労務コラム⑯ 教えて梶谷先生

事業場における労働関連用語の一考察
私たちが『働いている』上で、よく見たり聞いたりする用語があります。当たり前のことと看過せず、ちょっぴりその中身を考えてみると意外な発見があるかもしれません。

第16回:労務管理上の失敗例(1) 

 このコラムでは労働関連の用語の一考察ということで、日常的にあり得る題材をテーマにあれこれ書いてまいりましたが、実際の事業現場においては多種多様な問題が発生するので、その都度すんなりその問題を処理できるわけでもありませんよね。ということで、今回から3回にわたって、私自身が実際に事業運営上(主に労務管理で)失敗をしてきた事例を紹介してみることにしました。正直恥ずかしい思いもあるのですがお付き合いください。

 その昔、私自身まったく労働法や社会保険法の知識がなかったころ、当時勤務していた事業所で外国人労働者の人事労務の担当をしたことがありました。これがまた大変な仕事で、せっかく採用してもすぐに辞めていかれるし、勤怠管理も統制がとれず常に緊張感のある日常を送っていました。そういう状況だったので、外国人労働者は週40時間の労働契約をしても社会保険や年次有給休暇の対象ともしていませんでした。当たり前のことですが、労働契約に日本人とか外国人とかの区別はないので、これは紛れもなく違法行為です。そしてそれが違法行為であること自体私は気づいていなかったのです。

ある時、どうしても契約更新をさせたくない労働者がいたので、私はその旨を本人に伝えました。烈火のごとく怒りだした当人は外部の労働組合に駆け込み、大問題になりました。そこでは当然今までなされてこなかった社会保険や有給休暇の措置がやり玉に挙げられ、徹底的に叩かれました。どのように言い訳をしても法令違反には反論の余地がないのです。こういう争議には必ず登場する解決金のやり取りとなり、組織に多大な迷惑をかけることになり、私はその時初めて労務管理の重要性ということを認識したわけです。

その事件は私自身に大きな意識変革をもたらしました。元々何かを勉強するということ自体大嫌いな人間でしたが、そこから社会保険労務士を目指そうという決意を固めたのです。自分にとってそれが良かったのか悪かったのかは分かりませんが、人生というのは何かのきっかけで変わることもあるということでしょうかね。

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