【下井草に誕生】地域を繋ぐ交流拠点「みんなのおうち たっぷ」オープニングイベントにお邪魔しました。

西武新宿線井荻駅の近く、井荻商店街に、新たな交流拠点「みんなのおうち たっぷ」がオープンしました。地域に根ざした活動を目指す「TOWN&PEOPLE(通称TAP)」が運営するスペースの、記念すべきオープニングイベントの様子をお届けします。

代表の伊藤益子さん。たっぷの前はたくさんの人が行きかいます。

代表の伊藤益子さん。たっぷの前はたくさんの人が行きかいます。

「みんなのおうち たっぷ」とは?

「TOWN&PEOPLE(通称TAP)」は、2024年5月に下井草地域に住む人たちが中心となって立ち上げた任意団体です。井草・下井草・上井草地域を一つの大きな家族と捉え、「まち」と「人」を結びつける様々な企画を行っています。その活動の拠点となるのが、この度オープンしたコミュニティレンタルスペース「みんなのおうち たっぷ」です。西武新宿線井荻駅から徒歩3分ほどの場所にあり、誰もが気軽に立ち寄り、それぞれの「やりたい」を実現できる場所、そして地域の人々が出会い、繋がることで、より豊かなまちを創っていくことを目指しています。

「みんなのおうち たっぷ」は、以下の3つのスペースで構成されています。

  • キッチンスペース: 食堂やカフェ、子ども食堂など、食を通じた交流が生まれる場所。
  • オープンスペース: 講座や相談会、マルシェ、子どもの居場所など、多目的に利用できる広々とした空間。
  • フローリングスペース: 打ち合わせやヨガ、作業など、落ち着いた環境で利用できるスペース。

様々な用途で使える3つのスペースがあります。

地域からの温かい支援!クラウドファンディング達成

「みんなのおうち たっぷ」は、TAP代表である伊藤益子さんのご家族が所有していた物件をリフォームして作られました。その開設にあたってはクラウドファンディングが実施され、目標金額を大きく上回る支援が集まったそうです。

オープニングイベント当日の様子

4月28日に行われたオープニングイベント当日、たっぷの前は賑やかな雰囲気に包まれていました。コーヒーと焼き菓子の良い香りと楽しそうな会話の声が響き、ふらりと立ち寄る地域の方の姿も多く見られました。

会場には、開店準備中の地域のカフェや、手作りの温かさが伝わるハンドメイド雑貨店、地域包括支援センター「ケア24」、そして大学生による地域活動「駄可笑屋敷プロジェクト」など、多彩な顔ぶれが並びました。

駄可笑屋敷プロジェクトの学生さん。今後は、駄菓子屋さんと子どもが遊ぶ場を作るそうです。

たっぷの活動に共感する人々が集い、それぞれの活動を紹介し合ったり、和やかに談笑したりする様子は、まさに地域コミュニティの縮図のよう。代表の伊藤益子さんが、訪れる一人ひとりに笑顔で声をかけているのが印象的でした。

伊藤さんは、「ここでは、たっぷを借りる人が高齢者向けの血圧測定のような企画をするかもしれないけれど、その時たまたま子どもが遊びに来ても、『どうぞ』と言ってほしいんです。人と人が繋がることが、何よりも大切だと思うから」と語ります。レンタル利用者とは必ず面談を行い、共に「まちと人を繋ぐ」というコンセプトを共有していくという、たっぷの丁寧な姿勢も印象的でした。

「色々な人と話すことで、私自身も思いつかないような面白いアイデアが生まれるかもしれない。みんなで一緒に、この場所を育てていきたいんです」と、未来を見据える眼差しで語る伊藤さんの言葉には、この場所への深い愛情が感じられました。

結び

「みんなのおうち たっぷ」は、地域に住む人々にとって、温かい居場所となり、新たな繋がりを生み出す拠点となるでしょう。たっぷに集う皆さんの情熱と、地域の方々の期待が詰まったこの場所が、これからどんな物語を紡いでいくのか、私たちも楽しみにしています。近くにお越しの際は、ぜひ「たっぷ」を訪れてみてください。

TOWN and PEOPLE みんなのおうち たっぷ ホームページはこちら
https://min-tap.com/

住所
167-0022
東京都杉並区下井草4-29-17

写真・文責 山口

グリーンスローモビリティ乗車体験と荻外荘散歩

2025年3月28日に、話題のグリーンスローリーンスローモビリティに乗って、荻窪をプラっと散歩してきました!

グリーンスローモビリティって?
「グリーンスローモビリティ(通称グリスロ)」は、最高速度は時速19kmとゆっくりですが、公道を走れて電気で動く環境にもやさしい乗り物です。①荻窪駅西口→②太田黒公園→③荻外荘公園→④桃井第二小学校→①荻窪駅西口と周回しています。
荻窪では、茶色を基調にしたレトロモダンなデザインで、街にしっくりなじむかわいい車体が走っていました。車両はカート型とバス型があるそうですが、今回はカート型に乗ってみました。

バス型車両
カート型車両

実際に乗ってみた!
出発は荻窪駅西口の乗り場から。1回100円で乗車できます。現金のほかキャッシュレス(交通系ICカード、電子マネー、2次元コード)にも対応しています。今回はSuicaでお支払いしました。

荻窪駅西口乗り場
Suicaで決済

乗る前は「公道を走って大丈夫?車とぶつからない?」とちょっと不安もありましたが、乗ってみるとビックリ。とてもスムーズ、そして快適。
ルートもしっかり考えられていて、車とのすれ違いもあまりないので安心して乗っていられるし、乗り心地も悪くありません。

しかも、カート型は横が開いていて開放感抜群!のんびり走るからこそ、見慣れた道でも「えっこんなところにこんな建物あった?」と新たな発見があって、楽しい気分になります。

車窓から見える景色
区民の足としても活躍しています

運転手さんに話を聞くと、休日は観光で来る人が多くて、平日は地元の人が買い物などでも利用しているのだそう。地元に根付いた存在になってきているようです。

荻外荘にも寄り道
降りたのは「荻外荘公園」停留所。そこから歩いて2~3分のところに「荻外荘(てきがいそう)」の入口があります。

荻外荘は、もともと大正天皇の侍医・入澤達吉の別邸として建てられ、その後は政治家・近衞文麿(このえふみまろ)が住んでいた歴史ある建物。建築は伊東忠太によるものだそうです。

荻外荘入口

杉並区が10年かけて復原整備を進めて、ついに2024年12月に一般公開がスタート。南側の芝生広場では、近衞文麿が暮らしていた頃の木々も残っているとのこと。
今回は時間の関係で住宅の中までは見られませんでしたが、それでも外から眺めるだけで歴史を感じる、落ち着いた場所でした。

公園からみた荻外荘

■ まとめ
グリスロは、ただの移動手段じゃなくて、「街を楽しめる乗り物」という感じです。いつもの道も建物も、ちょっと視点を変えるだけでこんなに景色が変わって見えるのだと実感できました。
次は荻外荘の中もじっくり見てみたいし、また別の場所に寄り道してみたいなと思える、グリーンスローモビリティ乗車体験でした。

写真・文責:大久保

みんなの成田フェスタ2025春@コミュニティふらっと成田

2025年4月20日、NPO法人プロップKが受託しているコミュニティふらっと成田で開催した多世代交流イベントに参加してきました。

当日は600名を超える方々の参加があったようです。
多世代交流イベントということでまずは杉二小ウインドバンドの演奏から始まり、キッズダンス、フラダンス体験、チェロとピアノの演奏会、最後は菊水連の阿波踊りなどのプログラムがありました。
ほかにもロビーや集会室では、たくさんのワークショップや物品の販売がされていました。
私自身も以前の職場の人たちや地域の方たちに会って「久しぶり」のお話がたくさん聞けて楽しい一日になりました。

最初にたくさんの「てぶちゃん」が入り口でお出迎えしてくれました。

てぶちゃんとは、柳瀬忠彦さんという現在大島にお住いの作家さんが考案された手袋人形です。

ハート・トゥ・アートを主宰している渡辺さんがコラボして2003年に白い軍手で2千体以上制作し「高円寺の街をてぶちゃんで飾る」という企画をしたのが、てぶちゃんの杉並デビューのようです。杉並ボランティアセンターが発行している情報紙『ボラン・て』のイメージキャラクターにも採用されています。
今回てぶちゃんは、お迎えしてくれただけでなく、てぶちゃんを作るワークショップもありました。

他にも初めてでもできる編み物ワークショップやタイルモザイクのワークショップも人気でした。子育て応援券が使えるワークショップもありました。駄菓子などもあり老若男女みんなが楽しめたイベントでした。

写真・文責:朝枝

「サイン デザイン ライフライン」 ~障害のある方にとってのサイン、デザインはライフライン(安全に移動するための生命線)~

2025年4月19日、令和6、7年度の協働提案事業となったNPO法人グローイングピープルズウィル(以下GPW)の2年目の事業に参加してきました。
GPWは、主に視覚障害者の地域生活を支える活動を行っているNPO法人です。
今回提案した事業名は「住民(移動制約者)参加によるユニバーサルデザインのまちづくり 実りある対話を行う」というものです。
「対話とまちづくり?」と思われる方も多いかもしれません。まちづくりでは、色々な方の意見を聞いて行われていますが、まだまだ「移動制約者」と言われる方たちの意見が十分反映されているとはいいがたく、建物や道路ができた後に修正されることも多いようです。考えてみれば、つくる前に話し合ったり、実験したりすれば、つくり直したり、修正したりするより、時間もお金も使わずに済むというわけです。

さて、今回は、中央大学研究開発機構教授 秋山哲男さんの『杉並区におけるユニバーサルデザイン』というテーマのお話を伺ってきました。

都市計画そのものが「平均値の都市」から「多様性のある都市」を目指すようになってきた現在、そこに住み暮らす人々の移動の多様性についても考えられるようになってきています。
協働提案のなかに「移動制約者」という言葉があります。 聞いたことがあるでしょうか。 この「移動制約者(移動困難者)」とは、心身の機能の障害や低下などで一般の人より移動に困難を抱える人のことを指します。障害がある方だけでなく、妊産婦、高齢者、あるいは大きな荷物を抱えている人たちもそう考えられます。そして、それぞれの方たちの移動の困難の理由は違います。例えば、視覚に障害のある方の移動には、通称点字ブロックは欠かせませんが、車いすの方たちにとっては点字ブロックの凸凹が邪魔になるということも考えられます。一口に移動に制約がある方といっても様々な方たちがいるわけです。その解決には対話が欠かせません。
当然移動だけでなく建物内にもいろいろな困難があり、ガイドラインや計画なども整備されてきています。
今回の講座では、トイレ、階段、エスカレーター、道路などそれぞれの事例を学ぶことができました。
例えば道路の幅員の確保のこと、車いす使用者用駐車施設のこと、階段の踊り場のこと、エレベーターのかごの大きさのこと、いろいろな事例を伺う中で、気づかずに過ごしていることがいかに多いかに気づきました。
「そういえば、エスカレーターの水平部が3枚であることが増えてきて乗り降りが楽になっている」と思い当たりました。これもバリアフリーの一環です。

また、街中にたくさんあるサインについてのお話もありました。最初につけたサインが分かりづらかったり、見えづらかったりで、次々に付け加えられるサインを「野良サイン」というそうですが、たくさんあることで気づきやすくなることもあれば、逆にわかりづらくなったり、本当に必要な人に届かなくなったりする場合があるようです。必要で見やすいサインとは何か、最初に考えていかないといけないし、その場合、必要としている人たちの意見を聞いていかなければいけないと思いました。

講座を聞いた帰り道、「知ることは、障がいを無くす」というポスターを見かけました。
視覚障害のある方の移動に関する課題を整理すると、建物や施設、機器だけでは不十分で人的な支援が必要だというお話もありました。他者にやさしいまちは、よいまちになる。杉並区は協働提案事業を通して、一歩近づいているのではないでしょうか。

触図(触って確かめる地図)
わかりづらいかもしれませんが、黒い壁の部分が盛り上がっています。
視覚に障害がある場合、空間認知の手助けの一つになります。
高井戸駅前の工事中の歩道橋でみかけたポスター
高井戸駅前の工事中の歩道橋で見かけたポスター

写真・文責:朝枝

「探究学習」を探求してきました@中央大学杉並高校

2025年4月12日、高校生の探究学習の授業を見学してきました。「総合的な探究の時間は,探究の見方・考え方を働かせ,横断的・総合的な学習を行うことを通して,自己の在り方生き方を考えながら,よりよく課題を発見し解決していくための資質・能力を育成する」授業で2023年から始まりました。(文部科学省『今、求められる力を高める総合的な探究の時間の展開』より)VUCAの時代(※1)には必要な学びのようです。そして、それにより生徒や教師、学校だけでなく地域も変わると言われています。

4月新学期が始まってワクワクドキドキの時期に、中央大学杉並高校(以下中杉(chusugi))2年生の探究「通称C.S.Journey」の「アカデミックプロジェクト」を見学してきました。中杉では他に「研修リーダープロジェクト」があり、そちらのコースでは沖縄、奄美大島、東北、マレーシア、韓国と研修旅行先に合わせた学習がなされていたようです。

広くてきれいな廊下の両側にはプロジェクト名が書かれた教室が配置されています。どのプロジェクトも30名前後のチームに分かれていました。

アカデミックプロジェクトでは、5つのプロジェクトに分かれ、中央大学から先生がたがお見えになり、専門分野の基調講演を伺い、「探究的学び」についてレクチャーを受けていました。付属高校である中杉の強みが生かされた授業となっています。

各コースの先生方のお話はつまみ食いのように少しずつしか聞くことができなかったのですが、大学に入ってからも自身の研究を行う指針ともなるお話でした。

「エゴセントリズム(自分中心)から離れ、考え続けることが大事。「言葉」にこだわっていくこと。強みと弱みを探究していく。求めていくことから究めていくにつなげる」

「思い付きである仮説をたて、予測をし、データを収集し、分析していくことが研究の流れになる。仮説を立てる時は 観察しそこでの気づきを根拠に展開していく。なぜ?を問い続け、説得ある説明を作っていく」

「課題の解き方、仮設検証の方法として、問いをたて、観察をし、思いを調査し、文献で過去にあたり、解決に向けていく。独りよがりではなく他者への説明ができるようこと、に考えていく」など。地域活動でも必要と思われる「問い」「課題を解決するための道筋」などと重なるお話を私も一緒に学んできました。

今回、中杉にお見えになった先生方は次の方たちです。

法学政治学プロジェクト:西村 清貴先生(法学部)
商学経済学プロジェクト:川端 千暁先生(商学部)
STEAM探究プロジェクト:今堀 慎治先生(理工学部)
グローバルプロジェクト:林 光洋先生(経済学部)
文化活動プロジェクト:新原 道信先生(文学部)

グローバルプロジェクトでは、ゼミ生がグループに分かれ、高校生の学びをサポートしていました。外国にルーツがある子どもたちの学び、子ども食堂、途上国への文房具の支援など学生らしいテーマも多く、杉並区内で活動している団体のこともご紹介しつつ、共に地域をつくることができたらどういう杉並になるのか、ワクワクのおすそわけをもらって帰ってきました。

  中杉HP アカデミックプロジェクト始動(2年)記事: https://chusugi.jp/topics/15286/

写真・文責 朝枝

(※1)VUCA(ブーカ)の時代とは
VUCAとは、「先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態」を意味します。
V(Volatility:変動性)
U(Uncertainty:不確実性)
C(Complexity:複雑性)
A(Ambiguity:曖昧性)