【イントロカフェ】とは、身近にある「ちょっと気になる」をテーマに深掘りして考える講座です。今回も杉並区区民生活部管理課男女共同・犯罪被害者支援係との協働事業として「落語で考える ~それが差別と解っちゃいるが なぜか男女で差をつける~」を令和7年9月27日に区役所で開催しました。
「男性だから」「女性だから」と意識しているつもりはないのに、日常会話の中などで男女差別的な発言をしてしまう方は多いのではないかと思います。落語を楽しみながら、差別につながる「無意識の偏り(アンコンシャス・バイアス)」について考える機会にしようと講座を企画しました。
講師は、落語と歌を通じてジェンダー平等を伝える活動を続けている 千金亭値千金(せんきんてい あたいせんきん)さんをお呼びしました。1987年から2022年まで埼玉県鶴ヶ島市職員として勤務し、その間に男女共同参画を担当。趣味の落語鑑賞を活かして創作落語を始め、これまでに18本の作品を創作、254回の口演を行い、1万人以上に伝えている方です。

講座のはじめは、アイドルグループのヒット曲を替え歌にした「ガラスの天井を割れ!」の歌から始まりました。女性の昇進を妨げる「ガラスの天井」を割っていこうという替え歌です。
つぎに創作落語『あんこんしゃす・ばいあす』を披露しました。
「無意識の偏り(アンコンシャス・バイアス)」を考える落語で、終了後には台本が配布され、講座後も振り返りができるようになっていました。
ミニ講座「15秒で言える男女共同参画」では、ホワイトボードに男女共同参画の目的・目標・手段が穴埋め問題のように書かれており、穴の空いた部分を皆に問いかけ、埋めていきながら講義をしました。性差別をなくし人権を実現することや、性別による役割を押し付けないこと=ジェンダー・ハラスメントを無くすことについて、わかりやすく解説いただきました。

最後に、人気アニメの主題歌の替え歌「思惑がいっぱい」を講師が歌い、職場の男女差別について問い直しました。

当日は満席御礼となり、笑いあり歌ありの盛りだくさんの講座となりました。
参加者の方からは
「替え歌や落語が楽しくてわかりやすかった」
「ホワイトボードの説明が理解しやすかった」
「改めて男女共同参画について考える機会になった」
「性差別が多かった世代なので、当時を思い出すきっかけになった」
「無意識の偏りは男女共同参画以外の場面にもあると思う」
などの様々な感想をいただきました。
今回の講座は、歌と落語という親しみやすい切り口から、無意識の偏りや男女共同参画を考える貴重な機会となりました。参加者からも共感の声が寄せられて、男女共同参画について理解が深まった時間でした。
写真・文責:大久保



