじネットワーク杉並のホームページ  https://oyjntsuginami.1my.jp/

すぎプラ通信vol.13 発行のご案内

2025年03月06日
2025年2月すぎなみ協働プラザの広報紙「すぎプラ通信Vol.13」を発行しました。

今回も、デザイナー工藤拓志さんにお願いして、動きのある紙面に仕上げていただきました!

今号では、ソーシャル・プロジェクト・プロデューサーとして多くの自治体の協働に携わる広石拓司さんをお招きして開催したイベントの情報など紹介しています。

地域を動かす「協働」の力とこれからの地域づくりのために、すれ違いを生まれないようにするにはどうしたらよいか、「コレクティブな協働」についてなどをお話しいただきました。

その他にも、すぎなみフェスタの活動報告、今年度開始したゆるっと気軽にお話していただく「ゆるプラ」、すぎなみプラっと散歩・団体訪問「杉並郷土史会」「NPO法人ハンド・ミー・ダウン」のご紹介、イベント情報なども掲載しています。

杉並区内施設各所に配架されています。ぜひお手に取ってご覧ください。登録団体の皆様には郵送いたします。

【目次】
・開催報告 地域を動かす「協働」の力とこれからの地域づくり
・協働提案で採択された事業の紹介
・すぎなみフェスタ2024 活動報告
・ゆるプラ 紹介
・すぎなみプラっと散歩(杉並郷土史会・NPO法人ハンド・ミー・ダウン)
・講座・イベントスケジュール
・・・

すぎプラ通信はホームページからもご覧いただけます。

最新号vol.13はここをクリック

団体訪問 杉並郷土史会

2024年12月14日(土)、阿佐谷地域区民センターにて開催された、杉並郷土史会主催の「荻外荘を通して考える建築復原の意味」という歴史講演会に参加してきました。

2024年12月9日に一般観覧が開始されたばかりの、荻窪三庭園の1つである「荻外荘」をテーマに、復原の意味を、事例を通して考える講演会でした。

受付を済ませ、会場に入ると、既に多くの参加者が集まっていて、全員で50名ほど参加していました。予約は不要で、先着順に参加ができるというところが、足を運びやすく、この講演会の魅力の1つです。

阿佐谷地域区民センター
外は小さな公園もあり、地域の人の憩いの場となっている。

この日の講師は、東京大学工学系研究科建築学専攻技術専門職員である角田真弓先生でした。
角田先生は、古写真から歴史を読み解いていく研究をしながら、数々の文化財の復原に携わっています。

司会:杉並郷土史会 高橋彩さん

「荻外荘」はもともと、1927年(昭和2年)伊東忠太の設計により、入澤達吉(明治から昭和期にかけての内科医で大正天皇の侍医)別邸として建設されました。その当時は、「楓荻荘(ふうてきそう)」と呼ばれていましたが、その後、1937年(昭和12年)に、内閣総理大臣を3度務めた政治家・近衞文麿(このえふみまろ)が、購入し、近衞の後見人であった西園寺公望により、「荻外荘」と名付けられました。実に、1937年(昭和12年)の第一次内閣期から20年(1945年)12月の自決に至る期間を過ごし、昭和前期の政治の転換点となる重要な会議を数多く行った場所で、2016年(平成28年)には、国の史跡に指定されました。

杉並区は「荻外荘」を近衞文麿居住当時の姿に復原整備し、区立公園「荻外荘公園」として現在公開中です。
https://ogikubo3gardens.jp/tekigaiso/

50名ほどの参加者は熱心に講師の話に耳を傾けている。

さて、この荻外荘の復原は、大変な事業でした。というのも、1960年(昭和35年)に、応接室を含む木造平屋建ての約半分202平方メートルが、東京都豊島区巣鴨にある天理教東京教務支庁の敷地内へ移築され、それを杉並区荻窪へ戻すという一大プロジェクトだったからです。

角田先生は、ここで重要なことは、いつの時代に復原するのか、とのこと。この屋敷は、近衞文麿が買い取ったのち、別棟・蔵・設備など、暮らしに合わせて大幅に改築されていました。

角田先生は、「復原には、どこに価値を見出すのか」が重要だと仰います。結果、荻外荘会談の行われた昭和16年に重きが置かれ(書斎のみ昭和20年)、その時代のものに復原されることとなったそうです。つまり、伊東忠太の設計の建造物としての文化財ではなく、史跡としての文化財に価値を見出した、ということです。

そして、角田先生より、「復原」と「復元」の違いについても教えていただきました。

・復原・・・修理や改造により変わった姿を元の状態に戻すこと

・復元・・・失われた姿を「かつての姿」で建設すること

つまりは、荻外荘は、「復原」であることを学びました。

最後に、近代建築における復原・復元例を写真と共に紹介していただいたので、とても分かりやすく、勉強になりました。

講演会終了後、杉並郷土史会代表の寺田史朗会長にもお話を伺いました。

「杉並郷土史会は、郷土史を正しく・楽しく学びあう会です。日頃、目にしているマチの風景の中にも歴史が隠れています。それに気づき、郷土愛を深め、次世代へとつなげていく活動をしています。老若男女問わず、ぜひ講座へ足を運んでいただき、私たちの仲間になりませんか?講演会にて「入会のご案内」をお渡ししています。どうぞお気軽にお越しください」とのことです。

杉並郷土史会・寺田会長(前列中央)と9名の運営委員の皆様。いつもは全員で16名の運営委員が、役割を分担しながら会の運営をしているとのこと(2025年1月現在)。

杉並郷土史会は、街歩きも開催しています。イベントや講演会情報は、すぎなみ協働プラザをはじめ、区民センター等の区内施設にもチラシを配架しています。ぜひお手に取ってご覧ください。

ほかにも、杉並郷土史会ホームページでも講座のご案内をしていますので、是非ご確認ください。

杉並郷土史会ホームページ https://member.sugi-chiiki.com/rekishikai

文責・写真 大庭

【杉並郷土史会 講演会予定】

以下の歴史講演会は、事前予約不要・当日先着順80名、参加費:一般700円、会員500円です。(2025年1月現在)

2025年1月18日(土) 歴史講演会『浮世絵「恵方参りの図」と妙法寺』

場所:阿佐谷地域区民センター
時間:13時30分-15時30分
講師:寺田 史朗 (杉並郷土史会 会長)

2025年2月15日(土)  歴史講演会「府中の事件にみる江戸時代の社会」

場所:阿佐谷地域区民センター
時間:13時30分-15時30分
講師:花木 知子 先生(府中市郷土の森博物館 学芸員)

2025年3月8日(土)  歴史講演会「江戸西郊の武蔵野開発について」-近年の研究成果を紹介しながら-

場所:高井戸地域区民センター
時間:13時30分-15時30分
講師:米崎 清実 先生(法政大学兼任講師)


【杉並郷土史会 会員の募集】

杉並郷土史会の会員になりませんか?

会員特典として、隔月発行の会報誌のお届け、講演会受講料の割引、抽選の場合の優先などがあります。

「何かを始めてみたいとお考えの方、地域に根差した生活をお考えのあなた、日々の生活が違って見えるヒントが見つけられるかもしれません。一度覗いてみませんか。勿論、歴史に興味のある方も大歓迎です。」

(杉並郷土史会会長 寺田史朗)

お問合せメールアドレス:stkyodo@jcom.zaq.ne.jp 寺田史朗

団体訪問 NPO法人まちの塾フリービー(NPO活動資金助成)

2024 年 12 月 13 日(金)
【令和 6 年度 NPO 活動資金助成事業】
令和 6 年度杉並区 NPO 活動資金助成金を受けた特定非営利活動法人まちの塾freebee(以下フリービー)の教室を訪問しました。昨年度に引き続き、2 年目の助成金事業です。

フリービーは「勉強の仕方がわからない」「経済的に有料塾に通えない」「不登校で学習が遅れている」 など、様々な理由で学習に不安を抱える子どもたちをサポートするために、無料の学習教室を開いています。

旧杉並第四小学校の跡地を活用した施設、イマジナス(JR 高円寺駅北口から徒歩 5 分)で毎週金曜日 18 時 45~20 時 30 分に教室を開き、学習支援をしています。


昨年度とは会場も変えて、今年度は杉並区内の子ども食堂 2 団体と連携し、子どもたちの総合的な支援を試みています。それは、学習支援のみならず、孤食を避ける、学習前の腹ごしらえなど、学習環境向上のための新しいカタチの支援です。

訪問した日は第二金曜日で 16 時から 18 時まで「高円寺わくわく食堂」という子ども食堂が開かれる日でした。大人は 300 円、子どもは無料で、この日はウクライナの料理が提供されて大盛況でした。第一金曜日には、別の子ども食堂が、食堂ではなくおにぎりなどの食事を配布しているそうです。フリービーに参加した子の分も用意してもらえるのがありがたいと、フリービー代表の木村さんは仰っていました。

子ども食堂の片付けが終わると 18 時 45 分からフリービー教室が始まりました。この日は中学生 2 名、高校生以上 7 名が参加していました。日々の学習のため、高校受験、大学受験のため、学び直しをしたい、それぞれの理由でボランティアの方からマンツーマンで指導を受けていました。指導にあたっているのは教育経験のある地域のボランティア社会人講師の方々です。

代表の木村さんにお話を伺うことができました。
昨年と比べて今年は高校生以上の参加者が多く、大学等進学の為に活用してもらえるのは喜ばしいことであるものの、中学生より高校生に対する行政からの学習支援が足りていないではないか、と懸念もされていました。
高校生の頃から通っていて大学生になっても、引き続きレポートの書き方の指導を受けている子もいます。教室には通わなくなった中学生とも line でのやりとりは続いていて、学習の相談に乗っていることもあるそうです。
教室に足を運ぶのが難しい子とも繋がり続けを、学習の意欲を応援していきたい、とお話しされていました。

代表の木村さん(左)と指導ボランティアの方

今年は新しい試みを始め、良かった点に加えて改善点も見えたとも仰っていました。今後のご活躍にも期待しています。


文責・写真:有馬・大庭

NPO法人まちの塾フリービー ホームページ
https://machinojuku.com