【団体インタビュー】RTF教育ラボ 村上さん

任意団体「RTF教育ラボ」は、地域・学校・保護者および学校教員・教員志望者の方々へ、より良い未来へのサポートを行っている団体です。

今回、代表の村上敬一さんに、団体設立や活動への思い、そして、講座や勉強会などの内容についてお話を伺いました。

任意団体「RTF教育ラボ」 村上敬一さん

― この団体を作られたきっかけはなんですか?

自分が学生の頃、学校の授業がつまらなかった、授業をしている先生たちも楽しそうではないと感じたのがきっかけでした。
15年ほど前に、子どもたちだけではなく、教師も楽しめる学校を作りたいと思い、教員志望者の方々に同じ志を持ってもらいたいと勉強会を立ち上げました。その後、現職の教員向けの勉強会・講座や地域活動も行うようになり、今の「RTF教育ラボ」という団体になりました。

― 団体を立ち上げてから、嬉しかったこと、心に残っていることはありますか?

毎日が「嬉しい」の連続です。日々新しい出会い(児童生徒、保護者、地域の方々)があり、本当に刺激的です。特に今年になってからは、オンライン(Zoom)を利用した新しい講座や小児科×教育のコラボセミナーなどを行う機会も作れました。



その中で、一番心に残っていることは、
今年2020年10月1日に『授業づくりの診断書』という書籍を出したことです。この書籍は、「RTF教育ラボ」にとっての我が子のような存在です。私だけでなく、RTFのメンバー全員が携わり、団体として出版できたので、心に残っています。

 

 

― この書籍は、主に先生向けに作られたのでしょうか?

そのつもりだったのですが、先日、読者の方から、子育てにとても役に立ったというお話を聞いて驚きました。勉強ができる子は、学校のチャイムが鳴る前に授業の準備を整えています。それがルーティンとなり、家で宿題などの勉強をする時にもこの行動が当てはまってくるのです。時間を決めて勉強を始めることはもちろんですが、その前に、「やるべき課題を準備すること」がとても重要です。準備には「意識や心構え」も含まれます。

― 経歴を拝見させていただきました スーパーティーチャーとはなんでしょうか?

自治体によっても違いがありますが、スーパーティーチャー事業というプロジェクトがありました。当時私が呼ばれた南相馬市の場合は教育委員会の予算の中で、授業が上手いと言われている先生を年に数回学校に呼び、児童や生徒へ授業を行い教員が見学するプロジェクトでした。その際、スーパーティーチャーとして私が南相馬市の小学校に呼んでいただいたということです。

今の日本の制度では、小学校の教員免許だけだと、中高生を教えられません。本来であれば、いろいろな年齢の子どもたちを教えていくことが必要なのに、それができないのです。 今は、特色ある学校づくりの予算が各学校に振り分けられ、外部講師を呼んで授業ができるので、現在私は、杉並区では杉並第九小学校で4~6年の算数を教えています。他地域では中学生・高校生・大学生へも授業を行っています。

― 年間、小さな子どもを持つ保護者向けから、教職員志望者向け、地域向けなどたくさんの講座や勉強会を開催されていますね
最近ではどんな内容の講座を開催されているのか、いくつか教えてください。

先日は、方南エリアで地域、保護者向けのプログラミング教育の講演会&パネルディスカッションを開催しました。また泉南中学校の地域の方々には、青少年委員主催で地域づくりの講座「今後必要になってくるチカラとは?学校・地域・家庭の交流を考える機会」もオンライン(Zoom)で行いました。
阿佐ヶ谷中学校でも、12/19の道徳公開講座の講師をする予定です。

― オンライン活用術の勉強会も開催されていますね
杉並区の教育現場のオンライン活用状況はどのような感じでしょうか?

人間関係とルールが両立するように、オンラインの活用と個人情報の保護とは並列しています。杉並区は、情報の流出やトラブルを防ぐという保護の方を優先している区で、ITのセキュリティが高い区だと思います。現在はセキュリティを重視しマイクロソフト社Microsoft Teamsを活用する予定のようです。

― 今後、地域の方々とどんな関りを持ちたいですか?

これまでも、地域活動、道徳、キャリア教育やプログラミング教育など、依頼されて行ってきました。テーマは違っていても、地域が求めていることの根本は同じなのです。ベースには、世の中の諸問題があります。なので、依頼をされたら、時間が許す限りどんなテーマでも引き受けたいと考えています。

- 今後の予定や、目標などをお聞かせください

講座などは、手段、方法であって、目的ではありません。地域・学校・家庭それぞれではどうにもできないことがあるので、三位一体となって協働し、楽しい状態を作っていきたいです。
まず、みんながハッピーになれる杉並区を作って、近隣の区に、そして東京、日本、それが世界へ・・・本当の意味でグローバルになっていけば良いなと思っています。 そして、学校の先生たちと子どもたちが、楽しく一緒になって成長できるようになったとき、未来の子どもたちも楽しい大人になると信じています。

【スタッフからの感想】

今回のインタビューを通じて、村上さんの活動への熱い思いを知ることができました。教育のことだけではなく、地域との繋がりも大切にして活動されているとのこと、一つの事だけではなく広い視野で活動することの大切さをあらためて気付かされました。 地域・学校・家庭、その3つの連携が必要だと言われています。これからも、橋渡し役としてますますご活躍されることでしょう。

【教育総合プロデュース RTF教育ラボ】
https://goseminarcourse01.wixsite.com/rtfkyouikulab


文責 すぎなみ協働プラザ 椎野