みんなのニット共和国×あけぼの作業所  

2025年4月11日(金)あけぼの作業所に、BANさん(株式会社みんなのニット共和国取締役社長 伴真太郎さん)と行ってきました。

 あけぼの作業所は、指定障害福祉サービス事業所として杉並区上井草にあります。(https://www.itarucenter.com/facility/akebono.html

当日は、荻窪駅で待ち合わせ、バスに乗ってあけぼの作業所へ出発。
あけぼの作業所は、緑豊かで静かな住宅地の中にある 大きな施設です。公園の隣で敷地も広いため、ゆったりとした時間が流れている、そんな施設でした。

さて、BANさんの大きな荷物の中には、レジ袋がたくさん。

袋を開けてみると色々な色のもじゃもじゃのなにかが・・・

これらは、「ブック」と呼ばれている高級ニットの編地サンプルをほどいたものです。黒、ピンク、みどり、青、赤、黄、と大まかに分けられて袋に入れられていました。
このもじゃもじゃの塊は、サンプルの編地をほどいたものなので1本が短く、つなぎ合わせ長い毛糸に生まれ変わらせる作業が必要です。その一連の作業を作業所の皆さんがしています。サンプルは、捨てられてしまうものですが、高級ニット用なのでとてもいい毛糸です。それらをアップサイクルすれば、再度作品を作るための毛糸にできるのではとBANさんは考え、杉並区内の作業所さんをまわり、少しずつ形になってきました。
サンプル(ブック)は紙と編地が一体になっているので、その紙と編地を外し、編地をほどくという作業は、区内の他の作業所にお願いをしているそうです。そして、ほどいた毛糸が溜まると、BANさんがそれをあけぼの作業所に運び、ひと玉の毛糸として生まれ変わらせています。
あけぼの作業所では、短い毛糸を1本1本つなぎ合わせ 1かせの毛糸にします。その時に細い毛糸は切れやすいので除外をしていくのですが、「細い」「太い」は人によって感覚が違います。迷うときには、誰もがわかりやすいようにと表を作っていました。
最初、少しずつ同じ色の毛糸を紙コップに移して、糸を結び始めます。「この毛糸は細すぎる?」と迷った時には、この表に照らし合わせて判断していきます。

この毛糸がつなぎ合わされます。
毛糸の太さを測る表

繋げて長くなった毛糸は芯に巻き付けていきます。

長くつなげた毛糸
結んで巻き取った糸を確認するBANさん

そして、かせくり機にセット。これを何周すると何メートルということで品質管理にもつなげています。かせくり機にセットしたらスチームをあてて、縒れをとって、玉巻き機で毛糸玉に巻き上げていく、という作業になります。

傘のような機械が「かせくり機」スチームをあてているところ

この日は職員さんがデモをしてくれました。

糸巻中
かせくり機から玉巻き機に糸をセットするBANさん

そして、できた毛糸玉  どんな作品が生まれるのでしょうか。

どうしても出てきてしまう毛糸の端糸 それももったいないと、作業所で作っている手すき和紙に漉き込んで試作品を作っていました。こちらは どんな製品にするのか思案中だそうです。

もっと毛糸を入れてもいいかも。。。

サンプルの編地から新たなニット作品を。というBANさんの発想
障害者の方たちとも一緒に楽しみながらできないか。というBANさんの想い
NPOの活動にとっても必要なことではないかと思います。

BANさんのお人柄もあって、あけぼの作業所を訪れると、職員さんはもちろん利用者の方も「こんにちは」と次々挨拶に来られました。BANさんを取り巻いて「久しぶり」「今度いつ来るの?」弾む会話を聞いて、春の暖かさを感じて帰ってきました。

写真・文責:朝枝

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あけぼの作業所
https://www.itarucenter.com/facility/akebono.html