NPO等のための会計のい・ろ・は開催レポート

公認会計士・税理士 加藤さんとNPO法人 HATI JAPAN 多文化多言語の子ども発達支援の東谷さん

公認会計士・税理士の加藤 俊也さんをお招きしてすぎなみ協働プラザで「NPO等のための会計のい・ろ・は」講座を10/28・11/4・11/11にオンラインで開催しました。

各講座の内容は
第1回は、会計の目的・NPO法人会計基準とは・現金入出金の処理方法
d第2回は、決算書をわかりやすくするための工夫・決算書ができるまで・入出金データの入力と集計。
第3回は、月次決算のつくるメリット、目的・会計は事業を始めるとき予算を立てるための目安・会計ソフトの紹介という内容で講座いたしました。

全3回を通して現場からの声としてNPO法人 HATI JAPAN 多文化多言語の子ども発達支援の東谷さんにお越しいただき、現場の立場として参加していただきました。

NPO法人 HATI JAPAN 多文化多言語の子ども発達支援
https://www.facebook.com/HatiJapan/

加藤さんのお話の中で「外部を巻き込む活動をするNPO法人の場合外部の人に分かりやすい会計報告は必須」というトピックがありました。
寄付やボランティアをお願いすることが、多いNPO法人において分かりやすい会計報告は重要なツールになりえることを学びました。

参加者の声
・大変有意義でした。ありがとうございました。受益者から対価を得られないという、NPO業界から見たら当たり前のことが実は大変なことなのだということを改めて考えさせられるきっかけとなりました
・自分の疑問に思っていることに当てはまり、とても参考になった。会計の仕組みや必要性を優しく解説してくれるので、理解しやすい。
・東谷さんの飾らない雰囲気が講座の緊張感を和らげてくれます。また地域同業者の勉強会の雰囲気で、利害関係が無く、どんな質問にも優しく回答してくれる先生に感謝しています。

この講座の講師
認定NPO法人 NPO 会計税務専門家ネットワーク 理事
公認会計士・税理士 加藤 俊也

NPO 会計税務専門家ネットワーク
https://npoatpro.org/index.html


【団体インタビュー】RTF教育ラボ 村上さん

任意団体「RTF教育ラボ」は、地域・学校・保護者および学校教員・教員志望者の方々へ、より良い未来へのサポートを行っている団体です。

今回、代表の村上敬一さんに、団体設立や活動への思い、そして、講座や勉強会などの内容についてお話を伺いました。

任意団体「RTF教育ラボ」 村上敬一さん

― この団体を作られたきっかけはなんですか?

自分が学生の頃、学校の授業がつまらなかった、授業をしている先生たちも楽しそうではないと感じたのがきっかけでした。
15年ほど前に、子どもたちだけではなく、教師も楽しめる学校を作りたいと思い、教員志望者の方々に同じ志を持ってもらいたいと勉強会を立ち上げました。その後、現職の教員向けの勉強会・講座や地域活動も行うようになり、今の「RTF教育ラボ」という団体になりました。

― 団体を立ち上げてから、嬉しかったこと、心に残っていることはありますか?

毎日が「嬉しい」の連続です。日々新しい出会い(児童生徒、保護者、地域の方々)があり、本当に刺激的です。特に今年になってからは、オンライン(Zoom)を利用した新しい講座や小児科×教育のコラボセミナーなどを行う機会も作れました。



その中で、一番心に残っていることは、
今年2020年10月1日に『授業づくりの診断書』という書籍を出したことです。この書籍は、「RTF教育ラボ」にとっての我が子のような存在です。私だけでなく、RTFのメンバー全員が携わり、団体として出版できたので、心に残っています。

 

 

― この書籍は、主に先生向けに作られたのでしょうか?

そのつもりだったのですが、先日、読者の方から、子育てにとても役に立ったというお話を聞いて驚きました。勉強ができる子は、学校のチャイムが鳴る前に授業の準備を整えています。それがルーティンとなり、家で宿題などの勉強をする時にもこの行動が当てはまってくるのです。時間を決めて勉強を始めることはもちろんですが、その前に、「やるべき課題を準備すること」がとても重要です。準備には「意識や心構え」も含まれます。

― 経歴を拝見させていただきました スーパーティーチャーとはなんでしょうか?

自治体によっても違いがありますが、スーパーティーチャー事業というプロジェクトがありました。当時私が呼ばれた南相馬市の場合は教育委員会の予算の中で、授業が上手いと言われている先生を年に数回学校に呼び、児童や生徒へ授業を行い教員が見学するプロジェクトでした。その際、スーパーティーチャーとして私が南相馬市の小学校に呼んでいただいたということです。

今の日本の制度では、小学校の教員免許だけだと、中高生を教えられません。本来であれば、いろいろな年齢の子どもたちを教えていくことが必要なのに、それができないのです。 今は、特色ある学校づくりの予算が各学校に振り分けられ、外部講師を呼んで授業ができるので、現在私は、杉並区では杉並第九小学校で4~6年の算数を教えています。他地域では中学生・高校生・大学生へも授業を行っています。

― 年間、小さな子どもを持つ保護者向けから、教職員志望者向け、地域向けなどたくさんの講座や勉強会を開催されていますね
最近ではどんな内容の講座を開催されているのか、いくつか教えてください。

先日は、方南エリアで地域、保護者向けのプログラミング教育の講演会&パネルディスカッションを開催しました。また泉南中学校の地域の方々には、青少年委員主催で地域づくりの講座「今後必要になってくるチカラとは?学校・地域・家庭の交流を考える機会」もオンライン(Zoom)で行いました。
阿佐ヶ谷中学校でも、12/19の道徳公開講座の講師をする予定です。

― オンライン活用術の勉強会も開催されていますね
杉並区の教育現場のオンライン活用状況はどのような感じでしょうか?

人間関係とルールが両立するように、オンラインの活用と個人情報の保護とは並列しています。杉並区は、情報の流出やトラブルを防ぐという保護の方を優先している区で、ITのセキュリティが高い区だと思います。現在はセキュリティを重視しマイクロソフト社Microsoft Teamsを活用する予定のようです。

― 今後、地域の方々とどんな関りを持ちたいですか?

これまでも、地域活動、道徳、キャリア教育やプログラミング教育など、依頼されて行ってきました。テーマは違っていても、地域が求めていることの根本は同じなのです。ベースには、世の中の諸問題があります。なので、依頼をされたら、時間が許す限りどんなテーマでも引き受けたいと考えています。

- 今後の予定や、目標などをお聞かせください

講座などは、手段、方法であって、目的ではありません。地域・学校・家庭それぞれではどうにもできないことがあるので、三位一体となって協働し、楽しい状態を作っていきたいです。
まず、みんながハッピーになれる杉並区を作って、近隣の区に、そして東京、日本、それが世界へ・・・本当の意味でグローバルになっていけば良いなと思っています。 そして、学校の先生たちと子どもたちが、楽しく一緒になって成長できるようになったとき、未来の子どもたちも楽しい大人になると信じています。

【スタッフからの感想】

今回のインタビューを通じて、村上さんの活動への熱い思いを知ることができました。教育のことだけではなく、地域との繋がりも大切にして活動されているとのこと、一つの事だけではなく広い視野で活動することの大切さをあらためて気付かされました。 地域・学校・家庭、その3つの連携が必要だと言われています。これからも、橋渡し役としてますますご活躍されることでしょう。

【教育総合プロデュース RTF教育ラボ】
https://goseminarcourse01.wixsite.com/rtfkyouikulab


文責 すぎなみ協働プラザ 椎野

【団体インタビュー】 千日紅繁和会-花のある商店街-

千日紅繁和会(せんにちこうけいわかい)さんは妙法寺門前通り商店街の活気を取り戻したいと活動されている団体です。代表の山田重子さんにお話を伺いました。 

千日紅繁和会の代表、山田さん

―活動をはじめられたきっかけを聞かせてください。 

いただいた鉢植えを家の中だけでは飾りきれずに、外にも出してみましたところ、声をかけてくれた人がいました「花がある商店街っていいですね」普段は挨拶もなく過ぎていく人が、花があることで話しかけてくれたのです。 

その頃、商店街会長をしていた主人がシャッター街になっている通りをなんとか元気にしたい、と考えていたところでした。それなら商店街に花を置いてみようと思いました。毎日水をやり、花が元気になっていくのを見ると私自身も元気になれると感じていたからです。育てていた千日紅をイベントで提供することも思いつきました。 

花を通して人は元気になれる、人と繋がることができる、商店街も元気なってほしい、と思ったのが始まりです。 

―活動をともにしているのはどんな方たちですか?メンバーはどのように集まったのでしょう。 

身近な方を呼んで小さなお茶会をすることから始まりました。そこで私のやりたいことを話してみるとイベントのお手伝いなど助けてくれる人がいました。Facebookを始めて若い人の中に入っていくこともありました。やりたいと思うこと、ビジョンを共有できる人が仲間だと思っています。 

イベントには、町内会、学校のPTA・支援本部、いろいろなところから賛同してくれるボランティアの方が集まってくれます。 

小学校での千日紅刈り取り作業の様子

―今後の課題は?

このコロナ禍で、オンラインの活用と、組織の見直しが必要だと気付きました。 

イベントの中止が決まった時にイベント運営のボランティアの皆さんがオンラインツールを使って中止のお知らせなどを担ってくれました。メールなどに不慣れな私が連絡していたのでは、どれだけの時間がかかったかわかりません。オンラインが身近にある若い人達に助けられ、私も学ばなくてはならないと思いました。 

また、活動はイベントだけでなく、近隣の小学校での千日紅の配布、種まきや寄せ植え、ワークショップなどがあります。そのためには一年を通して、春には種をまき、苗を育て、ポットに植え替え、剪定、花壇への植え付け、という作業があります。その作業には時間もかかりますし、たくさんの人手も必要です。この作業にはその時々でボランティアの方が手伝ってくれますが、このコロナ禍で来ていただくこともできませんでした。 

今後も長くこの活動を続けていくためには、若い人を巻き込んだ組織を作らなくてはいけないと思っています。 

さらに人のつながりが増えていくことが、困っている人を助けることにつながり、安心して暮らせる街を作って行けるのだと思います。 

小学校での千日紅摘み取り作業の様子

インタビューの最後には育てている千日紅をたくさん見せていただきました。お花に囲まれた山田さんはインタビューでお話いただいたときとはまた違った柔らかい表情でした。 

帰り道、商店街を歩くと千日紅の鉢植えがあちこちに見られました。素敵なお花ですね、とつい誰かに声をかけたくなりました。 

インタビューを通してやりたいことが次々に沸いてくる山田さん。すぎなみ協働プラザでは、山田さんのような地域活動のアイデアを皆さんに発信していきたいと思っています。 

千日紅繁和会(せんにちこうけいわかい)
住所:東京都杉並区堀ノ内3-48-3
電話:(03)3311 0725(清水屋 山田宛)
ホームページ
https://sennichiko.jimdofree.com/
Facebook(フェイスブック)
https://www.facebook.com/sennichiko.myohoji/

撮影 中野
文責 有馬

業種別交流会開催レポート

すぎなみ協働プラザで業種別交流会を10/24(土)開催しました。

1部が「子ども・子育て」2部が「高齢者」3部が「まちづくり」の業種ごとに参加いただきました。それぞれの会でコロナ禍で生まれた「課題とニーズ」とそれに対応する「アイデア・実行したこと」話し合いました。


集まって活動する場所がないという意見や、オンラインの活用をしたいがツールの使い方がわからないなど、テーマ共通で出た意見もありました。
この交流会で知ったコロナ禍での団体運営での課題を
今後のすぎなみ協働プラザの教室の企画に運営にもいかしていきたいです。

参加者の声
・目的を同じくした者同士協働できそうです。
・参加者の皆さんがそれぞれの対応されていることを参考にさせていただく。
・もう少し大きな問題(仮題)が欲しかった。
・各団体の深いところの課題をもっと知りたい考えたい。

※この交流会をまとめたグラレコを以下に掲載します。


■参加団体
<高齢者>
すぎなみ食育推進の会
経営技術研究会
東京海難救助隊
杉並区障害者雇用支援事業団

<子育て>
チャイルド・ファンド・ジャパン
RTF教育ラボ
きょうだい児と家族の応援団 にじいろもびーる
すぎなみ食育推進の会
NPO法人ADDS

<街づくり>
杉並まちづくり交流協会
日本失語症協議会
千日紅同好会
杉並Times編集部
杉並区障害者雇用支援事業団
きずなメール・プロジェクト
まちナカ・コミュニティ西荻みなみ

ステップアップ講座「伝えるコツ」を学んで人が集まるチラシづくり

すぎなみ協働プラザが実施する、地域活動団体の活動をパワーアップする
「ステップアップ講座」。

今回は日本NPOセンターが発行している「伝えるコツ」のテキストを学びながら、団体チラシをさらに魅力的なチラシにする講座を3回にわたって開催しました。
講師には日本NPOセンターの事務局長の吉田建治さんをお招きしました。

「伝えたいことがたくさん詰まったチラシ。でも残念ですが周りはあなたの活動に興味を持っていません。」そんな事実を確認してから講座が始まりました。チラシが読み手に伝わらない問題は、言葉やデザインのテクニックの前に「誰に」「何を」伝えたいかが上手に整理できていないことが多いということ。

テキスト「伝えるコツ」を使いながらワークショップ形式で、現在作成しているチラシを、より魅力的なチラシへと変化させました。

新型コロナウイルス対策をしながら、久しぶりのリアル講座に参加してくださったのは16名の地域活動や関心を持っている個人の方々。久しぶりの交流に最初は少し緊張ぎみで口数も少なかったのですが、関西出身の吉田講師の軽快で親しみやすい講義に、雰囲気も和らぎ、活発に意見交換しながら講座が行われました。

目次

  • 講座内容
  • 伝えるために大切にしたいこと
  • 「気になるチラシ」を発表する
  • 自分たちのキャッチコピーを考えてみるよくばらずに情報量を減らしてみよう
  • 改善したチラシを発表する
  • 参加者の声
  • 参加者団体
【伝えるために大切にしたいこと】

1.自分や団体の存在について整理してみよう 
  自分と団体がどういう見られるのかを意識しながら箇条書きにしてみました。

2.相手から自分がどう見えているか、考えてみよう
  家族や友達など具体的な人をイメージして、その人の立場からの視点で、自分達がどう見られているのか書き出しました。

3.団体の目標を明確にしよう
  これまで達成できたこと・できなかったこと」「これからやるべきこと」を考えました。

4.団体の課題をとにかくたくさん書き出してみよう
  人手が足りない。資金がない。会がまとまらない。など団体の課題を書き出しました。

5.「誰に」「何を」伝えたいのか整理してみよう
  「子どもに伝えたい」「大人に伝えたい」「支援者を増やしたい」「寄付を集めたい」など(4)で書いた課題のなかから解決できそうな事柄について、整理していきました。

【「気になるチラシ」を発表する】

街なかの気になるチラシを持ってきて、何が気になったのか、どんなところに惹かれたのか、グループに分かれて発表しました。普段から気になるチラシを収集するとチラシづくりのヒントになります。と吉田講師からアドバイスがありました。

【自分たちのキャッチコピーを考えてみる】

「活動内容がわかる」「参加を呼びかける」「活動の目標」「伝える相手」など目的から自分たちのキャッチコピーを考えてみました。コツはできれば13文字以内にまとめること。短い文字数によって本当に伝えたいことが見えてきます。とアドバイスがありました。

【欲張らずに情報量を減らしてみよう】

たくさん伝えたいことはありますが、相手に読んでもらえなければ何も伝わらなかったのと同じです。思い切って情報量を減らしてみましょう。そして、デザインとはプロのように格好よくすることではなく、読み手が一番読みやすいように情報を配置することです。フォントは2種類くらい、大きさは3種類くらいにすると読みやすいです。そのアドバイスをもとに、チラシに改善を加えていきました。

【改善チラシを発表する】

チラシ改善シートをもとに、自分の作ったチラシを改善して発表しました。それでも「誰に」「何を」伝えるか、文字を減らして印象を残すチラシをつくるのはなかなか難しかったです。

                            

【参加者の声】

参加者のみなさまからは

・3回の講座は時間が長いかと思っていましたが、とても短く感じました。
・今まで気づかなかったことを発見できました。チラシ作成するために大切なポイントを知ることができました。
・チラシづくりが、まず自分の団体とは?をしっかり考えるところからというのが目からうろこでした。ディスカッションもよかったです。
・「伝えるコツ」のテキストがとてもよく、何度も読み返しながら使わせていただきます。
・グループになって、色々なチラシを見ながら改善のポイントを発表したのが良かったです。
・ ワークショップを通じて学べて良かった。他の人が自分の作品をどう見えるか話し合ったり、各人の作品の改善事例を発表しあうなど普段は出来ないので、判り易く貴重な体験だったと思う。

など、大変好評をいただきました

【参加団体紹介】

・あさうんど
・杉並区交流協会
・杉並ボランティアセンター
・大人塾
・まちナカ・コミュニティー 西荻みなみ
・未来の暮らし創造塾杉並
・NPO法人 多言語広場セルラス
     (五十音順)

チラシづくりにお困りの方、興味がある方は、すぎなみ協働プラザに
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TEL 03-3314-7260
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