~事業場における労働関連用語の一考察~
私たちが『働いている』上で、よく見たり聞いたりする用語があります。当たり前のことと看過せず、ちょっぴりその中身を考えてみると意外な発見があるかもしれません。
第12回:カスタマーハラスメントについて
1980年代に男女雇用機会均等法が策定され、ハラスメントという言葉が登場したのですが、当時はハラスメントと言えば『セクシャルハラスメント』のことを意味しました。時代の流れとともに、ハラスメントも多様化してきましたが、現在の社会においてはパワーハラスメントとカスタマーハラスメントが大きなスポットライトを浴びているような印象を受けます。パワーハラスメントに関してはすでにその防止対策措置を講ずるように事業者に義務付けされていますが、カスタマーハラスメントについても2026年10月より、その防止対策措置が義務化されることになりました。カスタマーハラスメントには定義があって、『顧客、取引先、施設利用者その他の利害関係者が行なう、社会通念上許容される範囲を超えた言動により、労働者の就業環境を害すること』が該当します。当たり前のことですが、私たちは仕事上の顧客には誠意ある配慮が必要なので、理不尽な要求だと感じても我慢してしまうことも多いですよね。しかし顧客等の行き過ぎた暴言、執拗な要求、暴行、高圧的言動、長時間の拘束等、あまりにも常軌を逸脱したような行為に対しては毅然と対処すべきであるということを法律が後押しすることになったのです。すでに行政機関からもその対策マニュアルの概案が出ていますが、その内容において注視すべきは、『従業員を守る』ということに最も高い主張がおかれていることです。このカスタマーハラスメントによって、優秀な人材を失った事業所もたくさんあるはずです。まずは理不尽な外圧から従業員を守るという考え方は労働者保護の観点からも必須事項と言えるでしょう。事業所の性格や事業内容などで、カスタマーハラスメントもその様相は異なるでしょう。法律が施行される前に自分たちの事業所の現況を分析して、しっかりとしたハラスメント対策マニュアルを作成していきましょう。
「教えて!梶谷先生」コラム一覧ページへ





