~事業場における労働関連用語の一考察~
私たちが『働いている』上で、よく見たり聞いたりする用語があります。当たり前のことと看過せず、ちょっぴりその中身を考えてみると意外な発見があるかもしれません。
第6回:メンタルヘルスについて
私はサラリーマン時代、結構長期間人事や労務の仕事に携わったのですが、今から20年くらい前は、メンタル不調で長期休養に入るというような事例はほとんど見られませんでした。あっても比較的短期間で解決する(当該者が退職する)というケースが多かったように記憶しています。それが今や次から次へとメンタル不調による休業が広がっているので、正直なところ危機意識を抱いています。
メンタル不調の原因の多くが上司や同僚から受けるパワーハラスメントだと言われています。パワーハラスメントの難しい点は、『厳しい業務指導』との境目が見えにくいことでしょう。上司は一所懸命に指導をしているつもりでも、それが部下にハラスメントとして受けたられてしまうケースもあるでしょうし、上司自身自分がハラスメントの行為者だと気づいていないことだって多いのです。日本社会は労働者をハラスメントから守るため、法律の整備をしてきました。その効果もあってか、労働者は自身のメンタル不調を開示するようになり、普通に傷病休業の申請をするようになってきました。私が見る限りでは、労働者自身の『己の甘さ』を感じてしまうこともあるのですが、この流れはなかなか止められそうにありません。ハラスメントによるメンタル不調を労災申請するようなケースも増えています。平成時代の前期はメンタル不調による精神障害なんて申請してもほとんど労災認定などされませんでしたが、現在は約35%程度認定されています。一般の労働災害と比べれば低い認定率ですが、それでも年々この認定率は上昇してきているので今後もその数値はあがっていくでしょう。
非常に難しい問題なのですが、ハラスメントの問題が自分の前に浮上してきたら、まずは、自分だけの主観で物事を判断せず、周りから意見を聴きましょう。また周りの人も無視するのではなく自分の客観的意見を届けましょう。職場全体にサポートの対流意識が生まれれば、少しずつハラスメントを抑えていけるかもしれません。