単発講座 電子帳簿保存法の改正、インボイス制度勉強会 開催レポート

6月11日(土)NPO法人や地域団体、商店会の会計を担当されている方へ向けて、会計講座が開催されました。

この講座は、2022年1月1日より電子帳簿保存法の改正が施行され、2023年10月1日にはインボイス制度が導入されますが、国税庁のサイトを見てもどちらの制度も内容が難しく、わからなく不安が多いとの声を聞き、開催しました。

公認会計士・税理士で、NPO会計税務専門家ネットワーク理事の加藤俊也先生が不安点を解明し、押さえておきたい基礎知識を教えてくださりました。

参加者は会場7名、オンライン28名で大盛況の講座でした。


【電子帳簿保存法】
所得税法・法人税法において保存が義務付けられている帳簿書類について、一定の条件を満たしたうえで、電子データによる保存を可能とすることと、電子データで送付・受領した請求書等の電子保存を義務付ける法律が定められました。さらに2022年1月から改正されたのを受け、対象者の確認や強制措置の対処法、注意点などを学びました。

参考
国税局:改ざん防止のための事務処理規定を定めて守る
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/0021006-031.htm

国税局:電子帳簿保存法の概要のページ
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/02.htm


【インボイス制度】
 仕入先に対し、税率と税額を正確に伝えるために、従来の区分記載請求書に必要事項を追記した請求書のことです。そこで登録業者になる場合と登録業者にならない場合の消費税の流れを学びました。
インボイス制度で登録業者になると課税業者となり、取引先が免税事業者だと売上消費税から仕入消費税を引いて申告ができなくなります。しかし経過措置もあり、5,000万円以下の課税業者であれば業種により簡易課税を適用することもできます。それでも仕入業者が免税事業者だと多額の消費税の納税が必要となるようです。
課税事業者になるか、取引先の選択や価格設定の交渉など、事業者内部での検討が必須となってくることを学びました。

参考
中小企業・小規模事業者のためのインボイス制度対策
https://www.jcci.or.jp/chusho/202203invoice_booklet.pdf

オンラインと杉並区役所分庁舎との2会場方式での開催だったので、オンラインで参加の方には、受講しにくい場面もありましたが、

参加者の皆さまからは、

・具体例が身近でわかりやすかったです。
・実務に活かせるヒントを頂くことが出来ました。
・当団体は消費税を簡易課税で申告しています。サービスの相手が一般消費者なので、登録しなくても良いと理解しました。
・公認会計士の説明が行政と現場の両方からの視点で説明をされていたので、解りやすかったです。

とのお声をいただきました!

これからの団体活動で、スムーズな会計業務のお役に立てるようでしたら嬉しいです。
また、何かご質問などございましたらご相談ください。

【ITツール相談】
すぎなみ協働プラザでは、地域活動に関するITツールの相談を承っております。
対象:杉並区で地域活動を行っている団体・個人
●お申込み方法
Googleフォームまたはメールでお申込みください。
Googleフォーム:https://forms.gle/LBD76iZ6Yrsg5QGd9
メール:sanka@nposupport.jp

交流会&3分プレゼン 開催レポート

すぎなみ協働プラザで、2022年3月11日(金)に交流会&3分プレゼンを開催しました。

30名の地域活動をしている団体や企業にお集まりいただき開催しました。

アイスブレイクでは、PRシートを使って自分たちの団体や自分の関心毎などを伝えて自己紹介。久しぶりのリアル開催にも拘らず、盛り上がって中々時間では終われないほどでした。

メインの内容である3分プレゼンは、9団体の方に「地域団体のみなさんへ!私たちができること・共に挑戦したいこと」をテーマにお話しいただきました!

登壇した団体さんの動画はこちら!

ともちゃんプロジェクト
NPO法人 DANKAIプロジェクト
杉並まちづくり交流協会
LTC友の会
NPO法人 竹箒の会
一般社団法人地域防災コーディネーター育成機構
NPO法人 グローイングピープルズウィル
NPO法人 SIGN
株式会社ジェイアール東日本都市開発

参加者した方からは、「4半期に一回くらいの割合でやってもいいと思います。」
「直接出会う場は貴重ですね。その先は自分でアクションする必要があります。」
「区でさまざまな活動団体があることを知りとても参考になりました。ありがとう
ございました。」という嬉しい声を頂く一方、フリートーク(自由離席、自由移動
でトークテーマ無し)は難しい、プレゼン時間の短さについてご意見を頂きました。

防災、子育て、障がい、まちづくり、地域センター協議会や不動産企業など
幅広い分野の団体の方にご参加いただきました。分野の垣根を超えて繋がることで
新たな解決策が見つけられる機会として、今後も開催していきます!

※1月の実施が延期になり、3月13日に開催をいたしました。1月参加予定の方等で参加が埋まってしまい、全体周知を行なわずに開催させていただきました。ご案内を待っていた方、申し訳ございませんでした。

イントロカフェオンライン ~若者支援を知る~ 開催レポート③

③若者の”やってみたい”を応援する ~狭山市×高校生 yumeプロジェクトの事例等から~

イントロカフェは様々なテーマの話を聞き、社会課題や地域活動を知るキッカケの場。スピーカーを招いて、話を聞いたり参加者も含めて話ができる企画です。

11月に3回開催のイントロカフェオンライン、

第3回目は「若者の“やってみたい”を応援する~狭山市×高校生yumeプロジェクトの事例等から~ をテーマにアクトインディ株式会社 新規事業開発部の石川大晃さん、yumeプロジェクトに参加している高校生の代表で池上彩音さん、インターン生の居橋勇祐さんとリレー形式で3人からお話を伺いました。

まず石川さんからは「yumeプロジェクト」の活動について。狭山市の今後の地域人材の育成を目標に、狭山市社会福祉協議会と共に立ち上げたプロジェクトで、高校生の「やってみたい!」と考えたことを、地域の人と共に、実践しています。

現在動いているプロジェクトは4つ。

ひとつ目はこのプロジェクトの立ち上げのきっかけとなった「椅子づくりプロジェクト」。狭山在住の高校生が公園のベンチが腐っていることに気づき、何とかしたいという思いから始まりました。地域の方にお手伝いいただきながら、高校生が新しいベンチの作成をしています。

そのほか、狭山市を舞台にショートフィルムをつくる「映画づくり」、狭山市内の自然を高校生同士で楽しむ「アウトドア部」、狭山市内の高校生同士で様々なゲームを楽しむ「ゲーム部」の活動をされています。

続いてゲーム部の池上彩音さんからは、他校との交流を目的にしたゲームイベントの企画の様子などを伝えてくれました。池上さんの他にゲーム部からは3つの高校から17名が参加してくれ、ブレイクアウトセッション(小人数グループトーク)時にはゲーム部に入ったきっかけや活動の様子をいきいきとお話をしてくれました。

次にお話をしていただいたのは、杉並区でも地域活動をしている大学生インターンの居橋勇裕さん。小学3年生から杉並区に住み、虫や科学への好奇心から、子ども向けの科学実験などをしている、任意団体サイエンスホッパーズに参加。自分の興味関心のあるものから地域にいる大人たちと繋がって育ってきたとのこと。今後は杉並区でも子どもたち向けに活動をしていきたいと語ってくださりました。

再び石川さんからyumeプロジェクトに参加している学生からのアンケートを共有してくださりました。

自分たちの「やってみたい!」という気持ちが地域活動を始めるキッカケになったと、多くの学生が答えており、その結果から、プロジェクトを大人が準備するのではなく、学生の関心事を聞いて何をやるのか決めていくことが、若い世代の地域活動への参加へ繋がっていくのではないかとお話しされていました。

スピーカーからのお話を聞いた後は、石川さんや学生の皆さんを交えて質問や、感想などを話し合い、シェアをしてイントロカフェは終了しました。

【参加者からの声】

・実際活動している高校生の声を聴くことができ、とても参考になりました。また杉並区在住の居橋さんの話しは共感するものばかりで、ぜひコラボして杉並区内の子どもたちの経験・体験づくりの機会を創出したいと思います!

・高校生の地域活動への参加導入部で、まずは高校生の興味関心を聞くことというお話しは参考になりました。地域活動をしつつ、ボランティア参加の若い世代のやりたい事を応援できると考えると、活動が二度おいしい感じですね。良い気づきをありがとうございます。

・学生の力をたくさんいただきました。

などの感想をいただきました。

地域活動がより身近になって、若者の居場所も大人の居場所もより広がっていくように、みなさんの「やってみたい!」アイデアや気持ちがあればぜひすぎなみ協働プラザへお越しください!

イントロカフェオンライン ~若者支援を知る~ 開催レポート②

②安心できる居場所がない! ~女性支援の現場から~

イントロカフェは様々なテーマの話を聞き、社会課題や地域活動を知るキッカケの場。スピーカーを招いて、話を聞いたり参加者も含めて話ができる企画です。

11月に3回開催のイントロカフェオンライン、

第2回目は「安心できる居場所がない!~女性支援の現場から~」をテーマに、NPO法人BONDプロジェクト代表の橘ジュンさんにお話を伺いました。

橘さんは、2006年、街頭の女の子の声を伝えるフリーマガジン「VOICES」を創刊。これまで少女たちを中心に3,000人以上に声をかけ、聞いて、伝え続けてきました。2009年、10代20代の生きづらさを抱える女の子を支えるNPO法人BONDプロジェクトを設立。行き場所がなく困っている女の子のために街頭パトロールや自主的に保護するなど、虐待、家出、貧困など様々な困難を一人で抱えてしまう女の子に寄り添う活動を行っています。
当初のスタッフは3人でしたが、今では30人ほどに増え、「動く相談窓口」として、出会いを求め、全国各地を飛び回っています。

【活動のモットー】

聴く  ありのままの声を聴き表現できる場を作る
    (LINE相談、メール相談、電話相談、面談、オンライン面談、
     出張面談、ネットパトロール、街頭パトロール、アンケート)

伝える 女の子の声を知ってもらう
    (フリーマガジン「VOICES」発行、講演会・啓発活動、
     渋谷のラジオパーソナリティー「渋谷の漂流少女たち」)

繋げる 一人一人に見合った支援、大人に繋ぐ
    (弁護士と連携し、他専門機関へ繋ぐ、
     一時保護、同行支援、
     中長期保護、自立生活支援)

【令和2年度の相談件数】

LINE(アクセス件数):46,397・(対応件数):19,308、
メール:10,133、電話:1,331、面談:1,276、保護:988、同行支援:55

学校に行けない、仕事をしたくてもできない状況での相談が多く、LINEでは対応件数がアクセス件数の半分にも満たない状況だったので、対応時間を増やして取り組んでいます。
家で虐待を受けている、学校では家のことを話せないなど行き場がない、公的支援に繋がれない、未成年、身分証がない、お金がない、働けるところがない、公的機関の情報を知らない少女たちは、状況を変えたいと思っても家出しか方法が思いつかず、街を彷徨ったりSNSを利用して居場所を求めたりしています。
そんな行く場所がない少女たちのために「ボンドのイエ」というシェルターをつくり、安心できる生活、生活習慣の獲得、心のケア、つながりを増やす、自立へのサポートを提供して、自分の足で立つ力を後押しています。

実際の事例で、「トー横キッズ」の話もしていただきました。
「トー横キッズ」とは、新宿歌舞伎町にある新宿東宝ビルの周辺に集まる13歳~20歳くらいの少年少女たちのことです。様々な理由で居場所を求める若者が、そこに行けば自分と同じ境遇の子に会えると、SNSを通して全国から集まっています。
そこには子どもたちを狙う大人もいて、売春のあっせん、性被害、誘拐されて軟禁、知り合った者同士が自殺するなどの事件も発生しています。警察も取り締まってはいるのですが、それでも、トー横しか居場所がないという子どもたちが集まってきます。
橘さんは、トー横キッズの少女の一人と繋がり、SNSで毎日のように連絡を取っているそうです。その少女が、「からだ目的以外の人はみんなただ通り過ぎるだけだ、誰も自分たちのことを気にして話しかけてくれない」と言ったそうです。少女の孤独、社会への絶望感を感じ、これからもどうにか関係性を作って安心できる場所を提供していきたいとお話していました。

後半は、橘さんを交えてグループトークを行いました。

同じ世代の子どもを持つ親、地域活動を行っている方、中高校生向けに居場所づくりを行っている方、高齢者分野で働いている方など、それぞれの視点で、何ができるのか話し合いました。

BONDプロジェクトさんの活動を通じて、今起きている若者の現状の一面を学ぶことができました。

【参加者の皆さまの声】

・アウトリーチの重要性はもちろん、聴くことと信頼関係の構築の大切さを感じること ができた。
・テレビなどでBONDプロジェクトさんの活動を見て居場所づくりについて興味があった。目に見えるいつでも出入り自由な場が地域のあちらこちらに必要なのかな?と思った。
・今の現実をもっと多くの人に知ってもらえたら社会は変わっていくのか、共感や助けたいと思う人も多く出てくると思う。一方で騙したり、上手く利用しようと思う人も出てくるかもしれない。また、行政にはどこにいても誰もが同じ支援を受けられるようにすることは急務だと感じた。
・橘さんの「社会のセーフティネットで救えない若者を支援する活動」がテレビで紹介されていたのを見たことがある。今回、直接お話しを聞いて、より関心が深まった。

BONDプロジェクトさんのHPはこちら
https://bondproject.jp/

すぎなみ協働プラザでは、『あなたの「気になる」をちょっと身近に』をキーワードに、ニュースやSNSで流れてくる社会課題や地域課題で皆さんと共に関心を深めてみる、「気になる」を「知識」に変えてみようというチャレンジの場「イントロカフェ」を開催しています。

次回もお楽しみに!

イントロカフェオンライン 若者支援を知る~ 開催レポート①

①若者の今と必要な繋がり ~10代の孤立と貧困に向き合う~

イントロカフェは様々なテーマの話を聞き、社会課題や地域活動を知るキッカケの場。

スピーカーを招いて、話を聞いたり参加者も含めて話ができる企画です。

11月に3回開催のイントロカフェオンライン、

第1回目は「若者の今と必要な繋がり 10代の孤立と貧困に向き合う」をテーマに大阪で活動する 認定NPO法人D×P(ディーピー)の佐々木貴史さんにお話を伺いました。

 まず佐々木さんから参加者への、「実際に関わりのある10代は何人いますか?」との問いかけから始まりました。「まったくいない」「2~10名くらい」との答えが出て来るなど参加者の周りには10代との関わりが多い参加者は少ない様子。

日本の10代は2000万人程、人口のうち16%で

その2000万人をイメージしながら話は進んでいきました。

そして、様々な原因から孤立している若者の具体的な数が示され

この数字の大きさに驚いたという方がたくさんいらっしゃいました。

不登校の中高生 約23.9万人、

高校中退 約4.2万人、

10代の無業者 約9万人

高校卒業後の進路未決定者数 約6.7万人

子どもの貧困(17歳以下)は7人に1人  (以上講師資料より)

国の支援制度では10代には使いづらい面があり、現金給付と食料支援の仕組みをつくったこと、

オンラインで相談できる「ユキサキチャット」(全国6000人程の登録)での相談例(食料支援、現金給付、進路、就職、自立について)を紹介いただきました。

後半は数名にわかれての意見交換と質疑応答を行いました。

最後に佐々木さんからは、

この活動は地域の人、あらゆる方面の力を借りて成り立っているということ、

そして大事にしているのは、相談者との信頼関係、普段の対話の積み重ねで、信頼を築くことができると感じている、とお話されました。

わたしたちにできることは…

1知る

2触れる・体験する

3アクションする(ボランティア活動、寄付など)

まずは自分が暮らすこの国で身近に起きている現状を知ることで、変わることがあるかもしれないと思いました。参加者の皆さまからも感想をいただきましたのでご紹介します。

【参加者の皆さまの声】

・困難に直面する若者の実態をいかに知らなかったかということに気付かされた

・10代の方達と接する機会が無いので、厳しい現実のある事を知りました。

・日常で接している方というのは、割と元気で生活にも困らない方と、改めて思い知った気がします。

・10代、特に18~19歳のこどもたちとの課題が身近に感じられた。制度から漏れてしまっている世代をどのように支援していくか考えるきっかけになった。

認定NPO法人D×PさんのHPはこちら

URL https://www.dreampossibility.com/

日時:11月5日(金)18:30~20:00

場所:オンライン(zoom)

講師:認定NPO法人D×P(ディーピー)佐々木貴司 氏

参加費:無料

イントロカフェオンライン~若者支援を知る~

次回からは…

第2回「安心できる居場所がない!」

日時:11月19日(金)18:30~20:00

場所:オンライン(zoom)

講師:NPO法人BONDプロジェクト代表 ルポライター 橘ジュン氏

参加費:無料

第3回「若者の“やってみたい”を応援する」

日時:11月26日(金)18:30~20:00

場所:オンライン(zoom)

講師:アクトインディ株式会社 新規事業開発部所属 石川大晃 氏

参加費:無料

申込み:https://introcafe211126.peatix.com/