団体訪問 NPO法人まちの塾フリービー(NPO活動資金助成)

2024 年 12 月 13 日(金)
【令和 6 年度 NPO 活動資金助成事業】
令和 6 年度杉並区 NPO 活動資金助成金を受けた特定非営利活動法人まちの塾freebee(以下フリービー)の教室を訪問しました。昨年度に引き続き、2 年目の助成金事業です。

フリービーは「勉強の仕方がわからない」「経済的に有料塾に通えない」「不登校で学習が遅れている」 など、様々な理由で学習に不安を抱える子どもたちをサポートするために、無料の学習教室を開いています。

旧杉並第四小学校の跡地を活用した施設、イマジナス(JR 高円寺駅北口から徒歩 5 分)で毎週金曜日 18 時 45~20 時 30 分に教室を開き、学習支援をしています。


昨年度とは会場も変えて、今年度は杉並区内の子ども食堂 2 団体と連携し、子どもたちの総合的な支援を試みています。それは、学習支援のみならず、孤食を避ける、学習前の腹ごしらえなど、学習環境向上のための新しいカタチの支援です。

訪問した日は第二金曜日で 16 時から 18 時まで「高円寺わくわく食堂」という子ども食堂が開かれる日でした。大人は 300 円、子どもは無料で、この日はウクライナの料理が提供されて大盛況でした。第一金曜日には、別の子ども食堂が、食堂ではなくおにぎりなどの食事を配布しているそうです。フリービーに参加した子の分も用意してもらえるのがありがたいと、フリービー代表の木村さんは仰っていました。

子ども食堂の片付けが終わると 18 時 45 分からフリービー教室が始まりました。この日は中学生 2 名、高校生以上 7 名が参加していました。日々の学習のため、高校受験、大学受験のため、学び直しをしたい、それぞれの理由でボランティアの方からマンツーマンで指導を受けていました。指導にあたっているのは教育経験のある地域のボランティア社会人講師の方々です。

代表の木村さんにお話を伺うことができました。
昨年と比べて今年は高校生以上の参加者が多く、大学等進学の為に活用してもらえるのは喜ばしいことであるものの、中学生より高校生に対する行政からの学習支援が足りていないではないか、と懸念もされていました。
高校生の頃から通っていて大学生になっても、引き続きレポートの書き方の指導を受けている子もいます。教室には通わなくなった中学生とも line でのやりとりは続いていて、学習の相談に乗っていることもあるそうです。
教室に足を運ぶのが難しい子とも繋がり続けを、学習の意欲を応援していきたい、とお話しされていました。

代表の木村さん(左)と指導ボランティアの方

今年は新しい試みを始め、良かった点に加えて改善点も見えたとも仰っていました。今後のご活躍にも期待しています。


文責・写真:有馬・大庭

NPO法人まちの塾フリービー ホームページ
https://machinojuku.com

団体訪問 NPO法人ハンド・ミー・ダウン(NPO活動資金助成)

2024年11月26日
【令和6年度NPO活動資金助成事業】
令和6年度杉並区NPO活動資金助成金を受けた特定非営利活動法人ハンド・ミー・ダウン(以下ハンド・ミー・ダウン)のイベントを訪問しました。

NPO法人ハンド・ミー・ダウン代表の井上さん

ハンド・ミー・ダウン(※1)は2019年12月から活動を開始し、2022年10月にNPO法人を設立しました。現役ママたちが運営している団体で、杉並区を中心に子ども服の交換イベントや頒布会を毎月開催しています。

令和6年度杉並区NPO活動資金助成金事業の「アップサイクル・カルチャー・イベントCLEANING DAY JAPAN IN SUGINAMI」は、11月26日、27日の2日間にわたり、セシオン杉並展示室で開催されました。



セシオン杉並に入るとロビーにはお子さんを連れた親御さんが多く、すでにイベントへの期待が感じられました。

会場入口で受付をして、右手にはベビー&キッズ用品無料交換会の「おさがりひろば」、中ほどには出店者によるアップサイクルワークショップ、ハンドメイドグッズ販売、ハンド・ミー・ダウンのプロジェクトでもあるFrom Kids(※2)ワークショップ、左手のガレージセールコーナーには全国の寄付者から集められた子ども服が並べられ、広い展示室は活気がありました。

会場ではお揃いの鮮やかなブルーのTシャツを着用した法人スタッフと、腕章をしたボランティアスタッフが運営をしていて、ボランティアスタッフのなかには1歳の赤ちゃんを前に抱っこしながら接客している姿も見られました。

参加者は子ども服の交換ができるコーナー(要予約)、ガレージセール、ワークショップコーナーでそれぞれ楽しんでいる様子でした。
右手の「おさがりひろば」では、デジタルでポイント管理が行われ、参加者が持ち込んだ子ども服の点数と持ち帰る点数を把握することで清算がとてもスムーズに行われていました。

中ほどのアップサイクルワークショップ「From Kids」コーナーでは、おさがりひろばで使用できない子ども服のハギレを活用した記念カードを作っていました。参加者のお子さんが色とりどりのハギレを貼り付け、クリスマスカードを楽しそうに作っていました

同じく中ほどのハンドメイドグッズ販売では、杉並区以外NPO法人からの出店も含め、複数の団体が廃材を活用したアップサイクルハンドメイドグッズの販売を行っていました。また、ハンド・ミー・ダウンは今回出店協力のNPO法人と日頃から繋がりを持ち、扱っている子ども服の年齢差があることから、それぞれにとって在庫の少ない物品の交換もしていて、相互に無駄のない交換を目指しているようです。


左手のガレージセールコーナーでは、各地方の賛同者からの寄附により、2列のハンガーにサイズごとに整然と並べられた子ども服や玩具、小物などが販売されていました。

会場のボランティアスタッフに伺いました。以前に何度かおさがりひろばへ来場したことから、ハンド・ミー・ダウンの活動に賛同して、都合の合う会場でボランティアとして活動するようになったそうです。このように活動に共感した人たちが仲間となっていることを実感しました。

法人スタッフにもお話を伺いました。『これらの活動の目的はリサイクル、リユース、アップサイクル等のエコの観念ですが、子育て中のママがおさがりひろばに来て、様々な年代のママと出会ったり、先輩ママの参加者やスタッフと子育ての悩みを話し合ったり、わからないことを相談したりする、つながりの場の提供を主な目的としている』とのことです。


ハンド・ミー・ダウンは、2025年2月にも同じイベントをNPO活動資金助成事業として開催します。お近くの方は是非お立ち寄りください。

(※1:ハンド・ミー・ダウン)
HP:https://h-m-d.org/
Instagram:https://www.instagram.com/hand_me_down1995/

(※2:FromKids)
https://h-m-d.org/fromkids/

文責・写真:小林(繁)

団体訪問 阿佐谷南きずなサロン虹

2024年9月13日(金)、コミュニティふらっと馬橋の「阿佐谷南きずなサロン虹」にお伺いしました。

「きずなサロン(※1)虹」は、小さいお子さんから高齢者の方まで、みなさんが気軽に立ち寄り、サロンでお茶を飲み会話を楽しみ情報を得て、友だちを見つけ、顔見知りを増やし、ご近所のきずなが広がることを願って、毎月1回、第2金曜日にコミュニティふらっと馬橋で活動しています。

コミュニティふらっと馬橋外観
阿佐谷南きずなサロン虹の2024年11月チラシ

毎月のイベントで作成するものが異なります。毎月チラシを作成して、区や地域の掲示板などに貼付して地域の方々にお知らせしています。
※最新のチラシは、会場であるコミュニティふらっと馬橋内の掲示板をご覧ください。

お伺いした日の参加者は9名、スタッフ9名が集まっていました。

スタッフの皆さん

今月は、毛糸のハート型のポンポンストラップを作成。スタッフの方に教わりながら、何色の毛糸にしようかと嬉しそうに選んだり、丸い形のポンポンをハート型にカットしたり、参加者は皆さん楽しそうに作成していました。
作成後は、お互いの完成品を見せ合いながら写真を撮り、その後、コーヒーを飲みながら、おしゃべりに花が咲いていて、とても和やかな雰囲気でした。

「きずなサロン虹」を、中心になって運営している高橋さんに活動のきっかけなどをお聞きしました。

この団体の活動は2011年東日本大震災の後に災害時に地域での顔見知りを増やしていこうと言いう観点から、杉並区社会福祉協議会のご支援をいただきながら民生委員4人を中心にスタートしました。初めは阿佐谷地区で活動をしていましたが、2018年に高円寺地区へ移って、現在ではコミュニティふらっと馬橋で活動しており、スタッフは12名(内民生委員とOGを含めて9名、地域の人3名)で運営しています。

スタッフは、その日の様子をそれとなく見守り、人と人との話の橋渡しなどを心掛けているそうです。

参加者からの協力金、杉並区の長寿応援ポイントの収入などで運営しています。他にも、社会福祉協議会からの「特技さん(※2)」の仕組みを使って、マジックショー、ハンドマッサージを行っています。

参加者の方にお話をききました。

・毎月、何を作成するのか楽しみにしています。

・毎月、できるだけ参加するようにしています。お友だちと会ってお話しするのが楽しみです。

との声があり、地域の居場所の一つになっているのだと思いました。

また、この日、参加者のお一人が手作りの素敵なネックレスを身につけていて、これも「きずなサロン虹」で作ったものだと教えてくれました。そして、そのネックレスは、過去に自分が療養中で参加できなかった時に、顔馴染みの参加者の方が作ったものをプレゼントしてくれたものとのこと。とても嬉しそうにお話しされていて、参加者同士の「きずな」があることを目にしました。

現時点の課題としては若い人たちにも参加を促していきたいとのことです。 今後も、多世代への活動の周知など、プラザとしてできることを考え、お手伝いをしていきたいです。

参加者とスタッフの皆さん

※1「きずなサロン」とは・・・杉並区社会福祉協議会が支援している、誰でも気軽に立ち寄れ、ふれあい、交流をする場です。きずなサロンの活動を通して、地域の方々の輪が広がり、支え合える関係ができることが期待されています。
杉並区の各所にありますので、詳しくは以下のリンクからご覧ください。https://www.sugisyakyo.com/suishin/kizuna.html

※2「特技さん」とは・・・杉並区社会福祉協議会の杉並ボランティアセンターが派遣している、人より秀でた特技があり、披露していただける方、または、特技を人に教えることができる特技ボランティアさんです。
https://www.borasen.jp/service/06

「阿佐谷南きずなサロン虹」の問い合わせ先は以下の通りです。

杉並区社会福祉協議会(電話 03-5347-1017)
コミュニティふらっと馬橋(電話 03-3315-1249)

【交通アクセス】コミュニティふらっと馬橋

住所:〒166-0003 杉並区高円寺南3丁目29番5号

東京メトロ丸ノ内線「新高円寺駅」徒歩10分
JR中央線・総武線「阿佐ケ谷駅」「高円寺駅」徒歩12分
都営・京王バス(渋谷駅・阿佐ケ谷駅間)「西馬橋」下車徒歩7分(青梅街道)

団体訪問 すぎなみ紙芝居一座「すかい」

2024年10月12日(土)、永福町駅屋上庭園ふくにわに、すぎなみ紙芝居一座「すかい」の紙芝居口演を見に行ってきました。

京王井の頭線永福町駅 屋上庭園「ふくにわ」

『すかいの合言葉~地域に伝わる昔話を知れば地域が好きになる』

こんな素敵な合言葉を持つ、すぎなみ紙芝居一座「すかい」は、主に杉並の昔話を、手作りの紙芝居で読み聞かせる活動をしています。郷土の説話・伝承にもとづいた話は、大人にも好評です。

この日は、久しぶりの口演でした。屋上庭園という立地から、真夏の7月から9月まではお休みをしていました。4か月ぶりとなるこの日は、秋晴れの空のもと、幼児から小学生までのたくさんの親子連れが集まっていました。

永福町にまつわる話など、全部で5つの紙芝居が口演されました。「にんじん、ごぼう、だいこん」「大きい魚、小さい魚」「永福稲荷のお告げハト」「あまんじゃく」「招き猫」です。抑揚のある読み方や身振り手振り、体を大きく動かしながらの口演は、聞き手を惹きつけます。

途中にクイズを挟み、クイズに正解すると、お菓子を貰えます。子どもたちの気分転換になり、工夫が凝らされた進行になっていました。

この日は、すぎなみ協働プラザの職員が作ったバルーンアートも景品として寄附しました。プラザ職員のバルーンアートは、11月に参加予定のすぎなみフェスタに向けて練習をしているものでした。お菓子とともに、これらのバルーンアートをクイズの正解者に配り、保護者も「すごい!かわいい!」と喜んでくれる姿に、こちらも嬉しくなりました。

紙芝居口演は、出入りは自由なので、子どもが飽きてしまって途中で帰る親子もいましたが、中には、毎回来ている常連の子もいて、「もうすぐ、いつものクイズやるかな?」とわくわくしながら聞いていました。

この日、日差しが強く少し汗ばむくらいでしたが、からっとした気候で、心地よく、終了後も子どもたちはベンチでお菓子を食べたり、線路を走る電車を見たり、大人たちはベンチに腰かけ、のんびりと秋晴れを楽しんでいる様子でした。

「すかい」東島信明さん
「すかい」座長:那須克彦さん

終了後、片付けの途中でも子どもが来ると、マンツーマンで紙芝居を披露するなど、一座の地域の子どもたちを想う気持ちに胸が熱くなり、ますます応援していこうと思いました。

すぎなみ紙芝居一座「すかい」の紙芝居は、毎月、第2土曜日にふくにわにて開催されています。ぜひお散歩がてら、紙芝居を見に行きませんか?


すぎなみ紙芝居一座「すかい」ブログ  https://ameblo.jp/suginami3jp/

文責・写真:大庭

施設訪問 コミュニティふらっと本天沼(受託業者:NPO法人 障害者就労支援センター どんまい福祉工房)

2024年9月27日(金)、コミュニティふらっと本天沼内覧会に行ってきました。

運営団体は、すぎなみ協働プラザの登録団体でもある、NPO法人障害者就労支援センター どんまい福祉工房です。どんまい福祉工房は、主に、障がいのある方の就労支援事業を長年行ってきており、高円寺の「café Roost」や井荻での「どんまい福祉工房・分室」を運営しながら、杉並区立の施設、ゆうゆう天沼館、ゆうゆう荻窪東館、コミュニティふらっと馬橋を受託運営しています。地域をフィールドにした事業を展開し、利用された皆さんがその中で生き生きと働き、生活できる『地域づくり』や、地域でのインクルージョンの実現を推進している団体です。

閑静な住宅街にたつコミュニティふらっと本天沼の入り口

今回訪れた、コミュニティふらっと本天沼は、本天沼区民集会所を改修、整備して、2024年10月1日(火)にリニューアルオープンしました。建物は地上2階建て、第1~5集会室、多目的室、ラウンジがあります。多目的トイレは1階に、通常のトイレは1階2階両方にあります。

1階の多目的室とラウンジから見せていただきました。
多目的室は、館内で一番広い貸室となっています。卓球台も倉庫に常備していて、壁に大きな鏡も設置されているので、軽い運動もできる広々としたスペースです。

靴を脱いであがる多目的室。壁面には大きな鏡が設置されている。

同じく一階にあるラウンジには、丸テーブルと窓際に横長のデスクが置かれ、グループでの歓談や打合せから、勉強や読書をする個人の方も利用しやすい造りになっていて、窓からは緑の木々が見え、ほっとさせてくれます。ラウンジのヘリンボーン柄のフローリングはとてもとてもおしゃれで印象的でした。

歓談や勉強に利用できるラウンジ

1階ロビーとラウンジにはWi-Fiが通っているので、ラウンジでのパソコン作業も可能です。それ以外の部屋でWi-Fiを利用したい場合は、ルーターをレンタルしてWi-Fiを利用することができます。

次に、階段を上がって2階へ。2階には第1~第5集会室があります。
第1集会室は防音になっており、アップライトピアノと譜面台も常備されていました。

防音の第一集会室

第2~5集会室には椅子・テーブルが常備されているので会議室としても利用ができ、第2.3集会室は一体型利用が可能です。また、壁面に鏡のある部屋では、鏡を利用してヨガやストレッチ等、軽い運動の講座としても利用できます。


2階には、湯沸かし室があり、ここを授乳室として利用することも可能です。(※ご利用の場合は受付へ)

建物は昔のままですが、内部の壁、床は全てきれいに貼り替えられており、ライトは優しい白熱灯のような色合いで、シックな明るさが、全体的に落ち着きのある雰囲気を醸し出していました。

外には駐輪スペースもあり、閑静な住宅街にあることから交通量も少なく、子どもが一人で行くにも安全だと感じました。

2024年10月20日(日)には、『コミュニティふらっと本天沼オープニングイベント』が開催されます。イベントでは、天沼中学校生によるスタンプラリーも開催される予定で、地域に密着したイベントとなっており、運営団体であるNPO法人どんまい福祉工房の理念『地域づくり』を実践していると感じました。

地域の人が“ふらっと”立ち寄れる場所「コミュニティふらっと本天沼」に、皆様もぜひ足を運んでみてください。

オープニングイベントチラシ
コミュニティふらっと本天沼 10月の予定

文責・写真:大庭

施設案内 コミュニティふらっと本天沼

https://www.city.suginami.tokyo.jp/shisetsu/katsudo/flat/1094323.html

・住所:〒167-0031 杉並区本天沼2-12-10
・電話 03-5310-4633
・利用時間 9:00~21:00
・休館日 第1・第3月曜日、年末年始(12月28日から1月4日)

【交通アクセス】

JR中央線、東京メトロ丸ノ内線「荻窪駅」(北口)から徒歩15分

JR中央線、東京メトロ丸ノ内線「荻窪駅」(北口)から関東バス3番のりば(練馬駅、白鷺1丁目、中村橋駅、阿佐谷営業所行き)で「天沼小学校」または「稲荷横丁」下車、徒歩3分

西武新宿線「下井草駅」(南口)から関東バス(荻窪駅行き)「日向橋」下車、徒歩8分