2025年10月18日開催のレッツボウサイ「どうする?災害時のトイレ問題」講座を見学してきました。

この講座を企画・運営している特定非営利活動法人防災コミュニティネットワークは防災活動をとおしたコミュニティの形成と、そのネットワークの構築を目的に設立されました。
開催のきっかけは、主催者自身が2024年元旦に発生した能登半島地震の復興支援のボランティアとして、富山市から車で能登半島穴水町を訪れた時に何時間もトイレが使えなかった過酷な状況や、被災者がトイレで苦労した経験からでした。
テレビ・ニュースでは被災地での様子は断片的に見ることができますが、被災後の実生活で不便な事が多い中で「誰もが経験するトイレの悩み」(トイレが使えない、衛生面、安全性、使用方法がわからない)を理解するためと、水、食料の備蓄と同様にトイレ備蓄の重要性を具体的に説明するために開催しました。


【講座の様子】
講座は以下の内容で話がすすめられました。
① 「トイレ問題の主な原因」
災害時におけるトイレ問題とは、普段あたりまえに使用しているトイレが使えない状態を指します。災害による上下水道・電気などのライフラインや建物の使用ができない時に発生します。
杉並区ライフラインの被害想定時の復旧日数も確認しました。
② 「災害時のトイレ状況」
被災地で目にした実際の既存のトイレの状況、仮設トイレの種類とその問題点の詳細が写真入りで紹介されました。
③ 「トイレの備蓄で必要な情報」
トイレがいつも通りに使えるかの安全確認すること、便器が使用可能であれば、携帯トイレを使う、感染予防のため、トイレの後は手洗いと手指消毒の感染予防についての話がありました。
加えて携帯トイレ・非常用トイレの必要備蓄数の概算の説明、備蓄トイレ以外に揃える必要な備品の説明がありました。
④ 「自分にあった非常用のトイレを探そう」
会場後部に10種類以上の簡易トイレが置かれ、全てのトイレに座ったり、触れてみたりして自分に合ったトイレを探すことができました。



実際に被災地へボランティアとして行かれた経験をお聞きしてトイレ問題の苦労・切実さを実感しました。トイレ備蓄で必要な情報は、これから簡易トイレ備蓄をする際の大きなヒントとなりました。また、参加者が10種類以上の簡易トイレの見本を実際に座ってみた体験や、主催者に質問して得た使用時の注意点等の知識はこれからトイレ備蓄を考えている人たちへの大きなインパクトを与えて、災害時のトイレ問題への関心が高まり、その重要性が認識された素晴らしい機会だったと思います。
写真・文責:小林
■防災コミュニティネットワーク https://bosaicn.net/
■杉並区NPO支援基金 https://member.sugi-chiiki.com/kikin/



