【団体インタビュー】ADDS

自閉症などの発達障がいのあるお子さまと、その保護者のサポート、セラピストの育成、自閉症体験ワークショップなど、発達障がい児の療育(治療教育)において幅広く活動している『NPO法人 ADDS』の大熊さんにお話を伺いました。

-ADDSのお名前の由来を教えてください。
Advanced Developmental Disorders Support.「先進的な発達障害支援」の頭文字です。「Advanced」は「高度な・先進的な」という意味ですが、私たちは研究成果に基づく手法を選択し、お子さまに質の高い療育支援を提供するとともに、法人でも研究活動を行い、その成果を社会へ発信する活動も行っています。また「Advance」には「前進」という意味があり、自閉症などお子さまの発達に心配や不安を持っている全ての方への後押し、前向きな気持ちにする。という想いも込められています。

-コロナ禍で、どのように活動をされていますか。
対面での療育が必要な場合、消毒・換気・マスク着用、距離を取るなど感染対策をしています。また自治体と協議を重ねながら、小さいお子さまを連れて通所することが難しいご家庭を対象に、オンラインで療育を提供することにも取り組んでいます。保護者向けの集合研修も、事前に動画教材を視聴いただき、当日オンラインでワークショップを行うなどしています。さらに、コロナ禍で乳幼児検診が休止になったり、自治体の相談窓口へ出向くハードルが高くなってしまった状況を受け、全国どこからでも発達に関する相談ができるサービスの開発を始めました。

-コロナ禍において、孤立やストレスを感じているご家族へ、どのようなアドバイスをされていますか。
オンライン発達相談では、利用された方から「子どもの成長が心配でしたが、話を聞いてもらって安心した」「対面相談でなくても、子どもの対応を具体的に教えてもらって参考になる」と感想をいただいています。
またホームページには「STAY HOMEヒント集」を載せました。お家時間が増えているいま、発達障がいがあるなしに関わらず、すべてのお子さまに「STAY HOMEヒント集」がお役に立つのではないでしょうか。大切なことは「人とつながる」ことです。直接会えないときはネットや電話などで、身近な人と、ゆるく・楽しくつながることが、孤立やストレスを感じることなく、お家時間を過ごすコツになります。

-子どもが発達障がいかもしれないけれど、相談しても良いのか、一人で不安を抱えている保護者にメッセージをお願いします。
「検診で心配になることを言われた」「個性なの?障がいなの?」「こんな些細なこと聞いていいのかな?」そのちょっとした「気づき」がとても大切です。ひとりでモヤモヤしている、とても不安、そんなときお気軽にご相談ください。

-オンライン事業の立ち上げに際し、クラウドファンディングをされましたね。
発達支援が必要なお子さまは、支援が滞るとそれだけ発達の機会が大きく失われることになります。コロナ禍で外出を自粛して通所が難しいご家庭のために、早急に療育と相談にオンラインを導入することが必要でした。そこで、この夏クラウドファンディングで支援金を募ることにしました。クラウドファンディングでは150人近くの方にご賛同いただき、目標金額100万円を大きく上回る支援金が集まり、開発を進めることができています。
2021年1月には新たなオンライン発達相談サービス「kikotto」β版を発表しました。お子さまの発達について相談先を探している方がいらっしゃれば、ぜひご紹介いただければと思います。https://www.adds.or.jp/sodan/

-今後めざしていることを教えてください。
ホームページのコンテンツを増やして、役に立つ情報をもっと発信していきたいです。また今のオンライン療育及び相談では利用者にも機材の準備が必要になりそれが負担になるので、より身近なLINEを使って簡単に利用できるようにしていきたいです。お子さまの発達障がいの悩みを抱えている、より多くの方に、支援を受けやすい環境づくりを続けてまいります。

-今回プラザの交流会に参加していかがでしたか。
子育て中の多くの方にADDSの存在を知ってもらいたい。その活動をどうするかという課題がありました。そんななか、この交流会で「NPO法人 きずなメール・プロジェクト」さんとの出会いがありました。妊娠中・子育て中の親を“孤育て”させない、というコンセプトで、子育てに役立つ情報をLINEやメールで発信し、応援している団体です。今後、協働でできることはないかとお話をしているところです。
このように、杉並の子育て・地域活動をされている団体に、ADDSの活動を知ってもらいたい、近くに子どもの成長で悩んでいる人がいたらADDSのことを伝えてほしいと思ったので、交流会に参加してよかったと思いました。

ADDSさんの取材を通して、コロナ禍において新しい生活様式へ変わるため、子育ての場でも新しい支援方法が必要とされていることを知りました。いち早くネット支援の環境を整えたADDSさんの活動が、これからの地域活動の参考になればと思います。

すぎなみ協働プラザでは、オンラインでの会議や講座開催の支援として「Zoom基本講座」を開催してきました。今後もオンライン活動向けの講座をはじめ、あなたの地域活動のお手伝いになる講座を開催していきますので、ご活用ください。

特定非営利活動法人ADDS
〒167-0051 東京都杉並区荻窪5丁目16-14 カパラビル5F
https://www.adds.or.jp/  

文責  すぎなみ協働プラザ 大久保

【団体インタビュー】チャイルド・ファンド・ジャパン

 特定非営利活動法人チャイルド・ファンド・ジャパンは、1975年より、アジアを中心に貧困の中で暮らす子どもの健やかな成長、家族と地域の自立を目指した活動をしている団体です。
 今回、団体の支援内容や支援地域の状況、杉並区内で行っている「杉並区民の手でネパールに学校を!」キャンペーンの内容などについて、コミュニケーション・マーケティング部 藤井 翼さんにお話を伺いました。

 

― 団体の活動内容、支援地域の状況を教えてください
 フィリピン、ネパール、スリランカの3カ国の貧困の中で暮らす子どもたちの経済的、内面的成長、衛生面、教育の支援などを行っています。
 国や地域によって状況は異なりますが、学用品や制服の用意ができず学校に通えなかったり、仕事の手伝いをせざるをえなくて学校に通えなくなってしまった子どもたちが、しっかりと学校に通い、将来の可能性を広げていけるようにしています。
 また、リーダーシップ研修なども行い、自信を持って社会へ羽ばたいていくことができるようにしています。
 現在は、新型コロナウィルスが支援地域でも蔓延していて、例えばフィリピンでは、依然として対面授業が再開できていません。地方を中心に医療体制が十分とは言えない地域も多く、貧困の中で暮らす子どもや家族という弱い立場の人々は、パンデミックで大きな影響を受けます。こうした子どもたちへ、マスクや非接触型体温計の支給、手洗い研修などもしています。

チャイルド・ファンド・ジャパンが支援したマスクをつけるネパールの子ども

他にも、国内で緊急復興支援を行っています。直近では、一昨年の台風19号で大きな被害に遭われた長野県の被災者の方々に、子どもには学習などのサポートを、高齢者の方々に対してはストレスを緩和するために傾聴活動を行いました。

― 杉並区内で行っている「杉並区民の手でネパールに学校を!」の内容を教えてください
 杉並区と連携したキャンペーンで、区民の皆さまから書き損じハガキを送っていただき、その収益でネパールに学校建設をしています。毎年12月にスタートし、年明け2月末までキャンペーンを行っています。
 このキャンペーンを開始したのは10年前になります。杉並区に事務所を置いているので、区民の皆さまと一緒に活動ができないかと考えていました。いきなり寄付をお願いするのはハードルが高いと考え、当時から実施していた書き損じハガキの回収を思いつき、区役所の後援を得て、教育委員会をご紹介していただき、学校へ告知することができるようになりました。こうして昨年は10年目を迎え、杉並区長をはじめとする関係者の皆さまをお招きした記念懇談会を行いました。
 これまでに2,200名以上の皆さまにご協力いただき、6つの学校を建設しました。建設した校舎には、なみすけのマークがついています。

なみすけが入った校舎の前で写真を撮る子どもたち

ネパールでは2015年に大地震があり、耐震性の高い校舎の建設が重要な課題になっています。
杉並区民の皆さまのご協力は、子どもたちの命を守る安全な学校を作り、学ぶ環境を支えています。

― 杉並区では他にどんな活動をされていますか?
 2020年11月から、阿佐ヶ谷駅前で、支援募集キャンペーンを行っています。

 普段はホームページなどで広報を行い、支援してくださる方を募集していますが、団体の顔が見えず、活動内容や支援方法、信頼できる団体かどうか、十分にわからないこともあるかと思います。対面でのキャンペーンでは、スタッフが団体の説明を直接いたしますので、見かけたら、ぜひ声を掛けてください。
(※緊急事態宣言等により、実施していない場合もあります)
 また、2020年6月には、スタッフがJ:COM杉並の「杉並人図鑑」に出演させていただき、今後の活動への想いなどを語りました。
 杉並区の小学校での出前授業で、子どもたちに、支援地域の様子や私たちの活動についてお話しをさせていただいたこともあります。

― 今後、地域とどのように繋がっていきたいですか?
 杉並でキャンペーンを継続しつつ、地域に貢献できるような交流、活動をしていきたいです。
 途上国の支援を行うNPOというと、自分たちの生活とは距離があり、遠い存在に感じたり、ハードルの高い団体に思えたりするかもしれません。ですが、そんなことはありません。私たちは、子どもを大切にし、成長を支えようとしていて、それは、皆さんが自分の子どもや身の回りの子どもたちの成長を見守る気持ちと一緒です。皆さんと一緒に「杉並から世界の子どもたちを支える」ことができればと思います。

【スタッフからの感想】
 今回、インタビューさせていただいた藤井さんに、チャイルド・ファンド・ジャパンに入られてから心に残っていることは?とお聞きしたら、「支援者の方々の温かい想い、そしてそれを受け取り親しみと感謝を惜しまない現地の子どもたち、両方の想いの橋渡しの一端を担っているということにやりがいを感じています」と話されていました。
 すぎなみ協働プラザでも、地域に貢献できる交流、活動をしていきたいというチャイルド・ファンド・ジャパンのお手伝いをさせていただきたいと思っています。そして地域の皆さまのお役に立てるような橋渡しをしていきたいです。

ChildFund Japan チャイルド・ファンド・ジャパン

特定非営利活動法人 チャイルド・ファンド・ジャパン
〒167-0041 東京都杉並区善福寺2-17-5
TEL 03-3399-8123/FAX 03-3399-0730
URL https://www.childfund.or.jp/

文責 すぎなみ協働プラザ 椎野

【団体インタビュー】ワークサポート杉並 

ワークサポート杉並(正式名称:公益財団法人 杉並区障害者雇用支援事業団)は杉並区が出資して作られた、障がいのある方の就職支援をしている公益財団法人です。障がいのある方が働くことで自立し、安心して暮らせる地域づくりに貢献していくことを理念としています。 

ワークサポート杉並には、すぎなみ協働プラザから発行している広報紙「すぎプラ通信」の発送作業を依頼しています。11月に発送した「すぎぷら通信」も3名の方に発送作業に関わっていただきました。サポートスタッフの茂木さん、服部さんにお話を伺いました。 

広報紙発送作業の様子

―活動について教えてください 

団体の目標として次の三点を掲げています。 

「地域の中で障害者就労支援のための環境づくりを進める」 

「施設、学校からの就職に向けた取り組みを支援する」 

「障害者一人ひとりに適した、オーダーメードの就労支援を実施する」  

「ワークサポート杉並」ホームページより

私どもワークサポート杉並には様々な利用者の方がいて、一人ひとりの適性も違います。そのため幅広い作業が提供できているのではないかと思います。継続した就労のため日々の訓練だけではなく、様々な場所に実習にも行きスキルアップにつなげています。区外に出かけることもあります。普段とは違った環境で学び取れることが実習の場では多くあり、思わぬ力が発揮出来たり、発見もあります。また、スタッフは運営機関主催の研修にも参加しています。 

―3つ目の目標「オーダーメードの就労支援」に向けてはどのように取り組まれていますか? 

スタッフと利用者との信頼関係を築くことをいちばんに心がけています。そのために日々のコミュニケーションをとても大切にしています。 

今年は4~6月は依頼がなく、活動も停滞していました。その間、利用者の方が活動を止めることなく、在宅支援で何が提供できるだろうかとスタッフ間で協議をしました。こんな時だからこそ、新しいこともやってみようと、メールやzoomを使っての面談も始めました。 

—先日すぎなみ協働プラザでの異業種交流会に参加していただきました。他団体の方との交流はいかがでしたか? 

皆さんこのコロナ禍においても利用者の方の今必要としていることを考え、工夫されて活動を続けておられて感心しました。それを伺って、私達もこちらに合わせてもらうのではなく、利用者に合わせた、必要とされる活動を提供していくことが大事だと感じました。 

交流会で知り合えた団体さんとも今後の活動で関わりを持ちたいと思っています。 

—今後の課題はどんなことですか? 

継続した就労支援をするためには利用者の方の活動と実習の場を増やしていていきたいです。 

そのために、活動をより多くの方に知ってもらいたいと思っていますので他団体と合同で企業の方をお呼びしてお話を聞いてもらったり、直接活動を見てもらうこともあります。企業など外部の方とは、様々なメディアを使いリモートでのやりとりはしていますが、やはり最終的には人と人とのつながりには、できれば直接会ってお伝えしたいと感じています。 

区内団体間につながりを持つことで新しい活動が見えてくる、結果としてお互いに助かることがあると思っています。 

今回作業に来られたのは3名の利用者の方です。作業中の様子も拝見し得意な作業についてなどお話を伺いました。今回の広報紙発送の作業では部数の確認、発送先の仕分けをしていただきました。皆さん責任を持って丁寧に作業をされていると感じました。 

ご参加いただいた交流会のような場を経て利用者の活動が広がるきっかけになれるよう、すぎなみ協働プラザは今後もお手伝いをしていきたいと思います。 

ワークサポート杉並(公益財団法人 杉並区障害者雇用支援事業団

住所:東京都杉並区高井戸東4-10-26(杉並障害者福祉会館1階)
電話:03-5346-3250

ホームページ https://sugi-jigyodan.or.jp/

撮影・文責 有馬

【団体インタビュー】RTF教育ラボ 村上さん

任意団体「RTF教育ラボ」は、地域・学校・保護者および学校教員・教員志望者の方々へ、より良い未来へのサポートを行っている団体です。

今回、代表の村上敬一さんに、団体設立や活動への思い、そして、講座や勉強会などの内容についてお話を伺いました。

任意団体「RTF教育ラボ」 村上敬一さん

― この団体を作られたきっかけはなんですか?

自分が学生の頃、学校の授業がつまらなかった、授業をしている先生たちも楽しそうではないと感じたのがきっかけでした。
15年ほど前に、子どもたちだけではなく、教師も楽しめる学校を作りたいと思い、教員志望者の方々に同じ志を持ってもらいたいと勉強会を立ち上げました。その後、現職の教員向けの勉強会・講座や地域活動も行うようになり、今の「RTF教育ラボ」という団体になりました。

― 団体を立ち上げてから、嬉しかったこと、心に残っていることはありますか?

毎日が「嬉しい」の連続です。日々新しい出会い(児童生徒、保護者、地域の方々)があり、本当に刺激的です。特に今年になってからは、オンライン(Zoom)を利用した新しい講座や小児科×教育のコラボセミナーなどを行う機会も作れました。



その中で、一番心に残っていることは、
今年2020年10月1日に『授業づくりの診断書』という書籍を出したことです。この書籍は、「RTF教育ラボ」にとっての我が子のような存在です。私だけでなく、RTFのメンバー全員が携わり、団体として出版できたので、心に残っています。

 

 

― この書籍は、主に先生向けに作られたのでしょうか?

そのつもりだったのですが、先日、読者の方から、子育てにとても役に立ったというお話を聞いて驚きました。勉強ができる子は、学校のチャイムが鳴る前に授業の準備を整えています。それがルーティンとなり、家で宿題などの勉強をする時にもこの行動が当てはまってくるのです。時間を決めて勉強を始めることはもちろんですが、その前に、「やるべき課題を準備すること」がとても重要です。準備には「意識や心構え」も含まれます。

― 経歴を拝見させていただきました スーパーティーチャーとはなんでしょうか?

自治体によっても違いがありますが、スーパーティーチャー事業というプロジェクトがありました。当時私が呼ばれた南相馬市の場合は教育委員会の予算の中で、授業が上手いと言われている先生を年に数回学校に呼び、児童や生徒へ授業を行い教員が見学するプロジェクトでした。その際、スーパーティーチャーとして私が南相馬市の小学校に呼んでいただいたということです。

今の日本の制度では、小学校の教員免許だけだと、中高生を教えられません。本来であれば、いろいろな年齢の子どもたちを教えていくことが必要なのに、それができないのです。 今は、特色ある学校づくりの予算が各学校に振り分けられ、外部講師を呼んで授業ができるので、現在私は、杉並区では杉並第九小学校で4~6年の算数を教えています。他地域では中学生・高校生・大学生へも授業を行っています。

― 年間、小さな子どもを持つ保護者向けから、教職員志望者向け、地域向けなどたくさんの講座や勉強会を開催されていますね
最近ではどんな内容の講座を開催されているのか、いくつか教えてください。

先日は、方南エリアで地域、保護者向けのプログラミング教育の講演会&パネルディスカッションを開催しました。また泉南中学校の地域の方々には、青少年委員主催で地域づくりの講座「今後必要になってくるチカラとは?学校・地域・家庭の交流を考える機会」もオンライン(Zoom)で行いました。
阿佐ヶ谷中学校でも、12/19の道徳公開講座の講師をする予定です。

― オンライン活用術の勉強会も開催されていますね
杉並区の教育現場のオンライン活用状況はどのような感じでしょうか?

人間関係とルールが両立するように、オンラインの活用と個人情報の保護とは並列しています。杉並区は、情報の流出やトラブルを防ぐという保護の方を優先している区で、ITのセキュリティが高い区だと思います。現在はセキュリティを重視しマイクロソフト社Microsoft Teamsを活用する予定のようです。

― 今後、地域の方々とどんな関りを持ちたいですか?

これまでも、地域活動、道徳、キャリア教育やプログラミング教育など、依頼されて行ってきました。テーマは違っていても、地域が求めていることの根本は同じなのです。ベースには、世の中の諸問題があります。なので、依頼をされたら、時間が許す限りどんなテーマでも引き受けたいと考えています。

- 今後の予定や、目標などをお聞かせください

講座などは、手段、方法であって、目的ではありません。地域・学校・家庭それぞれではどうにもできないことがあるので、三位一体となって協働し、楽しい状態を作っていきたいです。
まず、みんながハッピーになれる杉並区を作って、近隣の区に、そして東京、日本、それが世界へ・・・本当の意味でグローバルになっていけば良いなと思っています。 そして、学校の先生たちと子どもたちが、楽しく一緒になって成長できるようになったとき、未来の子どもたちも楽しい大人になると信じています。

【スタッフからの感想】

今回のインタビューを通じて、村上さんの活動への熱い思いを知ることができました。教育のことだけではなく、地域との繋がりも大切にして活動されているとのこと、一つの事だけではなく広い視野で活動することの大切さをあらためて気付かされました。 地域・学校・家庭、その3つの連携が必要だと言われています。これからも、橋渡し役としてますますご活躍されることでしょう。

【教育総合プロデュース RTF教育ラボ】
https://goseminarcourse01.wixsite.com/rtfkyouikulab


文責 すぎなみ協働プラザ 椎野

【団体インタビュー】 千日紅繁和会-花のある商店街-

千日紅繁和会(せんにちこうけいわかい)さんは妙法寺門前通り商店街の活気を取り戻したいと活動されている団体です。代表の山田重子さんにお話を伺いました。 

千日紅繁和会の代表、山田さん

―活動をはじめられたきっかけを聞かせてください。 

いただいた鉢植えを家の中だけでは飾りきれずに、外にも出してみましたところ、声をかけてくれた人がいました「花がある商店街っていいですね」普段は挨拶もなく過ぎていく人が、花があることで話しかけてくれたのです。 

その頃、商店街会長をしていた主人がシャッター街になっている通りをなんとか元気にしたい、と考えていたところでした。それなら商店街に花を置いてみようと思いました。毎日水をやり、花が元気になっていくのを見ると私自身も元気になれると感じていたからです。育てていた千日紅をイベントで提供することも思いつきました。 

花を通して人は元気になれる、人と繋がることができる、商店街も元気なってほしい、と思ったのが始まりです。 

―活動をともにしているのはどんな方たちですか?メンバーはどのように集まったのでしょう。 

身近な方を呼んで小さなお茶会をすることから始まりました。そこで私のやりたいことを話してみるとイベントのお手伝いなど助けてくれる人がいました。Facebookを始めて若い人の中に入っていくこともありました。やりたいと思うこと、ビジョンを共有できる人が仲間だと思っています。 

イベントには、町内会、学校のPTA・支援本部、いろいろなところから賛同してくれるボランティアの方が集まってくれます。 

小学校での千日紅刈り取り作業の様子

―今後の課題は?

このコロナ禍で、オンラインの活用と、組織の見直しが必要だと気付きました。 

イベントの中止が決まった時にイベント運営のボランティアの皆さんがオンラインツールを使って中止のお知らせなどを担ってくれました。メールなどに不慣れな私が連絡していたのでは、どれだけの時間がかかったかわかりません。オンラインが身近にある若い人達に助けられ、私も学ばなくてはならないと思いました。 

また、活動はイベントだけでなく、近隣の小学校での千日紅の配布、種まきや寄せ植え、ワークショップなどがあります。そのためには一年を通して、春には種をまき、苗を育て、ポットに植え替え、剪定、花壇への植え付け、という作業があります。その作業には時間もかかりますし、たくさんの人手も必要です。この作業にはその時々でボランティアの方が手伝ってくれますが、このコロナ禍で来ていただくこともできませんでした。 

今後も長くこの活動を続けていくためには、若い人を巻き込んだ組織を作らなくてはいけないと思っています。 

さらに人のつながりが増えていくことが、困っている人を助けることにつながり、安心して暮らせる街を作って行けるのだと思います。 

小学校での千日紅摘み取り作業の様子

インタビューの最後には育てている千日紅をたくさん見せていただきました。お花に囲まれた山田さんはインタビューでお話いただいたときとはまた違った柔らかい表情でした。 

帰り道、商店街を歩くと千日紅の鉢植えがあちこちに見られました。素敵なお花ですね、とつい誰かに声をかけたくなりました。 

インタビューを通してやりたいことが次々に沸いてくる山田さん。すぎなみ協働プラザでは、山田さんのような地域活動のアイデアを皆さんに発信していきたいと思っています。 

千日紅繁和会(せんにちこうけいわかい)
住所:東京都杉並区堀ノ内3-48-3
電話:(03)3311 0725(清水屋 山田宛)
ホームページ
https://sennichiko.jimdofree.com/
Facebook(フェイスブック)
https://www.facebook.com/sennichiko.myohoji/

撮影 中野
文責 有馬