含胸抜背(がんきょうばっぱい)

先生が呪文をとなえているようです。
「が・ん・きょ・う・ばっ・ぱ・い
 が・ん・きょ・う・ばっ・ぱ・い」
はじめて耳にする言葉。
聞いているだけでは、どんな意味か、見当がつきません。
先生がタブレットを見せてくれて、ようやく漢字が分かりました。
「含胸抜背」
漢字が分かっても、何のことか分からない。やっぱり、呪文なのか?

が・ん・きょ・う・ばっ・ぱ・い

先生が呪文をとなえているようです。

 が・ん・きょ・う・ばっ・ぱ・い
 が・ん・きょ・う・ばっ・ぱ・い

はじめて耳にする言葉。
聞いているだけでは、どんな意味か、見当がつきません。

先生がタブレットを見せてくれて、ようやく漢字が分かりました。
含胸抜背

漢字が分かっても、何のことか分からない。やっぱり、呪文なのか?

いつも教室では気功をして、関節を隅々までゆるめて、リラックスした体の状態をつくってから、太極拳のお稽古にはいります。
時どき先生は、気功や太極拳のいろいろな動作、それぞれの意味、その動作のほんとうのしかたを、遊びを交えながら説明してくれます。
きょうは、「が・ん・きょ・う・ばっ・ぱ・い」について、説明してくれました。

「正しく立つ」ということ

気功も太極拳も、基本は「立つ」ことです。
正しく立つ、地球に垂直に立つ、天と地とを一直線に立つ、……。
いろいろな表現があります。
私なりに、いま思っている「まっすぐ立つ」という状態を言葉にしてみます。

肩幅よりちょっと広めに足を開きます。
肩の緊張をゆるめ、リラックスします。
両手の合谷(親指と人差し指のあいだ)を両足の体側に接します。
背筋を伸ばし、顎をひき、目線は水平に真っすぐ遠くをぼんやりながめる。
両ひざを軽く曲げ、左右の母指球に重心を置く。
このとき、仙骨がはいって(立って)います。また、へその下のあたりに圧がかかっています。

ふつうに立っているときと比べ、体がかなり前傾している気がして、じっさい、前に倒れそうなかんじがします。でも、これが、「まっすぐ立っている」状態なのです。

実は、立っているという感覚が分かってきたのは、ここ2年ぐらいのことです。気功に初めて接してから四半世紀になります。3年ぐらい、同じ先生の教室に通ったのですが、仕事が忙しくなったことと、教室の場所が変わったことがあって、再び練習を始めたのは3年半前です。その間、ときどき飲み会だけには顔を出していましたが。

四半世紀前からずっと気功、太極拳を続けていたら、どんなに上手になっていたことか、とも思いますが、反面、やっと、気功や太極拳の良さ、すごさを感じられる年になったという気もしています。

含胸抜背は、太極拳の基本姿勢だった

さて、正しく立った状態から、人差指をピンとさせ、指をしっかり伸ばした状態で、肩は緩やかにしたまま肘を軽く曲げ、両手を前に、水平の状態までさし伸ばします。
それから、両掌が向き合う状態に、両手を開き(曲げ)ます。上の写真の両手のようにです。

このとき、前すぎると思うほど、両手を前方に置くことが大切です。
こうすると、両腕が、上の写真の赤線の円弧のようになります。同時に、背もその円弧の一部分になっています。肘から先は、人差指をピンとして、上の写真での青線のように真っすぐを保ちます。

この形が「含胸抜背」です。

含胸抜背の形が決まると、肩や腕を他人から押されても、体はピクリとも動きません。
体がカーっと熱くなってきます。

そして、このときの両腕の形は、太極拳の動作を通じて変化せず、変化するのは重心の移動だけになるのです。

奥深いですね。

今日の結論 (?)

こうして言葉で説明しようとすればするほど、どんどん分かりにくくなってきました。

百聞は一見に如かず、実際にやってみて、身体におぼえさせるのが、いちばんです。

「遊び」のようなことも交えながら、楽しく練習をしています。
興味をもたれたら、練習をのぞきにきてください。事前に連絡をいただければ、見学できます。お気軽にお問い合わせください。