異様に暑かった夏がようやく終わったかと思ったのに、11月になっても夏日になる今年の秋です。
夏の間は、冷たいものを飲み、冷房にあたって芯が冷えてしまった体を癒し、気を体じゅうにめぐらすことをしてきました。
この間、嬉しいことに、新しい生徒さんがひとり、ふたりと増えてきました。
基本に立ち返る
11月からは、半年遠ざかっていた太極拳のお稽古が再開しました。
「再開」といっても、一通り習ったはずなのに忘れてしまった人がほとんどで、また、最近参加された方は初めてだということで、基本に戻っての再開です。
先生が繰り返し教えてくれることは、「太極拳は、手を動かしているように見えるが、手は動いていない。足を動かす」ということです。足の動きこそ、太極拳の動きをつくり、コントロールしているのです。
足の間隔を覚えておこう!
私たちが習っている太極拳は、太極拳のなかでも「正宗太極拳」というものです。
太極拳でも、流派によって型がちがいます。両足の間隔の長さも、流派によって異なるそうです。
私たちの場合は、両足の間隔を肩幅にとります。
それは、家の中をふつうに歩いている歩幅です。
きょうのお稽古では、まず、みんなでふつうに室内を歩き回りました。
立つ感覚をおぼえる。
歩幅の間隔が分かったら止まり、手のひらを広げ、両手を前方、胸の高さに出して、円をつくるように丸めます。膝は伸ばさず、軽くまげています。このとき両手のあいだは拳3個分あけます。目は下を見ず、遠くを見ます。ちょうど球を抱く形なので「抱球」という型です。
両足を前後に並べる。
立ったら、左足をかかとを軸にして左へ90度回転させます。次に右足のかかとを左に押し出すように90度回転させます。すると体は、ひとりでに左へ90度向きが変わっています。このとき、両足のあいだは、箒の柄1本分が通っている幅です。
ところで、槍を構える姿勢⇔槍を突く姿勢を思い浮かべていただくと、両者では重心の置き方が違うのが分かるでしょう。
私たちが習っている太極拳の大きな特徴のひとつは、前者の「槍を構える」のように、攻撃を溜めておく型になることです。
なかなか言葉では伝えられません。実際に繰り返し繰り返し、体で間隔を覚えていくものだからでしょう。