2023年度(令和5年度)杉並区NPO向け アンケート結果について

すぎなみ協働プラザでは、昨年度の3月に地域活動団体の活動状況や、すぎなみ協働プラザの活用状況などを調査するためにアンケートを行いました。
すぎなみ協働プラザにご登録いただいている団体と、杉並区内NPO法人にご協力いただき、86件のご回答を頂きました。ありがとうございました。頂きましたアンケートは、今後のプラザの運営にいかしてまいります。

<概要>

・対象:すぎなみ協働プラザ登録団体及び杉並区に主たる事務所を置くNPO法人
・期間:令和5年12月16日~令和6年2月7日
・回答:86件
・周知方法:令和5年12月にすぎなみ協働プラザ登録団体と、区内のすぎなみ協働プラザ未登録のNPO法人に、アンケート回答依頼をメール送信。すぎメール1月号(令和6年1月12日送信)で回答依頼を掲載。その他、すぎなみ協働プラザHPやSNSでの周知。

<目的>

杉並区内のNPO法人及び地域活動団体が、どのようなことに困っているのか、それに対しどのような取り組みを行っているのかを共有し、工夫を分かち合う機会をつくる。

回答結果

・各項目をクリックすると、指定の場所へ移動します。
・各画像をクリックすると別ページで表示されます。
・自由記述欄や「その他」回答欄は誤字修正、個人情報が特定される名称の黒塗り、同様の意見の集約、等の校正をしています)

【目次】

団体に関して

  • 活動の形態
  • 活動分野
  • 団体の年間事業規模
  • 収益の種類
  • もっとも収入が多い財源
  • 団体の運営に関わるスタッフの数
  • 現在の活動で団体が必要な支援
  • 上に挙げた以外に、知りたいことや支援が必要なことがありましたら、お書きください。

すぎなみ協働プラザに関して

  • すぎなみ協働プラザを利用したことがありますか。
  • 「利用したことがある」とお答えの方は、利用された目的をお答えください。
  • すぎなみ協働プラザが行っているサービスの満足度について伺います。
  • すぎなみ協働プラザへの要望がありましたら、お聞かせください。

■杉並区協働提案制度に関して

  • 杉並区の協働提案制度に申請する計画はありますか?
  • 「はい」とお答えの方へ 差支えなければ、どのような事業をお考えでしょうか。

■杉並区NPO支援基金の助成申請に関して

  • 杉並区NPO支援基金の助成(杉並区NPO活動資金助成)を知っていますか?
  • 申請をしない理由は何ですか。(複数選択可)

■すぎなみ地域コムに関して

  • すぎなみ地域コムに登録していますか。
  • 上記設問にて、①すぎなみ地域コムの団体登録をしている、または②すぎなみ地域コムの団体登録をしていないが、閲覧したことがある、を選択した方にお聞きします。利用の仕方について該当するものはどれですか。
  • 上記設問③「すぎなみ地域コムを知っているが、団体登録・閲覧したことはない。」を選択した方にお聞きします。理由は何ですか。

■アフターコロナでの活動に関して

  • 新型コロナウイルス感染症の位置づけが「5類感染症」になりました。活動はコロナ禍前と同じようにできていますか。
  • 上記質問にて①できている、②まあまあできている、⑥更に活発になった、を選択した方へ。どのような工夫をしたか教えてください。
  • 上記質問にて③あまりできていない、④わからない、⑤全くできていない、を選択した方へ。どのようなサポートが必要ですか。

■団体に関して

多くの団体が、補助金・助成金のみに頼るだけでなく、会費や事業収入を得て運営していることが分かった。団体の活動ジャンルは多岐に渡っているが、共通して、広報活動(仲間集め、集客方法、イベントのチラシ作成等)の支援を必要としていることが分かる結果となった。

上に挙げた以外に、知りたいことや支援が必要なことがありましたら、お書きください。

・会費や受講料を電子マネーその他、簡便かつ料金がかからない方法があれば知りたい。
・コロナを経て、対面での集客が難しく、オンラインを使いたいが、区の施設にWi-Fiの機能がなくて困っている。補助金対象も、オンラインは使えないことが多くて、困る。
・ファシリテーションの技術。
・現在メンバーの個人宅で実施している子ども食堂の会場を探している。
・採用される助成金の申請方法。
・地域との連携について。
・プレゼンの技術、居場所事業の活動の取り掛かり方、人事労務管理について。
・HPの構築、MailList等アプリのサポート。
・新規事業内容支援。
・独自のホームページの作成で、個人情報が守られているか疑問があり見守っているところです。
・クラウドファンディングの方法×4

■すぎなみ協働プラザに関して

すぎなみ協働プラザについて、 14%は利用していないという結果だったが、認知度は100%だった。提供しているサービスの満足度は、概ね高い評価を得ることができたが、講座に関する満足においては、「利用していない」という回答が42%あった。すぎなみ協働プラザの行う団体支援の1つ「ステップアップ講座」は、団体のブラッシュアップへつながる講座なので、区内で活動する団体にはぜひ受講してもらいたい。

「利用したことがある」とお答えの方は利用された目的をお答えください。(複数選択可)

すぎなみ協働プラザが行っているサービスの満足度について伺います。

すぎなみ協働プラザへの要望がありましたら、お聞かせください。

・地域コムの講習会が土曜や金曜に多い印象がありますが、両日とも参加できないので、曜日時間帯にバリエーションを持たせて開催していただけるとありがたいです。
・経理、労務のできるボランティアスタッフの情報。
・いつもありがとうございます!
・利用しにくい。
・協働提案事業の講座、人・団体を紹介してほしい。
・人、団体を紹介して欲しい。労務管理講座、助成金のより具体的な講座、広報の素敵な写真の取り方、寄付の集め方や関わりを持ってくれる方をより増やすには…など成功事例の紹介。
・ITに対する質問等をサポートしていただける人材の紹介。
・子ども食堂を紹介して欲しい。
・こんな講座の例:杉並区役所の組織について(どこがどんな活動しているのか、特に区民を対象とした行政の活動内容)
・団体の季刊誌をチラシラックに置けなくなってしまいました。期間制限を設けていただいても良いので、また置けるようにしていただきたいです。また、阿佐ヶ谷地域区民センター以外の区民センターにもラックを増やしていただけたら嬉しいです。
・情報発信の場を増やしてもらいたいです。よろしくお願いいたします。お知らせいただいた講座で聴きたいと思ったものもありますが、たまたま、都合がつかなったように思います。具体名を思い出しませんが。
・これからも存在し続けてほしい。
・関連する人、団体を紹介してほしい。
・区の問題ではありますが、協働提案事業制度が非常に面倒なものですね。もっと取り組みやすい制度にならないものでしょうか。
・活動場所
・当NPO主催の企画への参加呼び掛けをお願い致します。
・地域のみなさんが応援してくださっているので事業で収益をあげることも考えてはいますが、個人での活動にも助成金がいただけると助かります。

■杉並区協働提案制度に関して

協働提案の計画の有無に関するアンケートでは、約30%弱が「はい」「相談したい」「検討中」という前向きな回答だった。事業内容は、環境や障がい者支援等、様々なジャンルに渡るものだったが、中には、区との協働という認識が弱く、検討している提案事業として自団体のやりたいことを回答していた団体もいたので、協働提案制度での事業に関して、正しい理解を伝えることが必要とわかった。

杉並区の協働提案制度に申請する計画はありますか。

「はい」とお答えの方へ。差支えなければどのような事業をお考えでしょうか。

・当事者を巻き込んでBF.UD計画
・活動の映像化で展示活動
・シングルマザー交流会を開催していますが、今年は他の事業(子ども食堂など)や保健師さん?などと協働でイベントを開催したいと考えています。
・海岸美化活動におけるマイクロプラスティック被害の現状を伝えたい

■杉並区NPO支援基金の助成申請に関して

助成金に興味のある団体が杉並区には多い中で、NPO支援基金のことを知らなかったという回答が約20%あった。また、申請しない理由に「当基金の内容がよくわからない」という回答が81%あった。これらの結果は、今後の周知方法の課題となった。基金自体の周知と、内容についても分かり易く伝えていく必要がある。

杉並区NPO支援基金の助成(杉並区NPO活動資金助成)を知っていますか?

助成金の申請をしない理由は何ですか。(複数選択可)

■すぎなみ地域コムに関して

区内団体にとっては地域コムの認知度は高く、利用している団体の97%が、イベントや講座等の広報ツールとして機能していることが分かる結果となった。すぎなみ地域コムを使用してない団体の半数以上が独自でホームページを持っているとの結果で、広報ツールには困っていないことが伺える。

すぎなみ地域コムに登録していますか。

上記設問にて、①すぎなみ地域コムの団体登録をしている、または②すぎなみ地域コムの団体登録をしていないが、閲覧したことがある、を選択した方にお聞きします。利用の仕方について該当するものはどれですか。(複数選択可)

上記設問③「すぎなみ地域コムを知っているが、団体登録・閲覧したことはない。」を選択した方にお聞きします。理由は何ですか。(複数選択可)

■アフターコロナでの活動に関して
(新型コロナウイルス感染症の位置づけが「5類感染症」になりました。その状況下での団体活動について)

令和5年度は、 5月に5類感染症という位置づけに移行したことから、活動が活発化し、70%以上の団体が活動ができていると回答する結果となった。工夫しながらも、ようやく以前の活動に戻りつつあることが伺える。一方で、コロナにより、団体メンバーやスタッフが減ってしまい、マンパワー不足という声もあり、コロナによる影響は続いている。

活動はコロナ禍前と同じようにできていますか。


上記質問にて①できている、②まあまあできている、⑥更に活発になった、を選択した方へ。どのような工夫をしたか教えてください。

【感染対策】
・感染対策をやや緩和しながら、参加人数をコロナ禍前に戻すなどしている。参加者に不安がないことが重要と考えている。
・コロナの拡大状況に合わせ、密の回避など(時間を分ける、小部屋での少人数対象の事業実施、年代別の利用など)感染防止対策をしながら、可能な限り事業を実施した。
・体調管理に気をつけて無理をしないようにした。
・消毒液の設置とマスク着用
・つどいのひろばでは、コロナ禍前は昼食を食べるコトが出来ましたが、今もまだ昼食は復活していないです。 赤ちゃんカフェでは、お茶やおやつが復活しました。なるべく距離を取ったり少し時間をずらしたりと工夫しています。
・検温、手の消毒、マスク着用
・飲食を伴う活動は以前はあったが行っていない
(一般的な会合を対象ですが)多数のメンバーを集めるのでなく比較的少人数での会を開催している。
・感染予防をして、安心して会議などを実施出るようにした。
・感染予防対策を周知した

【オンライン検討】
・ほぼオンラインに移行したが、ついて来れない人がいて対面に戻すかどうかを検討している。
・オンライン開催で会議、講座をおこなった。
・手消毒のみ継続し、コロナ時の制約事項解除をHPやSMSで発信
・テレワークの導入と、就労移行支援事業のON LINE化マスク・消毒などを、実施している。(場合により、連絡を含めた、アンケート等の実施)
・コロナ中に休止せずリモートでお稽古を継続した。対面の発表会はできなかったがYouTubeで演奏記録を撮り続けた。
・オンラインミーティングの活用
・新型コロナウイルス感染拡大の半年前にNPOを立ち上げたため、立ち上げ当初と比較すれば、現在、活動はとても活発になっていると言える。(=NPO立ち上げ時から時間が経ったので、活動が拡大・成長したということ)。NPO立ち上げ後、1年間くらい(=コロナ禍の最中)はオンラインを活動の中心に据えざるを得なかったが、その後徐々に感染防止に配慮しながら対面での活動を増やしていった。

【その他】
・段階を経て、活動内容を戻していったが、まだできていないところもある。人数制限など継続している。
・5類になる前から活動している。
・地域との交流を大事にしてきました。事業所のイベントには地域への声がけをしました。
・コロナが落ち着いてメンバー各々の活動が忙しくなり、当団体の活動へさくことのできるリソースが減ってしまった。その分、対面でのイベントなどコロナ禍では難しかった活動に力を入れ始めている。
・設立がコロナ期間中であり、特に変わりはない
・参加者の声をリサーチし対応を検討していた

上記質問にて③あまりできていない、④わからない、⑤全くできていない、を選択した方へ。どのようなサポートが必要ですか。
(利用者への対応について等どのようなことでも結構です。例:○○で困っているので、○○に、○○なサポートをして欲しい。)

・活動場所の多くが医療現場のため、現場の事情や社会情勢に合わせなければならないので、サポート自体お願いする状況ではない。特にサポートは現在必要ではないが、コロナ前のような、会食や大勢でのイベントができていない。現在はマスク着用も継続中で、声が聞き取りにくいのが問題。
・オンラインでの講座を開催したいが、区の施設にWi-Fiがなくて困っている。×2件
・子供主体の団体なので親が安心できる形が作れない。
・コロナ禍に設立した団体なので比較できない。
・活動場所が欲しい。
・活動できるスタッフが減ってしまったので、広報活動に困っている。
・メンバーのマンパワー不足なので、活動内容の厳選が必要な状態です。

ご回答にご協力いただいた皆様、ありがとうございました。

団体訪問 DANKAIプロジェクト「自習を中心とした学習室と子ども食堂(みんなの食堂ルンルン)」

2024年6月5日(水)NPO法人DANKAIプロジェクトを団体訪問しました。

これまでは、主に武蔵野市で活動していましたが、団体副理事長の藤澤さんが杉並でも活動したいとのことでご自宅を使い毎週水曜日に「自習を中心とした学習室と子ども食堂(みんなの食堂ルンルン)」を始めました。
2019年から始めようと思っていたそうですが、コロナの影響で2021年から本格的に活動をスタートしました。

訪問した日の放課後は近くの小学生(6名)がきて、各々が持ち寄った宿題を自分のペースで始めました。それをボランティアの大学生(2名)が勉強のサポートをする形式でした。ボランティアは毎回2名ずつ交代で参加する仕組みになっているようです。近隣の東京女子大学や団体理事長の栗田さんが教鞭をとっていた亜細亜大学の学生がボランティアとして来ています。

コロナ禍という大変な中でのスタートでしたが、活動は保護者、学生ボランティアや調理ボランティアの方々、そして子どもたちにも支えられて活動を続けられているそうです。食材は農林水産省や杉並区社会福祉協議会、むすびえや他団体などからの寄付でお肉以外は賄えるようになっていて、地域に支えられて活動を続けられているとのことでした。
学びの時間を終えると大学生と子どもたちが共にゲームを行う時間もあり、参加した子どもたちはとても楽しそうに過ごしていました。

学習が終わり夕飯の時間。「みんなのルンルン食堂」のスタートです。

献立は食中毒予防のためもあって、カレーが中心で、藤澤さんと調理ボランティア2名程度で調理にあたっています。

私たちも子どもたちと一緒に、お肉と野菜がたくさん入ったカレーをとても美味しく頂きました。

食材はお肉以外のものは充実しているとのことですが、保管方法には苦慮されていて、現在は大きな保管庫のある他団体に預かってもらい、定期的にそこから食材を運んでいるとのことでした。特に夏場の食材保管は大変なようで課題のひとつと仰っていました。

この日は誕生日会も兼ねていて、誕生日の子には参加している皆からの寄せ書きや、保護者からの手づくりシフォンケーキがあり子どもたちは盛り上がり、みんな大満足でした。

食事中、子どもも大人も楽しそうにお話しながら食べる姿は地域の多世代交流の憩いの場としてとても有用で、充実している場になっていると感じました。初めて訪問させていただいたにも関わらず、子どもたちは気さくにいろんな話をしてくれて、そういう「人懐っこさ」は大人と子どもが一緒の時間を過ごす中で身に付いたものなのかと思いました。

学習支援に子ども食堂、多世代での交流の場。「自習を中心とした学習室と子ども食堂(みんなの食堂ルンルン)」は、子どもたちにとって貴重な体験を学べる場所でした。

文責・写真 有川

団体訪問 NPO法人すぎなみ子育てひろばchouchou「赤ちゃんカフェ」

2024年5月22日、荻窪・西荻窪エリアで地域に根差した子育て支援をしているNPO法人すぎなみ子育てひろばchouchou(以下、シュシュ)の事業の1つである「赤ちゃんカフェ」にお邪魔してきました。

子育てひろばchouchou外観

「赤ちゃんカフェ」は毎週水曜日9:00‐11:00に開催。子育て経験豊富なシュシュのスタッフが見守る中、ゆったりと過ごしていただきながら、同じ0歳児を持つ家族同士、子育てについて語り合ったり、情報交換したりする場となっています。

見学した日は10:00からゲスト講師を招いて講座も開催されました。今回は靴職人の内山知子さんによる「足と靴の話」で、ファーストシューズは生後何か月頃に履かせたらよいか、良い靴の選び方とは、赤ちゃんの足の成長のためにすると良いことは、などを教えてくれました。

靴職人の内山知子さん

講座はお母さんと赤ちゃんが場所に慣れた頃にゆるりとスタートし、赤ちゃんがグズリ始める前の30分くらいでお話が終わるように工夫されていました。

講師が持参した沢山の種類の靴を実際に触って、靴の素材や質感を確認

次回以降の赤ちゃんカフェでは「お口のお話」「リトミック講座」「栄養相談」「マネーセミナー」などの講座を予定しているそうです。またゲスト講師をお呼びせず、パパママの育児相談の日やスタッフによる手遊びという日もあるそうです。予約は不要で、当日ふらりと行ける気軽さも魅力のひとつです。定員は10名ほどで3名のスタッフで対応しています。コロナ時はドリンクの提供を中止していましたが、5類に移行した昨年5月以降はドリンク提供を再開しています。

木のおもちゃや、職員手作りのおもちゃが大人気

利用者に話を聞くと
・近所に住んでいて、居場所検索をしたら見つかった
・児童館と併用していて、シュシュに来ない日は児童館に行っている
・子育て応援券がなかなか減らないので、応援券が使えるのが嬉しい
との声があり、シュシュさんは地域の子育て場、親子の居場所となっているようです。

シュシュさんより
『シュシュでは、ほっとリラックスできる時間と空間の提供を目指しています。シュシュに関わるみなさんが笑顔になることが私たちの目指すものでもあり、やりがいでもあります。赤ちゃんカフェではパパとママと両方で連れ添ってくることもあります。気軽に育児相談、栄養相談にきてください。ぜひ出産前の妊婦さんにこそ来ていただきたいです。いろんな月齢の赤ちゃんがきているので、リアルな子育ての様子を肌で感じてもらいたい』とのことです。

シュシュでは赤ちゃんカフェのほか、一時預かりの「ひととき保育上荻」、乳幼児を持つ方や妊娠中の方々がいつでもふらっと立ち寄りができる「つどいの広場上荻」、シュシュが出張してくれる「プチシュシュ(出張ひろば)」、などの子育て支援をしています。「プチシュシュ(出張ひろば)」は、シュシュから少し離れた杉並区の地域の方々にも、シュシュのあたたかい「ひろば」の空間を楽しんでいただきたくて、出張しています。

また、地域のお餅つき大会や区民センターまつり、すぎなみフェスタなどで役割を担い、地域との関わりを大切にしている団体です。

2022年には樹保育園(上荻3-22-13)も開園し、成長を続けています。今後の展開も楽しみなシュシュさんでした。

2022年に開園した樹保育園

※開催日時や場所は、2024年6月時点での情報です。詳しくは団体ホームページ等でご確認ください。

■NPO法人すぎなみ子育てひろば chouchou(シュシュ)ホームページはこちらhttps://chouchou-suginami.com/

■赤ちゃんカフェ
https://chouchou-suginami.com/oyakono-hiroba/babies-cafe/

■NPO法人すぎなみ子育てひろば chouchou(シュシュ)
〒167-0043 東京都杉並区上荻3-26-14 ドミトリー上荻Ⅱ 201
 電話 : 03-3395-0135    FAX : 03-6913-5271

【アクセス】
JR/東京メトロ荻窪駅北口より関東バスか西武バスで「八丁」バス停下車徒歩1分
JR西荻窪駅北口より関東バスで「八丁」バス停下車徒歩2分

文責・写真 大久保

団体訪問 NPO法人すぎなみムーサ・杉並区立郷土博物館「節分」

2024年2月3日(土)、杉並区立郷土博物館(以下、郷土博物館)での年中行事の1つ「節分」にお邪魔してきました。このイベントは郷土博物館内の古民家にて毎年2月に開催されています。

この日は、お天気も良く、到着した10分前には、既に多くのお客さんで賑わっていました。子ども連れの方が多かった中で、ふらっと古民家を見学に来た人たちもいて、古民家の造りを目を凝らして見たり、囲炉裏の火に暖を取る姿も見られました。

節分の会場となっている古民家は、NPO法人すぎなみムーサ(以下、すぎなみムーサ)が囲炉裏の火入れなどの維持管理を受託しています。すぎなみムーサは、杉並区の郷土の歴史や文化を調査・研究して区民参加の展示などの発信も行っている団体です。今回は、郷土博物館とすぎなみムーサの許可を得て見聞をさせていただきました。

14:00、節分イベントの開催の時間となりました。
まず最初は、すぎなみ昔話紙芝居一座「すかい」による紙芝居口演です。杉並区にまつわる民話をもとにした2つの紙芝居は、子どもにも大人にも人気で、読み手の工夫を凝らした読み方に、笑い声が聞こえてきました。

古民家の中から紙芝居を口演し、観覧する来場者

次に郷土博物館の学芸員・金子さんによる「節分のお話」がありました。
なぜ「やいかがし」(焼いた鰯の頭を柊の枝に刺したもの)を家の戸口に飾るなど、古くからの風習を丁寧に分かりやすく教えてくれました。初めて目にする「やいかがし」に、子どもたちは目を丸くして眺めていました。

本物の鰯を使って作ったやいかがしに子どもたちはくぎづけに。

いよいよ、お待ちかねの豆まきのスタートです。家長が最初に豆を撒くという風習に倣って、郷土博物館の牛山館長により、最初の豆が撒かれました。そのあと、来場者の豆まきのスタートです。郷土博物館とすぎなみムーサのスタッフ数名が折り紙の箱に入った豆を来場者に配りました。

豆は手作りの箱に入れられ、「かわいい!」と子どもたちは大興奮!

「福は内!」と大きな声をあげながら豆を撒いていると、古民家の裏手から、金棒を持った赤鬼と黒鬼が登場!子どもたちは、びっくりして泣き出したり鬼に向かって一生懸命に豆を投げたり、大人も童心にかえって豆まきをしている姿がとても印象的でした。

鬼は迫力満点!
金棒を持つ鬼にあとずさりしながらも「福は内!」と言いながら一生懸命豆を撒く子どもたち

豆まきが終わると、来場者は古民家に上がって、鬼のお面づくりをしたり、囲炉裏で竹の筒を使って火種を吹かせてもらったり、昔の石臼で粉ひき体験、てんびんぼうで肥桶を担いだりするなど、昔の暮らしを体験していました。

囲炉裏、肥桶、石臼などを実際に触ってみて、昔の暮らしを体験する子どもたち

この古民家は、下井草5丁目から移築復原されました。建築は寛政年間(1789-1801)頃とされており、230年以上も前の家屋です。江戸時代の平均的な本百姓の家屋で、当時の農民生活の様相を知ることができます。土間には、かまどと石臼などが置かれ、天井を見上げると、緩やかに曲がった梁があり、とても趣があります。

この日の囲炉裏番の日下部さん(すぎなみムーサ)
すすがついた釜戸は当時の暮らしをリアルに伝えてくれる
今でも立派に機能する石臼

古民家の囲炉裏は、すぎなみムーサのスタッフが一年を通して、交代で火の番をしています。この日は5人のスタッフが囲炉裏番や、豆まきの豆を配ったり、古民家の説明等をしていました。囲炉裏は、土日祝日のみ火を焚いていて(※)、最近では、古民家や、囲炉裏を目当てに外国人の観光客が来ることもあり、少しずつ海外の方にも口コミが広まっているとのことです。また、この囲炉裏の前で朗読する動画を撮りたい、と言う方が訪れ、数十分撮影をし、後日YouTubeに載ったこともあったそうです。
すぎなみムーサのスタッフの方が、「この古民家の素晴らしさを、できるだけ多くの人に知ってもらいたい。囲炉裏の火をたいて、皆様のお越しを待っています!」とお話をしてくださいました。

(※)夏場、囲炉裏の火は、熱中症予防の観点から暑さ指数31以上の場合は中止しています。

博物館は、古民家以外にも見どころがたくさんあります。まず、入り口に構える長屋門(旧井口家住宅長屋門)は、宮前5丁目の五日市街道沿いにあった江戸時代後期の建物を、移設復原したものです。門をくぐり裏側の蔵屋に杉並の養蚕に関わる道具などを展示しています。

長屋門(旧井口家住宅長屋門)
中に入り間近で見物も可能

本館は、一階の常設展示室と特別展示室、二階の会議室、視聴覚室、昭和の暮らしの展示で構成されています(※)。また、昔の杉並区の白黒写真からは、「こんなものがあったんだ!」「昔はこうなっていたんだ!」と、時空を超えて杉並区の新しい発見をすることができます。
(※)パネル展示の内容は変わることがあります。

昔の杉並区へタイムスリップできる展示物の数々

博物館の周辺には、都立和田堀公園を始め、大宮八幡宮、松ノ木遺跡などの見どころもあります。
善福寺川沿いの公園でピクニックがてら、杉並区立郷土博物館までお散歩に出かけてみませんか?

■すぎなみムーサ ホームページ
https://member.sugi-chiiki.com/172/

■杉並区立郷土博物館の年中行事
https://www.city.suginami.tokyo.jp/histmus/1092833.html

■杉並区立郷土博物館(本館)
https://www.city.suginami.tokyo.jp/histmus/

〒168-0061 東京都杉並区大宮1丁目20番8号
電話:03-3317-0841
アクセス:
【バス(京王・関東バス)】
JR中央・総武線「高円寺駅」または東京メトロ丸ノ内線「新高円寺駅」⇔京王井の頭線「永福町駅」間
「都立和田堀公園」停留所 下車 徒歩5分
【徒歩】
京王井の頭線「永福町駅」北口より 徒歩15分
歩き方の詳しいご案内は以下ページをご参照ください。
https://www.city.suginami.tokyo.jp/histmus/1009059.html

文責・写真:大庭

団体訪問 楽学俱楽部

2024年、1回目の団体訪問は、楽学俱楽部でした。

楽学倶楽部は、2023年4月に設立され、荻窪地域区民センターの集会室を借りて、子どもの学習支援と居場所づくりとして「らくがく(楽学)・てらこや」(以下てらこや)を月に2回開催しています。

16時頃に訪問すると、9名の子どもたちが、学習に取り組んでいました。

子どもたちはここに来ると、まず学校の宿題から始めます。その後に、てらこやが用意したドリルに進みます。てらこやの開催時間は15:30頃から17:30頃までと、長時間なので、途中でおやつ休憩を挟みます。子どもたちはそれぞれのペースで学習を進めることができ、講師は一人ひとりに丁寧に個別指導をしています。代表の中澤一郎さんは、子どもたちの学習方法として、「自分で考えることが大切」と話し、考えさせながら答えを導き出す手助けをしているとのことでした。


子どもたちは近隣にある、桃井第二小学校と西田小学校の1~4年生が対象なので、顔見知りの仲間でもあります。時々、話に花が咲いて賑やかになりすぎると、講師がうまく勉強へ誘導します。しかし、低学年ですから、途中で集中力が途切れてしまう子もいます。立ち上がり、遊び始めた数名の子どもたちを、勉強を続けている子の邪魔にならないように、講師の一人が、廊下に誘い、とても楽しそうに上手に気分転換をしている様子が印象的で、子どもたちと講師の信頼関係を見ることができました。

通常、生徒は10名程度で、講師は三人、日によってはボランティア講師が1人加わるそうです。代表の中澤さんも講師として子どもたちに学習指導をしています。中澤さんは、「学習支援に留まらず、子どもたちの居場所作りも目的の一つ。これからも、このてらこやの事業をはじめ、できる形でたくさんの社会貢献をしていきたい」と話します。

2月には近くの田端神社で開催される節分の豆まきイベントに子どもたちを連れて出かけるそうです。地域との交流にも力を入れている楽学倶楽部のこれからの活躍が楽しみです。

「らくがく(楽学)てらこや」の会場となっている杉並区立荻窪地域区民センター

※「らくがく(楽学)・てらこや」の情報は、2024年1月現在のものです。最新の情報については団体に直接お問い合わせください。
https://www.sugi-chiiki.com/rakugaku/

文責・写真:大庭