団体訪問 「災害食『実食訓練』 食べチャレ ライフライン停止!何をどうやって食べるか?」

2026年3月13日(金)、すぎなみ食育推進の会(以下、すぎ食)が会員となっている、福祉防災ネットワークすぎなみ主催の「災害食『実食訓練』 食べチャレ ライフライン停止!何をどうやって食べるか?」に、すぎ食代表の堀田さんよりお誘いいただき見学してきました。

『実食訓練』とは、災害時に備えて実際に食材を調理・試食するもので、ライフラインの停止や季節・時間帯によって生まれる過酷な状況下で「本当に食べられるか」を確認し、備蓄を見直す貴重な機会となります。

今回は、一般社団法人日本災害食学会の森下園子氏を講師に迎え、大地震発生から2日目の昼、在宅避難が可能だが、電気・ガス・水道がすべて停止した状況を想定して行われました。

講師の森下園子氏
主催者の瀧澤征宏氏

主催者の瀧澤征宏氏による挨拶の後、参加者からはアルファ化米やパンの缶詰、レトルト食品、野菜不足を補うための野菜ジュースやドライフルーツなど、各自の想定に基づいた備蓄品が披露されました。

持ち寄った食材を持ってパチリ!

調理が始まると、ポリ袋で炊飯やおかずを作る「ポリCOOK」や飯盒(はんごう)での炊飯、缶詰を組み合わせたアレンジ料理などが次々と作られ、参加者同士でシェアされました。作業の途中には室内照明を消し、懐中電灯やランタンの明かりのみで調理を行い、不自由な環境下での難しさも体験しました。

途中に、すぎ食の堀田さんより、発災時から6日目まで、フェーズに合わせてどのような食品を用意すべきか、またそれらに含まれる栄養素の役割について説明があり、大変勉強になりました。

森下氏からは、
・紙コップや紙皿はラップやビニールを被せて使う。洗えない状況で虫の発生を防ぎ、ゴミも削減できる。ビニール手袋も必須。
・備蓄食料の賞味期限は別シールで大きく表示すると良い。カセットボンベにも使用期限があるため定期チェックが必要。
・普段のおかず(煮物など)を1食分ずつラップして冷凍しておくと良い。災害時初期の非常食として非常に有効である。
・ポリCOOKでご飯を炊いたら、缶詰の焼き鳥や塩昆布などで自分の好きな味にすると良い。
・湯煎時は鍋底に皿やキッチンペーパーやシリコン等を敷くとビニール袋の破裂を防ぐ。
・お餅、麺類も備蓄しておくと良い。
・応用して楽しく食事してほしい。

など、具体的な工夫を教えていただきました。

食べ終わった後は、グループに分かれて、災害時3日間の献立を考えました。
甚大なる被災により、発災初日から数日間は精神的かつ肉体的にも食べ物の受け入れが困難な状況が予想されるため、のど越しが良く栄養価にもすぐれているものが良いなど、皆で意見を出し合い共有しました。

最後に参加者からの風よけ付きのカセットコンロなどの便利グッズの紹介もあり、日頃の備えの質を高めるヒントがありました。

参加者からは、
「想像していたよりずっと美味しかった」という安堵の声が漏れる一方で、ご飯やパンなどの主食が中心となったことで「喉の渇きを感じ、汁物が欲しくなった」という、実食して初めて気づく切実な課題も見えてきました。さらに、不安で食欲が落ちる災害時でも「カレー味なら食欲が湧く感じがする」といった心理的な発見もあり、味のバリエーションの重要性を再認識する機会となりました。
また、「これからはスーパーに行った際、普段の買い物の延長線上で災害食になりそうなものを見つけてみたい」という前向きな意欲が語られました。単なる知識の習得に留まらず、五感を使って「食べること」の難しさと大切さを体感したこの訓練は日常生活の中で防災意識を育む「ローリングストック」の真髄に触れる、大変有意義な訪問となりました。

すぎなみ食育推進の会 https://www.sugi-chiiki.com/shokuiku-suisin

福祉防災ネットワークすぎなみ https://www.instagram.com/p/DV5tRG9j2rT/

文責・写真:椎野