~事業場における労働関連用語の一考察~
私たちが『働いている』上で、よく見たり聞いたりする用語があります。当たり前のことと看過せず、ちょっぴりその中身を考えてみると意外な発見があるかもしれません。
第7回:高齢者社会と社会保障の一考察
今年になって、自身が配信している雑文にこの高齢化社会のことを書いたところ、いつも以上に反響がありましたので、本コラムでも採り上げたいと思います。
WHO(世界保健機関)の定義によりますと、65歳以上人口が国全体の総人口の21%以上になると高齢化社会を超えた『超高齢化社会』になるようです。んっ?日本の人口は2025年3月現在で約1億2300万人ですが、65歳以上人口は約3600万人いますよ。その比率は30%弱であり、既にWHOの規定する超高齢化社会のはるか上を行っているのです。こんな国、世界中で日本くらいでしょう。現在15歳から64歳までの生産年齢人口が約7300万人ですから、その比率は約1対2。戦後1948年の人口統計を見ると同比率は1対12ですから、日本社会の高齢化はジェットコースターだったのですね。さらに内閣府の予想データによれば2070年にはこの比率が1対1.3になるようです。その時代に私はこの世にはいないですが、想像しただけでも恐ろしいですね。
ところで皆さん、私の言いたいことお分かりですか?65歳以上というのは年金の受給資格者ですよ。こんな歪な人口構成で健全な社会保障が成り立っていけるのでしょうか?年金や介護サービスを受ける側と支える側の人口がほぼ同数になっていくのですよ。どう考えても無理があります。年金受給年齢を70歳に引き上げ、受給率を低下させ、企業の社会保険料支払い負担を大幅に増やしても負のスパイラルが繰り返されていくだけでしょう。ここからは私の推測です。政府はおそらく入管法の規制を緩め、外国人労働者の流入を簡単にし、希望者には帰化を促進していくのではないでしょうか。日本もアメリカやヨーロッパのような多民族国家になってゆくのです。この方法以外に国を支える若い力の確保は難しいように思うのです。もちろん同じ国の中で民族紛争などが勃発しないよう、歴史が鳴らしてきた警鐘をしっかりと見据える必要はあります。今回は労働関連用語とはややニュアンスの異なる内容になってしまいましたが、日本社会に生きる者として回避できない問題であることを忘れずにいたいものです。