令和4年度NPO活動資金助成事業


令和4年度助成事業について

杉並区NPO支援基金の助成金を活用して行っている、令和4年度の助成事業を紹介します。

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【令和4年度 NPO活動資金助成事業】
1.NPO法人 子どもアドボカシーをすすめる会TOKYO
2.すぎなみ食育推進の会
3.NPO法人 防災コミュニティネットワーク
4.NPO法人 まちのおやこテーブル
5.NPO法人 モナミセブン
6.NPO法人 久我山からー
7.NPO法人 グローイングピープルズウィル
8.NPO法人 DANKAIプロジェクト
9.NPO法人 てんぐるま

NPO法人 まちのおやこテーブル
多世代コミュニティ事業 「まちの持ち寄りカレッジ」
12月10日(土)「第3回 すぎなみの良さ発見!マップ完成!」開催レポート

子供たちと遊んでいるところ

 NPO法人まちのおやこテーブルは「親子とまちに暮らす人をゆるやかにつなぐ大人と子どものコミュニティ」の形成を目指して活動する団体です。今回は杉並のおすすめスポット共有とマップ作成を行う「まちの持ち寄りカレッジ すぎなみ魅力発見クラス(全3回)」の3回目である「すぎなみの良さ発見!マップ完成!」が開催されました。
 午前10時、イベント会場である「まちサロンおきやんち」のスペースには多くの参加者が集まっていました。床に広げられた大きなマップの周りに座り、一人ずつ自己紹介をした後、「みんなのおすすめスポット」を付箋でマップに貼り付けながら杉並の良い所について語り合いました。
 イベントには今回の会場である「まちサロン おきやんち」のオーナーである味香興郎(あじか おきお)さんも立ち会われ、キッズスペースも併設された温かみのある会場は、終始和やかな雰囲気でした。
 すでにある地図を見るだけ、お店を探すだけならばインターネットに多くの情報があり、いつでも探し出すことができます。しかし、まちのおやこテーブルが「まちの持ち寄りカレッジ」でマップを作る上で重要としているのは「まちに暮らす人の生の声を持ち寄ること」です。同じ場所に集まった人々の記憶や知識をその場で共有し、交流を創り出すことで「ゆるやかなご近所暮らし」に繋げていこうという活動です。
 小さな子どもを連れて参加された方から「子どもを連れて行っても大丈夫な飲食店はどこにあるだろう?」、「杉並にはたくさんの公園があるけれど、杉並をよく知る人が気に入っているのはどこだろう?」といった質問があると、杉並をよく知る方からは「ここは美味しくて子どもがいても安心」、「この公園は特にみどりが豊かで過ごしやすい」といった答えが返ってきました。
 参加者それぞれが杉並への思い入れや杉並の好きな所を笑顔で語る様子が印象的でした。

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NPO法人 子どもアドボカシーをすすめる会TOKYO
子どもの権利と子どもアドボカシーを知る集い
12月3日(土)「小学生・中学生のための子どもの権利を知るワークショップ」開催レポート

自分の意見を発表しているところ

 NPO法人子どもアドボカシーをすすめる会TOKYOは、子どもの声を聴き、子どもが意見を表明する支援を行う「子どもアドボカシー」を社会に広めるとともに、その実践に取り組んでいる団体です。今回は、子どもの権利について考える子ども向けのワークショップが産業商工会館で開催され、子どもたちが家族と一緒に参加しました。
 ワークショップは、本日の講師である常葉大学保育学部保育学科准教授の山屋 春恵氏によって進められました。まず、参加者たちが円になり、それぞれ自己紹介を行いました。初対面で緊張もありましたが、このアイスブレイクタイムでお互い少し打ち解けました。
 自己紹介が終わると、子どもと大人に分かれてテーブルへ移動。講師による絵本(瀧村有子著「ちょっとだけ」)の読み聞かせが行われ、弟が産まれて今までと同じようにお母さんに甘えられなくなった主人公の心情を、子どもたちみんなで考えました。子どもたちが思い思いに主人公の気持ちを想像できていることに、大人たちも感心していました。
 次に、「おとなに言いたかった」「こんなことがうれしい」「こんなことが心配!」「こうなればいいなあ!」「おとなにいいたいこと!!」を大人も子どもも個人で自由に吹き出しに書き、模造紙に貼ってお互いの考えを共有しました。さらに、4名の子どもたちがそれぞれ前に出て自分の意見を発表し、子どもたちの素直で率直な言葉に、会場は大変盛り上がりました。
 最後に、「子どもの権利条約」の説明が行われました。ここでは、第12条で規定されている「子どもの意見表明権」を採り上げ、全ての子どもが自分に関係のあることについて自由に自分の意見を表す権利を持っていることを確認しました。また、自分の意見を言いたくても言えないときはどうしたらよいかを子どもたちと一緒に考え、「話しやすい大人に話す」「友だちに言ってみる」「(相談ダイヤルなどに)電話してみる」などの方法が挙げられました。最後に講師から、大人も話してくれる子どもの気持ちを考え、しっかりと聞く姿勢を持つことが大切であると呼びかけがあり、会は締めくくられました。
 参加した子どもたちからは、「これからは言いたいことがもっと言える気がした。」「頭が整理できてよかった。」などの感想が寄せられました。このようなのびのびと自分の意見を言える場、それを大人たちが受け止める場は大変貴重であると感じました。一方で、「子どもの権利条約」については、まだまだ認知度が低い状況です。今後、こういった子どもも大人も子どもの権利について学ぶ機会がますます増え、全ての子どもたちが心身ともに健康に育っていける社会の実現が期待されます。

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NPO法人 グローイングピープルズウィル
ICTを活用した移動制約者のための移動円滑化計画
11月22日(火)、25日(金)「ナビレンスを活用した実証実験」
開催レポート

実験の様子
スマートフォンでナビレンスのタグを読み込んでいるところ

 NPO法人グローイングピープルズウィルは、視覚障害者の地域生活を支援するために様々な活動を行っている団体です。今回、11月13日~26日にかけて、視覚障害者を対象に、移動支援の音声案内システム「NaviLens(ナビレンス)」を使った実証実験が行われました。ナビレンスは、情報が入ったタグとそれを読み取るアプリから構成されています。使い方は、施設の壁や柱などに情報を登録したタグを貼っておき、ナビレンスのアプリを起動したスマートフォンをかざします。すると、アプリがタグを読み込み、目的地の内容・方向・距離などの案内が音声で読み上げられます。タグには、目的地の内容・方向・距離のほか、現在位置の状況や周辺情報など、管理者があらかじめ必要な情報を設定することができ、視覚障害者だけでなく、高齢者や外国人など移動が困難な方も活用できます。
 今回の実験は、1日1~2名の被験者にスタッフ2名の体制で、被験者本人はもとより、周りの通行人の安全確保に十分注意した上で実施されました。ナビレンスのタグは、JR阿佐ヶ谷駅改札口から阿佐谷地域区民センターまで(高架下を通るルート)と、阿佐谷地域区民センター敷地内(施設内及び隣接の阿佐谷けやき公園)に敷設されました。タグには、ルート案内のほか、危険個所や商店情報などが入れられ、各ポイントで音声を聞くことができました。タグの読み取りに関しては①高スピード読み取り②焦点合わせ不要③広角かつ長距離読み取りといった特徴があり、タグの認識がしにくい視覚障害者にとっても比較的容易に読み取りが可能となります。しかしながら、実験中、うまく読み取りができず被験者がタグに気づかず通りすぎてしまう場面もありました。一方で、タグに設定した情報については、実験中に被験者からあがった声をもとに翌日の実験までに修正するということを繰り返し行い、視覚障害者にとってよりよい音声案内にするための工夫が重ねられました。
 被験者の方からは、「こんなお店があるなんて知らなかった。」と新たな発見が寄せられたほか、「ナビレンスが100%のツールだとは思わない。白杖や点字ブロックなどと併用してうまく使えば一人でも安心して移動ができそう。」といった感想がありました。実際に阿佐ヶ谷駅周辺を歩いてみると、点字ブロックの不足や段差、障害物等の物理的バリアの多い箇所もあることがわかりました。
 今回の実証実験で得られた情報を活用してナビレンスをさらによいツールにしていくことだけでなく、同時に地域におけるバリアフリー化が図られていくことが視覚障害者の移動支援につながると感じました。

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NPO法人 防災コミュニティネットワーク
ボウサイおそうじ大作戦!
10月30日(日)「ボウサイおそうじ大作戦!」
開催レポート

 NPO法人防災コミュニティネットワークでは、毎月1回、西荻窪エリアを中心に、「防災の目線を取り入れた」清掃活動を行っています。本イベントは、地域の危険個所や防災設備などを確認しながらごみを拾うことで、参加者たちが交流を深め、地域防災を考える場となっています。
 午後1時半に関根文化公園に集合。周辺エリアの「仲よし町会」奥野会長がゲストで参加し、消火栓の開け方やスタンドパイプの開け方のレクチャーがありました。道路に消火栓があることは知っていても、実際にその中までは見たことがない参加者が大半でしたが、奥野会長の指導のもと、実際に操作し放水する体験も行いました。
 消火用機材の確認を終えた後は、トングとごみ袋を受け取り二つのグループに分かれて上荻三、四丁目、西荻北五丁目周辺を歩いてゴミ拾いを行いました。そして、歩きながら地域の危険個所や消火器の場所などをスタッフと一緒に確認しました。また、自治体と協定を結んだコンビニエンスストアが、災害時には「災害時帰宅支援ステーション」となることも学びました。「災害が起きると誰もが気持ちの余裕がなくなるものですが、コンビニの店員さんも被災者となっていることを忘れないで下さい。」というスタッフのお話に、参加者たちは熱心に耳を傾けていました。
 今回歩いたエリアは、閑静な住宅街で、地域清掃が行き届いておりごみがとても少ない印象でしたが、コンビニエンスストアの周辺はたばこの吸い殻が目立っていました。ごみ拾いで周辺環境がきれいになり清々しい気持ちになると同時に、普段何気なく歩いている地域も、防災という観点で見直してみようと感じたイベントでした。

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NPO法人 DANKAIプロジェクト
みんなの食堂ルンルンとルンルン学習室
10月12日(水)「みんなの食堂ルンルンとルンルン学習室」
開催レポート 

 令和3年度から、毎週水曜日に善福寺2丁目で小学生を対象とした無料学習室と子ども食堂を開催しています。学習室は17時半から始まり、18時半からは子ども食堂としてカレーライスを提供しています。事業の運営にあたっては、地域の方々や大学生がボランティアとして参加しているほか、東北物産館や会津坂下町など関係各所から食材の寄附を受けるなど、様々な応援のもとで実施されています。
 学習室では、子どもたちにいろいろな体験をさせるため、夏のうちわづくりやクリスマスなどの季節のイベントを実施したり、子どもたちに役立つような講座を開催しています。当日は、ボランティアさんによる「防災教室」が行われ、学習室内で地震が起きた際の安全確保の仕方について考えました。子どもたちは、手作りの部屋模型に興味を示し、質問や感想をたくさん出していました。残りの時間で学校の宿題を終え、あっという間に18時半。皆で配膳を手伝ってカレーライスを楽しみました。
 活動中は、子どもたちが元気いっぱい賑やかに過ごしている姿が印象的でした。2年目の実施ということで、子どもたちとスタッフとの間で信頼関係が生まれ、第三の居場所として機能しているように感じました。

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NPO法人 モナミセブン
親や先生に知ってほしい「子どもの高次脳機能障害」
9月23日(金・祝)親や先生に知ってほしい「子どもの高次脳機能障害」講演会
開催レポート

 NPO法人モナミセブンは、高次脳機能障害者の充実した社会生活のために、一人ひとりに合った支援と、この障害を広く社会に知らせる活動を行っている団体です。今回は、子どもの高次脳機能障害をテーマにした講演会が、ワイム貸会議室荻窪にて、会場参加とオンライン参加で実施されました。
 講演会は二部制で、前半は杏林大学保健学部准教授の岩﨑也生子氏から、子どもの高次脳機能障害や、最近の研究内容、支援方法などについてわかりやすく説明がありました。高次脳機能障害とは、事故や病気などで脳が損傷を受けたことによる後遺症で、言語・記憶・注意・思考・行為・空間認知などの脳機能の一部に障害が起きた状態を指します。子どもの場合は、社会的認知度が低いことに加え、発達過程で起こることから、障害が見えにくかったり、見過ごされたりすることも多く、そのため周りから理解されずつらい思いをしている子どもたちが数多くいるそうです。岩﨑氏によれば、支援に向けては、発達促進に注力しながら家庭や学校で他者との関わりを多く持つことが大切だそうです。
 後半は、小学生のときにウイルス性脳炎から高次脳機能障害を発症した当事者の方から、体験談の発表がインタビュー形式で行われました。病気になる前と後で自分自身が大きく変わってしまったことがとてもつらかったと話してくださいました。学校生活では、担任やクラスメートから理解されず嫌な思いをすることも多く、中学3年生の時にイギリスの学校に留学してやっと「人間らしく」接してもらえたと感じたそうです。帰国後高校を卒業してからは、てんかんの発作に悩まされ短期間で職場をやめざるを得ないこともあったそうですが、5年間務めた職場では、同僚の理解を得られ、書類の分類をわかりやすくするためにエクセルシートを作成したり写真のスキルを活かしたりと、自分のスキルを活かして仕事ができた経験についてもお話がありました。
 会場では、参加者の方々が熱心にメモを取っている姿が印象的でした。子どもの高次脳機能障害が認知されるとともに、その理解が広がっていくことが期待される講演会となりました。

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すぎなみ食育推進の会
「食育推進プロジェクト 栄養素を知れば体は丈夫になる」
7月18日(月)「夏野菜たっぷりのカレーづくり」開催レポート

 すぎなみ食育推進の会は「楽しく学ぶ食育」をモットーに活動する団体です。今回のイベントは「食育推進プロジェクト 栄養素を知れば体は丈夫になる」のひとつ「夏野菜たっぷりのカレーづくり」で、親子を対象に行われました。
 午前十時半、井草にあるシェア畑・井草農園に集合。当日は日差しの強い日でしたが、皆汗をかきながら一生懸命畑のナスやトマトを収穫していました。子どもたちは大きな野菜をにぎって大はしゃぎ。最後にすぎなみ食育推進の会の耕作地にひとつだけ実ったスイカを大事に採り、収穫体験の時間は終了しました。
 採った野菜を抱えて向かったのは、下井草駅近くにある、子ども食堂を行っているお店「ホルモン良ちゃん」です。カットした野菜をコンロで焼き、良ちゃんオリジナルカレーにトッピングして実食しました。
 食後、すぎなみ食育推進の会の代表の堀田さんが食についての講義を行い、三色食品群や重要な食品についての資料配布のほか、実物大模型を使って災害時における栄養素の重要性を解説するとともに、区の防災課提供の非常食(災害時に震災救援所から支給される即席みそ汁)配布も行いました。
 参加された方からは「今後の食育にもつなげていこうと思います」「こういった機会がありましたらまた積極的に参加させていただこうと思います」「近所に住んでいましたが活動のことは知らなかったため、知ることができてよかったです。引き続きやっていただけると嬉しいです!」「焼くとおいしいと言って子どもも全部食べてくれました」等、感想や次回開催を求める声がありました。

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