【ステップアップ講座】個人情報管理講座 (オンライン連続2回講座) 開催レポート

2025年7月、2回に渡り、杉並区内のNPOや地域活動団体向けに「個人情報管理講座」をオンラインで開催しました。

「個人情報」と聞くと、どこか遠い話のように感じる方もいるかもしれません。しかし、NPOや地域活動団体が日々の活動の中で取り扱っている名簿や申込書、写真、メールのやりとり。それら一つひとつが、実は個人情報と密接に関わっています。昨今では地域活動団体のみならず、町会やPTAも個人情報についてはアンテナを張っているものの、正しい扱い方が分からないという悩みもあるようです。そんな皆様に、個人情報について正しく理解し取り扱ってほしいと願い、企画しました。

今回の講座を通じて、

・個人情報保護法の基本用語や具体的な事例を団体内で説明できるようになること
・会員や職員全員が個人情報管理を意識し、管理の徹底を行うこと

を目指して開催しました。

講師には、特定非営利活動法人 情報公開クリアリングハウスの三木由希子氏を迎え、個人情報にまつわる基本から、具体的な対応の方法、そして「組織としてどう向き合うか」まで、じっくりと学びを深める時間となりました。

■ 「なんとなくやっていた」を見直す機会に

1回目の講座では、「個人情報とは何か?」という根本的な問いからスタート。個人情報保護法の基本や、NPOが特に注意すべきポイント(利用目的の明示、安全管理義務、第三者提供の定義など)について、わかりやすく整理しながら説明してもらいました。

また、マイナンバーの取り扱いの話では、制度上の注意点だけでなく、「マイナンバーと一緒に管理されている情報は、一般の個人情報とは別の規制がされている」という視点に、参加者の多くがハッとさせられた様子でした。

■ 「守る」だけでなく「つくる」ステップへ

2回目では、前回の復習に加え、個人情報が漏えいしてしまった場合の対応や事例も紹介してもらいました。「漏えいしたらどうなるか?」という視点を持つことで、「そもそもどう防ぐか?」という具体策にも説得力が増します。

また、2022年の法改正で追加された内容や、プライバシーポリシー作成のポイント、団体としてルールを整える方法まで、実践的な内容が続きました。

特に印象的だったのは、「まず、現状把握から始めよう」という講師の言葉です。すぐに完璧な体制を整えるのではなく、自分たちの団体では今どんな情報を扱っていて、誰が責任者か、どんなルールが必要なのか。一歩ずつ整理していくことの大切さを教えられました。

事後アンケートで参加者からは、

「先生の話がとてもわかりやすく、具体例も参考になりました。配慮しすぎるくらいでちょうどいいという言葉が印象に残りました」

「講座を受けて、個人情報への向き合い方に枠組みができた気がします」

「団体として、どんなルールや体制が必要か、整理できました」

との声をいただきました。

■ 「個人情報を大切に扱うこと」は、信頼を守ること

地域活動の現場では、「相手との信頼関係」が何よりの土台になります。個人情報を丁寧に扱うことは、まさにその信頼を守る行動のひとつです。 今回の講座に参加できなかった団体の皆さまも、自分たちの団体にとって必要なルールや体制について、団体内で話し合ってみませんか?まずは「どんな情報を扱っているか」を見える化することから、次の一歩が始まります。

すぎなみ協働プラザでも、個人情報管理の徹底につとめていくことをスタッフ全員が改めて再確認できた講座となりました。

特定非営利活動法人 情報公開クリアリングハウス HP

文責:大庭