【ステップアップ講座】発災から72時間!あなたの団体はどうする? 開催レポート

2025年3月1日に、産業商工会館展示場にて【ステップアップ講座】発災から72時間!あなたの団体はどうする?を開催しました。

首都直下地震が懸念されるなか、地域団体が活動中に災害に遭遇することも考えられます。その時各団体はどのような対応ができるか、備えとしてどのようなことができるのかを考える講座です。イベントを開催している団体の方々に参加していただきました。

講師には災害支援・防災教育コーディネーターで社会福祉士でもある宮﨑賢哉さんをお迎えしました。

社会福祉士で災害支援・防災教育コーディネーターの宮﨑賢哉氏


はじめに投影した首都直下地震シュミレーション映像では、山間部、都市部での衝撃的な場面が続きました。首都直下地震による死者数は約23,000名、負傷者は約123,000名、自力脱出困難者は約58,000名、想像することが難しい大きな数字が並びます。建物の揺れ、倒壊、火事…杉並区内でも深刻な場と予想されるところがたくさんあります。

まず講師から、誰ひとり取り残さないために必要な「3つの生」への備え(歯車)というお話がありました。3つの生とは、生命、生活、人生です。

何よりもまずは「生命」を守ることを考え行動すること(安全行動・避難誘導・初期消火・災害情報等)。その次に「生活」を確保するために、正しい情報収集のもと避難所・在宅避難を考えます(災害トイレ、食事、睡眠等)。これらは全て、その先も続く各自の大切な「人生」(住まいの確保、こころのケア、人のつながり、生活の再建等)につなげていくためです。

そのためには発災後72時間に地域活動でできることは、情報発信を待つのではなく、適切迅速な決断をすること!限られた情報だけで決断するためには、日頃の備えがなくてはなりません。備えが地域活動に求められる「安全管理」につながります。情報の見極めも重要です。

後半はグループに分かれて「災害状況を想像する力を身につけよう」をテーマにワークを行いました。

真剣にワークシートに記入している様子

団体活動時に地震発生を仮定、自分の行動、家族の状況と安否確認などを想定。団体としての行動もワークシートに記入し、グループ内で意見交換のあと、発表していただきました。

震災救援所運営に関わっている団体からは「まず暖を取れるようにし、トイレの準備をする。区役所の情報をいつでも見られるようにしておきたい」
活動参加者に高齢者が多い団体からは「参加者の帰宅が困難な場合、救援所への避難が考えられる。その際に必要なこと考えておかなくてはならない」
認知症の参加者がいる団体からは「連絡先等の情報共有が必要であると気づいた」などの発表をしていただきました。

みなさんの発表を終え、最後に講師からお話いただいたのは、
知っているということが行動につながるので、不安だと思ったことはすぐに確認して不安を減らしていってほしい。そして、何が大切なのか、それぞれの「たからもの」は何か。それを想い、備えて欲しいということでした。

すぎなみ協働プラザスタッフも今回の講座では改めて準備、情報収集、心構えの足りないことに気付かされ、意識をもって活動していかなくてはいけないと思いました。
参加された皆さんも今回の講座で得られたことを団体内で共有し、活動に役立てていただけたら幸いです。

文責・写真:有馬・大久保

【ステップアップ講座】フリーランス新法を機に再確認!制作発注の基本とコツ 開催レポート

2025年02月12日に、産業商工会館展示場にて、【ステップアップ講座】フリーランス新法を機に再確認!制作発注の基本とコツを開催しました。

フリーランス新法(正式名称はフリーランス・事業者間取引適正化等法)は、昨年11月に施行されました。フリーランスが不当な扱いを受けずに安心して活動できるような環境の実現を目的として、新たに制定された法律です。

今回の講座は二部構成となっていて、第一部で、公認会計士・税理士である加藤俊也先生より、税務上の注意点をお話しいただき、第二部では、NPO法人チューニング・フォー・ザ・フューチャー代表の手塚さんより、効率的な発注方法の具体例等を、発注者側・受注者側両方の視点でお話しいただきました。

第一部:フリーランス新法に関するお金と税金について

「フリーランス新法に関係するお金と税金について」加藤俊也先生

第一部の加藤先生からはフリーランス新法に関するお金と税金について、そもそも対象となるフリーランスの範囲はどこまでを指すのか、そして確定申告の方法や、報酬・料金の源泉税や消費税など、フリーランスとして働く上で重要で、タイムリーなお話をして頂きました。

第二部:効率的な発注方法の具体例等

NPO法人チューニング・フォー・ザ・フューチャー代表の手塚さん

第二部の手塚さんからは、フリーランスで働く人またはフリーランスに発注する人・業者の視点から、より具体的にフリーランス新法の確認するべきポイントや、受発注両サイドの意識のズレから生じる問題点、見積書・発注書の記載例など、知っておくことでトラブルが回避できるよう、現場感覚で事例を挙げていただきました。受発注両面での経歴のある手塚さんの実体験を通した言葉には、フリーランスに関わりを持つ参加者、これから関わりを持つ参加者にとって、とても濃密な内容でした。

今回は受注側の参加者も多く、この時にはどうしたらいいのかなど、講座終了後に個別で講師に質問をする参加者が多く見られました。それほどフリーランスの仕事はオリジナリティで多岐にわたるもので、ひとりひとり抱える悩みが違うということが分かりました。自分では及ばない知識を持っている方や、先駆者からお話を聞くことができたことでフリーランスの方々の安心にも繋がった講座だったと思います。

文責・写真:有川・大久保

特定非営利活動法人チューニング・フォー・ザ・フューチャー
https://npo-tff.org

【イントロカフェ】地域を動かす「協働」の力と、これからの地域づくり開催レポート

2024年12月10日(火)、杉並区産業商工会館にて、「地域を動かす『協働』の力と、これからの地域づくり」をテーマにした講座を開催しました。このイベントは、杉並区の職員、NPO等の地域活動者、福祉関係者、大学教員など多様なバックグラウンドを持つ参加者が集まり、地域課題解決のための「協働」の意義と可能性について学び、議論を深める機会となりました。当日は40名の参加がありました。

講座は以下の3部構成で進行しました。


第1部:杉並区の情報提供
杉並区公民連携担当の浅野課長から「杉並区の新しい協働の取組」というテーマで情報提供をいただきました。内容としては、“協働”という考え方の必要性や杉並区の部署同士における“協働”の重要性、また、区の協働の仕組み「すぎなみプラス」「すぎなみボイス」、これからの区の協働の取組について、お話しいただきました。

杉並区公民連携担当 浅野課長

第2部:基調講演
株式会社エンパブリック代表の広石拓司さんが、「団体の活動も杉並も一歩前に進める!パートナーシップ型の協働とは?」をテーマに50分間の講演を行いました。広石さんから、協働の本質や成功事例を通じて、協働がもたらす可能性とその重要性を理論的かつ実践的な視点で解説がありました。参加者は、協働を通じて地域課題を解決するためのヒントや新しい視点を得る機会となり、「話が分かりやすく整理できた」という声が多く寄せられました。

事例を交えながら「協働」について講義する広石さん

第3部:グループワーク
引き続き、広石拓司さんに第三部のファシリテーターとしてグループワークを進めてもらいました。
参加者は1グループ、4-5人からなる9つのグループに分かれ、「安心して暮らせる杉並区」を実現するためにというテーマで90分間のグループワークを行いました。
初めに自己紹介を兼ねて、各メンバーのできることを書き出しました。次に現状への問題意識を出し合い、そして、各グループメンバーの実現したい未来を設定し、その後、そのためにできる協働のアクションを出し合いました。

参加者のできることを出し合い、協働しながら解決へのプロセスを体験する参加者たち
実際に出来上がったワークシートのうちの一枚

参加者の感想

参加者から寄せられた感想には、以下のような声がありました。

  • 「広石さんの講演で自分の視点を整理することができました。この内容を区の職員だけでなく、住民全体で共有していきたいです。」
  • 「グループワークで区の職員と話す機会があり、非常に貴重な経験となりました。」
  • 「課題や夢を共有する場として楽しかったですが、時間が足りなかったのが残念です。」
  • 「他の参加者と終わった後も交流でき、今後の協働活動のヒントを得られました。」

ワークショップのなかで「協働」という漠然とした言葉を言語化して見える形にして、さらに交流をしながら「協働の中」にいるような実体験をすることで、「協働」をより身近に、そしてより深く理解できた講座となりました。

写真・文責 中野、有川

杉並区公民連携担当では、地域共創型ポータルサイトである「すぎなみプラス」と、意見募集型ポータルサイトである「すぎなみボイス」を活用し、協働の取組を進めています。クリックしてご覧ください。

すぎなみプラス

地域活動を充実させたい個人・団体が区と相談し、協力してほしい内容を「すぎなみプラス」に掲載し、募集内容に参加したい協力者と相談・連携をしながら、地域の課題解決につなげていきます。

すぎなみボイス

区が発信するテーマに対して、さまざまな立場の方が意見・アイデアを出し合い、利用者同士がコミュニケーションを行える場です。皆さんからいただいた意見・アイデアを今後の施策の検討等に活用していきます。

【杉並区NPO支援基金チャリティ】 すぎなみフェスタ2024 活動レポート

2024年11月9日(土)【すぎなみフェスタ2024】に、すぎなみ協働プラザも「バルーンアート 楽しいアトリエ」という名で出店しました。


今年は杉並区NPO支援基金を広く知っていただくために募金活動と、寄附をしていただいたかた向けに、バルーンアートのワークショップを開催しました。

テント内では、今年度杉並区NPO活動資金助成を受けた団体の事業内容のパネル展示と、杉並で活躍するNPO法人や地域団体の活動を紹介した動画を流してNPO支援基金の普及活動に取り組みました。

なんといってもインパクト絶大なバルーンアートに、通りかかる子どもたちは大興奮!親御さんの手を引いてワークショップに参加したり、くじ引きでお目当てのバルーンをゲットして大喜びするお子さんたちの笑顔は最高でした。

テント内のワークショップでは、バルーンアーティストの中川さんと、この日のために猛特訓をしてきたプラザスタッフが、1対1で丁寧にバルーンで剣を作りました。風船が大きく膨らむ様子に驚くお子さんがいたり、でき上がったバルーンの剣を誇らしげに掲げるお子さんもいて、みんなが大満足のワークショップでした。

午前中に今年度の杉並区NPO活動資金助成を受けたNPO法人ハンド・ミー・ダウンさんがボランティアとして参加しました。


日頃から「おさがりひろば」など、たくさんのイベントを開催しているので、大きな声での呼び込みや外国のかたに説明をしてくれたり、とても助かりました。ありがとうございました。
午後は高校2年生がボランティアとして参加してくれました。子供が好きとのことで、ひとりひとり丁寧にあいさつを交わしている姿が眩しい好青年でした。

ワークショップと募金活動で集まった寄附金は合計で34704円になりました。
「寄附になるんですね?じゃあもう少し」
と言って1口以上の寄附をしてくださった方もいて、寄附文化の醸成も少しずつ進んでいると感じました。

寄附金はNPO活動資金助成事業に活用され、活動を通して地域の皆さまの暮らしやすさへと還元されます。
ご協力いただいた方に感謝いたします。

杉並区NPO支援基金は地域に貢献する活動を行うNPO法人等を資金面で応援する仕組みです。個人、団体、企業からの寄附金をNPO支援基金に積み立て、区内で活動するNPO法人等からの申請により、その公益的な事業に資金を助成します。

NPO支援基金のしくみ(杉並区Webサイト)
https://member.sugi-chiiki.com/kikin/

すぎなみ協働プラザでは、NPO法人や地域活動をする任意団体の活動サポートのため、すぎなみ地域コム利用のご案内、阿佐谷地域区民センターチラシラックの提供、交流コーナー、大判印刷機・ラミネーターの貸出し、講座や交流会の開催などをおこなっています。ご利用には団体登録が必要です。

すぎなみ協働プラザ 団体登録はこちら
https://member.sugi-chiiki.com/nposupport/category/summary/dantaitouroku/

活動相談、メールマガジンの購読につきましてはどなたでもご利用できます。
あなたの地域活動にお役立てください。

お問合せフォームはこちら
https://member.sugi-chiiki.com/nposupport/info-form/

メールマガジン『すぎメール』購読希望はこちらhttps://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfzCge1qmwGFoAEmjKgfE4heXCvQkSZYOSA4osxZeQgQ3ue3w/viewform

文責・写真:有川

【イントロカフェ】地域を動かす「協働」の力と、これからの地域づくり

地域社会は、多様な人々が共存する場所です。それぞれの価値観や考え方を尊重し、互いに協力しあうことで、より良い地域を築くことができます。この講座では、多様な人々が協働する際のポイントになる協働の基礎知識を学び、グループワークでは課題やテーマを共有し、効果的な協働へのプロセスを体験してみます。

※こちらの講座は、すぎなみ協働プラザと杉並区企画課公民連携担当が主催しています。

(一部) 杉並区からの情報提供「杉並区の新たな協働の取組ついて」 杉並区企画課公民連携担当より
(二部) 基調講演 「自団体の活動も杉並も一歩前に進める!
 パートナーシップ型の協働とは?」(株)エンパブリック 広石拓司氏より
(三部) グループワーク 「協働を通して実現したいことを考えよう」

●日時:令和6年12月10日(火)17:30~20:30

●場所:杉並区産業商工会館 展示場(杉並区阿佐谷南3-2-19)

●講師:広石 拓司 氏 (株式会社エンパブリック代表取締役)

エンパブリック代表取締役、ソーシャル・プロジェクト・プロデューサー
東京大学大学院薬学系修士課程修了。シンクタンク、NPO法人ETIC.を経て、2008年株式会社エンパブリックを創業。「思いのある誰もが動き出せ、新しい仕事を生み出せる社会」を目指し、ソーシャル・プロジェクト・プロデューサーとして、地域・企業・行政など多様な主体の協働による社会課題解決型事業の企画・立ち上げ・担い手育成・実行支援に多数携わる。著作に「ソーシャルプロジェクトを成功に導く12ステップ」「専門家主導から住民主体へ」など。慶應義塾大学総合政策学部、立教大学大学院などの非常勤講師も務める。ネットラジオ「empublicの一語一歩」も配信中 https://empublic.jp

●定員:50名(申込順)

●対象:地域課題を他の方・他団体と共に解決することに興味がある方

●申込み:下記を明記の上、Eメールまたは電話ですぎなみ協働プラザまで

申込みEメール:sanka@nposupport.jp

(1)講座名(協働講座)
(2)お名前
(3)団体名
(4)電話番号

※イントロカフェは「あなたの”気になる”をちょっと身近に」をキーワードに、社会課題や地域課題をみなさんと共に関心を深め、「気になる」を「知識」に変えてみようという趣旨の講座です。