W杯レガシー(遺産)に関する都議会質疑 全文

令和元年東京都議会 第4回定例会本会議代表質問
(2019年12月10日)

高倉良生都議(公明)「ラグビーワールドカップのレガシー(遺産)について質問します。アジア初のラグビーワールドカップ日本大会において都は、子どもたちに世界最高レベルの本場の試合を体験してもらうため、1000人を超えるジュニアラガー(中学生)を東京スタジアムに観戦招待しました。また、わが党の提案により、被災地の宮城・福島から小中学生ラガーを観戦に招待するとともに、都内のラグビースクールの協力のもと、都内の小中学生ラガーとの合同練習などを行い、交流を深めました。一方、都内のラグビースクールでは子どもたちの入会希望が増加していますが、開催する場の確保に苦労しています。そこで都は、このようなラグビー人気を一過性のものとせず、今回のラグビーワールドカップのレガシーとして、ラグビー文化を定着させるため、積極的に場の確保に取り組むべきと考えます。知事の見解を求めます。また、都はラグビー文化を東京に定着させるため、子どもたちがラグビーに関心を持ち、継続してプレーに取り組む機会を提供すべきと考えます。都の見解を求めます」

小池百合子知事「ラグビー文化を定着させるための場の確保についてのご質問でございます。ラグビーワールドカップ2019の盛り上がりを一過性のものとせずに、ラグビーの楽しさやノーサイドの精神などを文化として定着・継承していくことが重要でございます。そのためには、ジュニア世代を含めてラグビーに関心を持つ人々が身近な地域で気軽に体験をし、継続的に活動できる場を確保していく必要がございます。現在、ラグビーができる都立施設は11カ所。今後、都立公園の整備等の機会をとらえ、ラグビーができる場の整備について検討して参ります。併せて、都内の公立スポーツ施設のうち、ラグビーで活用可能な施設につきましては、情報を集約して都民に提供いたします。さらに、民間企業や大学、都立高校をはじめとする教育機関が所有している施設を、都民が気軽にラグビーに取り組める場所として活用できるように、区市町村とも連携し、取り組んで参ります。ラグビーワールドカップを開催した都市として東京にラグビー文化が定着しまように、継続的に取り組んでいける場の確保に努めて、スポーツ都市・東京を実現して参ります。

潮田勉オリンピック・パラリンピック準備局長「ラグビーワールドカップのソフト面でのレガシーについてであります。大会をきっかけとして、子供たちがラグビーに取り組める環境を整えていくことは重要であります。都はさまざまなイベントの機会をとらえたラグビー体験のほか、大会期間中には観戦招待事業や交流事業を東京都ラグビーフットボール協会や各地のラグビースクールと協力して実施して参りました。今後はこれまでの事業で培ってきた競技団体等との協力関係を生かしつつ、子どもたちがラグビーを楽しみながら技術力の向上にもつながる取り組みを検討して参ります。こうした取り組みを通じて、都としてもラグビーに関心を持った子どもたちが競技に取り組める機会を提供し、大会のレガシーにつなげて参ります」

小宮あんり都議(自民、杉並区)「今年アジアで初めての開催となったラグビーW杯は、日本チームをはじめ各国選手団の活躍により大いに盛り上がる大会となりました。6週間にわたる大会が最後まで息を切らすことなく、多くの人に感動と喜びを与えました。結果として、子どもたちの『やりたいスポーツ』にはラグビーが加わり、各地のラグビースクールも大盛況です。この勢いを絶やすことなく、ラグビーW杯のレガシーを今後、都はハード、ソフト両面で支援するべきです。私は今年(3月)の予算特別委員会において、都立公園の整備に当たっては、ラグビーができる場所を設けることを検討するよう要望したところです。都立公園には野球場やテニスコート、サッカー場はありますが、ラグビーができる場所は少ないなかで、高井戸公園のように新たに整備する都立公園において、積極的にラグビーができる施設の整備を進めるべきと考えます。都の見解をうかがいます。また、場の確保だけでなく、将来のラグビー界を担う子どもたちに向けたすそ野の拡大も重要です。今後、子どもたちにどのような機会を提供していくのかうかがいます」

三浦隆建設局長「都立公園におけるラグビーができる施設の整備についてでございますが、都立公園の整備に当たりましては、公園の個性や特性等を踏まえ、自然環境の保全や防災、レクリエーション等の機能を最大限発揮させることが重要でございます。都立公園に設ける運動施設につきましては、都民の多様なレクリエーション活動や健康増進を支える場となるよう、子どもから大人まで多くの都民が気軽にスポーツに親しめる身近な施設であることを基本としてきました。今後、都立公園の地域特性を考慮しつつ、地元自治体等の意見も聞きながら、都民がラグビーをできる場について検討して参ります。

潮田勉オリンピック・パラリンピック準備局長「W杯を契機としたラグビーのすそ野拡大についてでありますが、大会で高まったジュニア世代のラグビーへの興味・関心を将来に引き継いでいくためには、実際に体験し、魅力を感じる場を増やすことが重要であります。そのため都は大会期間中、ファンゾーンにおいてラグビー相談や各地のスクールの情報を紹介するブースを設置するとともに、パス回しやタックル体験などラグビーに直接触れられる機会を提供いたしました。今後も競技団体と連携して、子どもたちがラグビーに気軽に触れられる機会を創出するなど、すそ野拡大につながる取り組みを検討して参ります。こうした取り組みにより、大会を契機に高まったラグビーへの関心をレガシーとして継承させて参ります。

※写真は都議会のインターネット中継から