今年の猛暑により、下記の通り、身体的異常、及び細菌、ウイルスの異常感染が起きています。 (1)「熱中症」が異常に発生しています。 原因:猛暑による体内の水分不足です。 症状:めまい、だるさ、吐き気・嘔吐、発熱です。 重症化すると、意識障害を発症することがあるので、症状に気づいたら遅滞なく医療機関の治療を受けること。 予防:特に夏期においては、気象予報に留意し、室温の調整、及びきめ細かな水分補給を行うこと。 (2)「百日咳」の感染が子供だけでなく大人にも異常に拡大しています。 原因:百日咳は細菌による感染です。接近、くしゃみによる空気・唾液飛散で感染します、また、体液・排出物に触れることによっても感染します。 症状:咳が長く(2~3週間)続き、就寝時に咳が出ることが多く、発熱、鼻炎、咽頭炎を伴うことがあり、重症化すると咳発作を起こします。なお、死亡率は低い。 予防法:細菌は、体内に侵入すると、自己増殖し症状を悪化させます。 ・うがい、手洗い、マスク等により侵入を防ぐこと。 ・侵入した細菌を攻撃し、排除する為に元々体内に備わっている「自然免疫」力を高める為に、バランスよい食事により必要な栄養素を摂取こと。 ・「自然免疫」では排除できない細菌については、「抗生物質」により排除が可能ですので、適切に、医療機関の治療を受けること。 ・百日咳ワクチンを必ず接種し、「獲得免疫」(ワクチン接種により、百日咳に特化した免疫情報を自然免疫に記憶させ、次に同じ百日咳細菌が侵入した際に迅速かつ強力に対応し排除する後天的な免疫システム)により、免疫力を高めること。 (3)”マダニ”が異常発生しており、刺す事によりいろいろな病気を媒介し、感染させます。例えば、ダニ媒介脳炎、ツツガムシ病、日本紅斑熱等です。 原因:”マダニ”は、動物の皮膚を刺すことにより各種の病気のウイルスを体内に注入し、感染させます。 症状: 刺された皮膚の箇所に、赤い丸い斑点が現れます。なお、“マダニ”が刺したまま残っていることもありますが、その場合は取り除かず医療機関を受診すること。 刺されて数日後に、発熱、頭痛、発疹等の症状が現れます。 注意すべきは、犬、猫等のペットが刺され感染している場合があり、その場合、唾液、排出物等に接触することにより感染することがあります。 重症化すると、ダニ媒介脳炎、ツツガムシ病、日本紅斑熱等の恐ろしい感染症を発症しますので、症状に気づいたら、遅滞なく医療機関を受診すること.
予防:森林、原野等に入るときは、肌が出ない服装を着ること。芝生にむやみに寝転がないこと。特に、幼児を野原等で遊ばせる時は、服装に注意すること。帰宅した時、服装を取り換え、風呂・シャワーを浴びて体を洗い、また刺されていないかチェックすること。 ペットは、体調が悪い様であれば、医療機関に受診すること。 予防接種はまだ十分に整備されていませんが、マダニ媒介脳炎に対しては、「タイコバックR」と称するワクチンが2024年3月に日本絵政府から承認されました。
死亡率が高いので、症状が感知されたら遅滞なく医療機関の治療を受けること。
(4)新型コロナの異変株“ニンバス”の感染が広がっています。 原因:新型コロナは過ぎ去った感染症という位置づけになっており、令和6年度以降のワクチン接種は定期接種(B類)に位置付けられ、65才最上の高齢者が対象になっています。従って、人口の大部分は免疫期間を過ぎた状態になっています。この様な状況下で、新型コロナの異変株”ニンパス”が広がり始めています。 症状:”ニンパス”の症状は、カミソリで切られた様な喉の痛みが特徴で、倦怠感、筋肉痛、頭痛、吐き気・嘔吐を伴うことが多い。 新型コロナ同様、後遺症が現れるので注意を要します。 予防:ワクチン接種は自己負担で可能なので、医療機関と相談すること。高齢者は、役所の計画に従って必ず接種を受けること。 (5)細菌、ウイルスによる感染、症状の悪化を防ぐ為に、下記の通り「自然免疫」、「獲得免疫」の免疫力を高めることが肝要です。 ★バランスの取れた食事 ・免疫細胞の元となる良質なタンパク質を摂取する為に、肉・魚・卵・大豆製品を取ること。 ・抗酸化作用(免疫細胞を参加させる活性酸素を減らす作用)を高め、細胞の粘膜を丈夫にしウイルスの侵入を防ぐ為にビタミンを含む緑黄色野菜、また、細胞のの代謝、DNA/タンパク質の合成の為の必須アミノ酸の生成に必要な亜鉛等のミネラルを含む牡蠣、あわび、タラバガニ、豚レバー、牛肉、卵、チーズ、納豆、ナッツ、アーモンド、抹茶、煮干し、ココア等を取ること。 ・腸内環境を整え免疫細胞を活性化する為に納豆・みそ・ヨーグルトなどの発酵食品、植物繊維が豊富な海藻・キノコ類を取ること。 ★適度な運動 血行やリンパの流れを促進し、免疫細胞のはたらきを活発化さえる為にウオーキング、ジョギング等の有酸素運動を無理せず継続的に行うこと。 ★質の良い睡眠 睡眠中には、疲労回復や細胞の修復、免疫機能の強化に不可欠な成長ホルモンが分泌されるので、7時間程度の良質な睡眠をとること。 ★ストレスの管理 好きな音楽を聴く、散歩する、笑う、適温の風呂にゆっくり入る等によりストレスの解消に努めストレスによる免疫量の低下を防ぐこと。 ★体温を適切に維持すること。 適温のお風呂に入ること、冷暖房を適切に使用すること、服装を適切に着ること、によって体温を適切に維持し、免疫細胞の活動を低下させないこと。 ★腸内環境を整えること 上記の活動を行うことによって腸内環境が整えられ、腸内の免疫細胞が活性化します。
★うがい、手洗い、口腔内の清潔の実施 細菌、ウイルスの侵入を防ぐ為に役立ちます。
文責:高橋 昭浩(当法人職員、健康管理士上級指導員) 参考書類:「ほすぴ」日本成人病予防協会発行)、その他公開情報