健康の話

1)ラーメン「週3回以上」は脂肪リスク1.52  ラーメンの本場山形県の山形大医学部と県立米沢栄養大の共同研究チームが、ラーメン好きの山形県民を追跡調査したところ、「ラーメンを週3回以上食べる人は週1~2回の人に比べて死亡リスクが1.52倍高い傾向にある」との研究結果が出たことを発表しました。 総務省の家計調査で、」山形市は外食の「中華そば」(ラーメンなど)の年間支出額で全国3連覇中であることから、研究者は山形市民に「ラーメンの食べすぎに注意してほしい」と呼び掛けていると言うことです。 ラーメンには、具材の選択により、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、植物繊維を摂取できると言われますが、毎日食べると、炭水化物、脂質、塩分の取りすぎになってしまい、糖尿病、高血圧、肥満症になる可能性大となります。   2)認知症の前段階である「軽度認知障害(MCI)」の人は、3割が5年後に「正常」に戻る 認知症の前段階{MCI}と診断された高齢者の約3割は、ある対策を取ることによって、5年後に認知機能が正常に戻ったとする研究結果を、九州大のチームが発表しました。 ある対策とは、 ①糖尿病がない、血圧がたかくない等の生活習慣病がないこと ②運動党により筋力が保たれること 上記の対策は、認知症の前段階の回復だけでなく、認知症の予防に役立つものであります。 3)ノーベル賞受賞坂口志文教授チームが「制御性T細胞」の大量作製の技術に成功 今年のノーベル生理学・医学賞の受賞者である坂口志文大阪大特任教授らの研究チームは、「制御性T細胞(Tレグ)」の大量作製技術の確立に成功したとの発表があった。これまで安定したTレグを大量に作成することが難しかった。 人の免疫細胞の一つであるT細胞は、体内に入った病原菌を攻撃する役割がりますが、一定の割合で「不良品」のT細胞が生じ、その「不良品」T細胞は誤って自分の体を傷つけて炎症を引き起こします。この「制御性T細胞(T細胞)」は不良品T細胞の活動を抑える働きがあり、この働きを利用して「自己免疫疾患」などを治療できる研究が大きく前進し、リュウマチなどの完治の可能性が出てきました。 文責:高橋 昭浩(当法人職員、健康管理士上級指導員) 参考文書:「ホスピ」、「健康関連最新情報」(日本成人予防協会発行)

健康の話

今年の猛暑により、下記の通り、身体的異常、及び細菌、ウイルスの異常感染が起きています。                                   (1)「熱中症」が異常に発生しています。                      原因:猛暑による体内の水分不足です。                        症状:めまい、だるさ、吐き気・嘔吐、発熱です。                   重症化すると、意識障害を発症することがあるので、症状に気づいたら遅滞なく医療機関の治療を受けること。                                    予防:特に夏期においては、気象予報に留意し、室温の調整、及びきめ細かな水分補給を行うこと。                                     (2)「百日咳」の感染が子供だけでなく大人にも異常に拡大しています。        原因:百日咳は細菌による感染です。接近、くしゃみによる空気・唾液飛散で感染します、また、体液・排出物に触れることによっても感染します。            症状:咳が長く(2~3週間)続き、就寝時に咳が出ることが多く、発熱、鼻炎、咽頭炎を伴うことがあり、重症化すると咳発作を起こします。なお死亡率は低い。          予防法:細菌は、体内に侵入すると、自己増殖し症状を悪化させます。        うがい、手洗い、マスク等により侵入を防ぐこと。               侵入した細菌を攻撃し、排除する為に元々体内に備わっている「自然免疫」力を高める為に、バランスよい食事により必要な栄養素を摂取こと。            ・「自然免疫」では排除できない細菌については、「抗生物質」により排除が可能ですので、適切に、医療機関の治療を受けること。                                                                  ・百日咳ワクチンを必ず接種し、「獲得免疫」(ワクチン接種により、百日咳に特化した免疫情報を自然免疫に記憶させ、次に同じ百日咳細菌が侵入した際に迅速かつ強力に対応し排除する後天的な免疫システム)により、免疫力を高めること。       (3)”マダニ”が異常発生しており、刺す事によりいろいろな病気を媒介し、感染させます。例えば、ダニ媒介脳炎、ツツガムシ病、日本紅斑熱等です。               原因:”マダニ”は、動物の皮膚を刺すことにより各種の病気のウイルスを体内に注入し、感染させます。                                  症状: 刺された皮膚の箇所に、赤い丸い斑点が現れます。なお、“マダニ”が刺したまま残っていることもありますが、その場合は取り除かず医療機関を受診すること。                    刺されて数日後に、発熱、頭痛、発疹等の症状が現れます。              注意すべきは、犬、猫等のペットが刺され感染している場合があり、その場合、唾液、排出物等に接触することにより感染することがあります。              重症化すると、ダニ媒介脳炎、ツツガムシ病、日本紅斑熱等の恐ろしい感染症を発症しますので、症状に気づいたら、遅滞なく医療機関を受診すること.

予防:森林、原野等に入るときは、肌が出ない服装を着ること。芝生にむやみに寝転がないこと。特に、幼児を野原等で遊ばせる時は、服装に注意すること。帰宅した時、服装を取り換え、風呂・シャワーを浴びて体を洗い、また刺されていないかチェックすること。                                    ペットは、体調が悪い様であれば、医療機関に受診すること。           予防接種はまだ十分に整備されていませんが、マダニ媒介脳炎に対しては、「タイコバックR」と称するワクチンが2024年3月に日本絵政府から承認されました。    

死亡率が高いので、症状が感知されたら遅滞なく医療機関の治療を受けること。 

(4)新型コロナの異変株“ニンバス”の感染が広がっています。 原因:新型コロナは過ぎ去った感染症という位置づけになっており、令和6年度以降のワクチン接種は定期接種(B類)に位置付けられ、65才最上の高齢者が対象になっています。従って、人口の大部分は免疫期間を過ぎた状態になっています。この様な状況下で、新型コロナの異変株”ニンパス”が広がり始めています。             症状:”ニンパス”の症状は、カミソリで切られた様な喉の痛みが特徴で、倦怠感、筋肉痛、頭痛、吐き気・嘔吐を伴うことが多い。                   新型コロナ同様、後遺症が現れるので注意を要します。               予防:ワクチン接種は自己負担で可能なので、医療機関と相談すること。高齢者は、役所の計画に従って必ず接種を受けること。                   (5)細菌、ウイルスによる感染、症状の悪化を防ぐ為に、下記の通り「自然免疫」、「獲得免疫」の免疫力を高めることが肝要です。                   ★バランスの取れた食事                            免疫細胞の元となる良質なタンパク質を摂取する為に、肉・魚・卵・大豆製品を取ること。                                      抗酸化作用(免疫細胞を参加させる活性酸素を減らす作用)を高め、細胞の粘膜を丈夫にしウイルスの侵入を防ぐ為にビタミンを含む緑黄色野菜、また、細胞のの代謝、DNA/タンパク質の合成の為の必須アミノ酸の生成に必要な亜鉛等のミネラルを含む牡蠣、あわび、タラバガニ、豚レバー、牛肉、卵、チーズ、納豆、ナッツ、アーモンド、抹茶、煮干し、ココア等を取ること。                      腸内環境を整え免疫細胞を活性化する為に納豆・みそ・ヨーグルトなどの発酵食品、植物繊維が豊富な海藻・キノコ類を取ること。                   ★適度な運動                                 血行やリンパの流れを促進し、免疫細胞のはたらきを活発化さえる為にウオーキング、ジョギング等の有酸素運動を無理せず継続的に行うこと。             ★質の良い睡眠                                睡眠中には、疲労回復や細胞の修復、免疫機能の強化に不可欠な成長ホルモンが分泌されるので、7時間程度の良質な睡眠をとること。                  ★ストレスの管理                                好きな音楽を聴く、散歩する、笑う、適温の風呂にゆっくり入る等によりストレスの解消に努めストレスによる免疫量の低下を防ぐこと。                 ★体温を適切に維持すること。                          適温のお風呂に入ること、冷暖房を適切に使用すること、服装を適切に着ること、によって体温を適切に維持し、免疫細胞の活動を低下させないこと。          ★腸内環境を整えること                            上記の活動を行うことによって腸内環境が整えられ、腸内の免疫細胞が活性化します。  

★うがい、手洗い、口腔内の清潔の実施                         細菌、ウイルスの侵入を防ぐ為に役立ちます。

文責:高橋 昭浩(当法人職員、健康管理士上級指導員)               参考書類:「ほすぴ」日本成人病予防協会発行)、その他公開情報

2025年前期の最新ニュース

1) 日本人女性の平均寿命は、40年連続世界1

厚生労働省は7月25日2024年の日本人の平均寿命を発表した。

・男性は81.09才(前年と比べ、横ばい)

・女性は87.13才(前年と比べ、0.01才短かい)

男女とも、心疾患や新型コロナなどによる死亡率は減ったが、老衰、肺炎による死亡率が増えた。全体としては、前年のほぼ横ばいであった。              また、特記すべきは、最新の海外統計を基にした国別の比較では、女性40年連続の世界1位となった。                                一方、男性はスエーデン、スイス、ノルウエー、イタリア、スペインについで6位で、前年から順位を一つ落としたとしている。

2) 高血圧の治療値を、年令75才以上で「上130・下80未満」に引下げ

 日本高血圧学会は7月25日、高血圧の治療で血圧を下げる際の目標値について、75歳以上で上の血圧(収縮期)と下の血圧(拡張期)を、これまでの「上140・下90」から10引き下げ、「上130 ・下80未満」に抑える新たな治療指針を発表した。なお、70才未満は、「上130・下80」で変更はない。                         なお、これまで75才以上の目標値が高めに設定されていたが、今回下げること(過去に戻すこと)で脳卒中などの予防効果が高いと判断した。

3) 10万人の「介護離職者」が発生しており、今回、国はこれを防ぐため仕事と介護が両立できる「環境づくり」指針を発表し、企業にその実践を促した。

 超高齢化社会で親の介護をしながら働く人が増える中、年間10万人が介護のために仕事を辞めており、企業にとって介護離職を防ぐ対策が急務であるが、ノウハウが乏しいのが現状である中で、厚生労働省は7月、介護と仕事の両立支援を進めるためのガイドライン(指針)を策定し公表した。企業にとって役立つことが期待される。

4) がん手術の医師が、2040年には5千人不足し「今の医療継続ができない恐れ」

 がんの手術を担う消火器外科医が、2040年時点で約5千人不足する見込みであることが、関係学会の推計で分かりました。日本消化化器学会に所属する医師は、長時間労働などで若手から敬遠され、減っている。この傾向が続くと、2040年には9200人となり、2025年の1万5200人から約4割減ることになる。実際上、2040年には、最低1万4400人必要なので、5200人不足することになり、このままでは今のがん医療を継続できなくなる恐れがあるとして、厚生労働省は都道府県に対し、医療機関の集約化により労働条件の改善等の検討を要請した。

健康の話

   体内に異物を侵入させない身体の仕組み

私たちの身体には、外部から細菌、ウィルス等の異物の侵入を防ぐための三つの防御層が設けられています。

★一つ目は、皮膚です。下記の種類があります。

・身体の全体を覆う皮膚
・鼻、のど、目、肛門、尿道口のうすい粘膜
・足の裏・手のひらのような硬い皮膚
これら皮膚はそれぞれの役割を有する皮膚細胞が集まって創られており、
・細胞同士が密着し外部からの侵入を困難にしています。
・更に、粘液を発出し、細菌、ウィルスを囲い込み侵入を防ぐとともに保温、保湿、及び免疫細胞への情報伝達を行っています。例えば、

サラサラ:口の中の汚れを洗い落とす粘液、よだれ、なみだ等
ねばねば:皮膚の保温、乾燥を防ぎ、異物の親友を防ぐ粘液、鼻水
べたべた:足裏の尾後、粘液便
ぬるぬる:気管支,食道の粘膜の保護、異物の侵入排除、

・また、織毛(気管支)、線毛(のど)、鼻毛をはやして、粘膜の保護、及び粘液に囲い込まれた細菌、ウィルス、それらを付着した埃の侵入をブロックし、外へ送り出す働きをしています。

★二つ目は、皮膚を突破した細菌、ウィルスを迎え撃つのは、生まれつき体に備わっている免疫細胞(自然免疫)です。侵入した細菌、ウィルスの約6割を攻撃して、排除すると言われています。

★三つ目は、特定の病原菌、ウィルスのために培養したワクチンを予防接種して、自然免疫に特定の免疫機能をつけたり、免疫機能を強化することによって(獲得免疫),侵入きた特定の細菌、ウィルスを攻撃し、排除します。

★上記の三つの防御層を突破した細菌、ウィルスにより発病が診断された場合、治療により対応します。細菌については抗生物質による治療を行い、抗生物質が効かないウィルスについては、抗炎症薬、抗ウィルス薬、中和交代薬を適切に投与し、水分管理、栄養管理を行い自然観察を行う、重症化する場合は、人工呼吸、ECM(エクモ)を行う。結果として、命が失われることもあります。

上記の体の仕組みを理解すると、以下の行為が体の仕組みを如何に助けるかがお分かりいただけると思います。
手洗い、うがいによって細菌、ウィルスを洗い落とすこと、入浴またはシャワーにより体を清潔に保つこと
計画される予防注射の接種を必ず受けること
例えば、風邪をひきそうになったり、伝染病にかかりそうになったら、適切な治療を遅滞なく受けること。

文責:高橋 昭浩(当法人職員、健康管理士上級指導員)
参照資料:「ほすぴ」(日本成人病協会 発行)、その他公開情報